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自分は変なこと言っても、相手のは受け入れない 五字熟語も好き
●自分は変なこと言っても、相手のは受け入れない
若い男性二人がしゃべっている。
「ゴルフをする人はゴルファーなのに、なんでテニスをする人はテニサーじゃないんだ?」
「なに、それ」
「何って、そのままだけど」
「テニサーだと、テニスサークルだと思うからじゃねえの」
「なに、それ」
「何って、そのままだよ」
「じゃあ、ラグビーをする人はラガーだけど、ビールかと思うじゃねえかよ」
「なに、それ」
「何って、そのままだけど」
●五字熟語も好き
私は大学で建築学を教えている。
その受け持っている学生のなかに、千恵子くんという女のコがいる。
彼女は読書家だし、実に真面目に勉強をする。
ただ、他の学生らからなぜか「土地転がし」と呼ばれているようで、少々心配なのだ。
ある日、千恵子くんが分厚い本を開いていた。
よく見るとそれは五字熟語辞典で、私は彼女に話しかけた。
「なあ、好きな五字熟語、ある?」
「うーんと、そうですねえ。『仲介手数料』かな」
「……ほー」
絶対に学ぶ場所、間違ってるだろ。