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踊る二人 その二 形勢逆転
●踊る二人 その二
ダンスフロアで、二人はなおも踊っている。
「まだ続くの? この話」
「な。こうなったら俺たち、恋に落ちるしかないんじゃないか?」
「やめてよ。あんた、私のタイプじゃないわ」
「しかし、嫌よ嫌よも好きのうちって言うぜ」
「あれ? あんた、もしかして、タカユキ?」
「え? もしかして、レイカか?」
「いいえ。私の名前はマサミよ」
「……結局、何なんだろうな? この話」
「踊り続けるしかないってことなんじゃない。フォー!」
●形勢逆転
「なあ、プリンて凍らせたらどうなるんだ?」
「プリンの凍ったのができるんじゃねえの」
「そうか。……いや、そうじゃなくて」
「何だよ」
「普通のものは凍らしたら固まるけど、プリンは柔らかいだろ?」
「ああ」
「だから、ちょっと違った感じになるんじゃないかって話だよ」
「だったら、実際にやってみたらいいじゃねえか」
「そうだな」
「……いや、納得すんな。もっと来い!」




