白星黒星 年末年始
●白星黒星
息子が大相撲の世界に入ると告げたとき、私は猛反対した。
ケガなど健康上の心配もあるが、体が大きくなく成功するとは思えなかったからだ。
しかし、努力したのだろう、現在幕内に定着してひと安心。ところが——。
「何だよ、うまくいったからって。そういうのを手のひら返しって言うんだよ」
久しぶりに顔を合わせたその子に、冷たく言われてしまった。
「健太、お母さんは陰では応援してたんだぞ」
「嘘つけよ」
「本当だ。ノートにこっそり日付と白か黒の丸を書いているのを、父さん見たんだからな」
あなた、ナイス。確かに私はそうしていたわ。
ただそれは、お菓子を食べるのを我慢できたら白で、駄目なら黒って意味だったんだけど。
●年末年始
住宅街の一角で、声が響いた。
「コラー。ちゃんとやりなさい!」
「やだー」
「駄目よ、あんたたち。年末に大掃除をするっていうのは日本の習わしなんだから」
「だって、寒いし、面倒くさいんだもん」
その数日後——。
「コラー。ちゃんとやりなさい!」
「やだー」
「駄目だよ、母さんに父さんも。年始におせちを作るっていうのは日本の習わしなんだから」
「だって、寒いし、面倒くさいんだもん」




