人は変わる 俺の勘はだいたい外れる
●人は変わる
俺の友人の都築が言った。
「危険だから子どもにやらせないっていうのは不健全だと俺も思うよ」
「ああ」
「でも、学校に入りたてのコたちに、ドッジボールをやらせることはないんじゃないか?」
「そうか?」
「なにも、あんなボールをぶつけ合うやつをさ。高学年くらいならわかるぜ」
「なるほど。いえてるかもな」
「あれで痛い思いしたりして、球技全般を嫌いになっちゃうコもいると思うんだよ」
「あー、確かに」
けど昔、「顔面セーフはなしでいいだろ。当たる奴が下手なんだ」と言ったとは思えんな。
●俺の勘はだいたい外れる
「ん?」
買い物に向かう途中に、友人のユキオを目にした。
普通に歩いているが、ぼーっとした雰囲気で、気持ちが沈んでいるように見えた。
嫌な予感がした俺は、こっそり後をつけた。
ユキオはコンビニに入っていった。
そしてある地点で足を止めた。
その場で、じっと何十分も静止し続けた。
それから、ようやく一つの商品を手に取った。
そうして買ったアイスを食べながら、実に満足そうに本人の家のほうへ進んでいった。
どのアイスにするかで迷っていただけだったらしい。