連係プレー 比喩
●連係プレー
「昨日、テレビつけたらさ」
「ああ」
「まかないのおいしい店を紹介してて」
「なんかテレビって、まかないメシが好きで、しょっちゅうそういうのやらねえ?」
「だよなー。俺も今そう言おうと思ったんだ」
「なんでだろ?」
「ほんと、不思議だよ」
「何にしろ、まかないがうまけりゃ、店がテレビで取り上げられる確率が高くなるよな」
「そして、そうなれば当然、今より店が繁盛する確率も高くなる」
俺たちはバイトをやるたびにそう話し、毎度店のまかないはおいしくなるのである。
●比喩
「そしたらあいつ、『プラチナチケットって、この券、紙じゃねえか』だって」
「はあ? チケットがプラチナでできてるわけねえじゃんな。あいつ、ド級のアホだな」
「ああ。絶対に比喩とかわからねえんだぜ」
そう話していた俺たちのもとに、警察官がやってきた。
「すみません。ここらへんで、ひざに爆弾を抱えた人を見ませんでしたか?」
「え? いえ……」
「そうですか。そういう人がいるという情報がありますので、気をつけて行動してください」
そして警官は周りを警戒している様子で去っていった。
俺たちは顔を見合わせた。
「まさかな……」




