おなら 撮影
●おなら
「え? お前、自宅にいておならをしたくなったとき、家族がそばにいたら、しないの?」
「うん」
「だって身内だぜ。じゃあ、したくなった場合、どうするんだよ?」
「トイレに行ってするよ」
「でも、おならって何回もしたくなるときだってあるじゃんか?」
「そう?」
「そうだろ。そしたら、何回もトイレに行くわけ?」
「いや、そんなにおならしないから」
「えー! マナーがあるうえに、おならをすることもないのかよ。お前すげーな!」
「あのさ、僕がモテないのを心配してくれてるにしても、もっと他に褒めるとこあるでしょ」
●撮影
「帰国や来日した有名人を空港に見にいった人が、ずっと撮影してるけど、おかしいだろう」
「そう?」
「だって、今どき、その写真や映像なんていくらでも入手できるじゃないか」
「まあね」
「せっかく直に見られるんだから、自分の目で見ろよ。眼球に、脳に、焼きつけろよ!」
「……」
その後——。
「お父さん、素直に非を認めればいいのに」
「ね。私たちの運動会の撮影を失敗したこと」
「あの人、昔からずっとああ」




