HENTAIMANS
HENTAIMANS
――失敗―――
アサシンの俺、ガントレットのたかさんは教わる相手も教える相手もいないので2人ぼっち。
最初は2人で皆の訓練を見ていたが、黙って見ているほど暇な事はなく、かといって俺はコンビニ袋を被っていないから、いつものようにたかさんに話しかけることもできず、黙って皆の訓練を見ていると、たかさんが俺に話掛けてきた。
「君の名前は?」
「高谷と言います」
「そうか、君はアサシンなんだ」
「はい」
「そうか、変態マン君と同じか」
「はい・・・」
「・・・暇だね」
「はい、暇ですね」
「僕達のジョブは少ないよね」
「はい、少ないですね」
「いつも何やってるんだい?」
「訓練ですか?」
「ああ」
「走り込みと、実践形式の訓練です」
「そうか、実践か・・・」
「はい」
「暇だね」
「はい」
「やってみる?」
「はい?」
「実践」
「いいんですか?」
「暇だしね」
「そうですね」
「じゃあ、やろうか」
「はい」
お互い近接戦闘タイプ、
筋肉もりもりガントレット、俺は、ゴブリンチャンピオンを思い出した、たかさんごめんなさい。
2人で皆の邪魔にならない所に移動して
「いつでもいいよ」
「はい、それじゃあ、よろしくお願います」
最初はバフなしで、たかさんに向かって走り出すと、たかさんは、剣闘士ポーズ
斜に構え、両手とも握りこぶしで右手を引いて、左手を前に、実践空手家の構えに似ている。
たかさんの左手の直前でほぼ90度、左に曲がると、
右手が飛び出してきた。
ギリギリよけながら、後ろに回る。
たかさんは俺の動きに合わせて、一緒に回る、俺には背中を見せず、また斜に構える。
さずがトップパーティー動きが違う、俺の動きをちゃんと見てる。
レベルが70くらいだから、よくよく考えると川越のモンスター並みだよなバフ2重掛けで構えると、
たかさんも俺に向かって、正拳、手刀、蹴りと連続攻撃、俺もそれをかわしながら走り回る。
決着がつかないまま。
「なかなかの動きだね」
「ありがとうございます」
「ねえ、ひょっとして変態マン君?」
「えっ?」
「君、変態マン君?」
「はあ?」
「君の動きがね、それにその筋肉の付き方、筋肉の動き、変態マン君と同じなんだよ?」
「俺、高校生ですよ、違いますよ」
「そうかな~、これでも筋肉には自信があるんだけどな~」
そう言って、上腕二頭筋をピクピク
「あ~、あれです、俺、変態マンにあこがれてて、師匠に変態マンの動きを指導してもらってるんです」
「そうか~、指導か~、う~ん」
やばいやばい、やっぱりあのクラスになるとごまかすのが難しい、特にマッスルズさんはボディービルダーの世界でもトップだから、そういう事か・・・
「あっ、皆、休憩に入ったみたいです」
そう言って、たかさんから離れ、皆の所に
なんとかごまかしたけど、それ以上一緒にいるとまずそうなので、トイレに逃げ込んだ。
訓練指導も終わり、なんとか、その場をしのいだけど、後でさゆりさんとゆうに相談しなきゃ。
皆は5大パーティーのマッスルズさんに会って、直接指導をしてもらった事で、最初か最後までずーっと興奮して、全員でマッスルズさん達を見送って解散。
次の日、君津が
「さゆりさんって本当にすごいんだね」
「ああ、本当にすごいんだ」
さゆりさん、いつもいつもごめんなさい。
最初は伊達君の指導訓練の話が、ここまで大きくなってしまったけど、俺の正体がばれそうになったけど、皆が喜んでくれたのでOK!
そして、次の日
―――豊島の朝は普通
今、豊島の21階層
俺達はさゆりさん主導で、弟子=公認達がレベル30になるまで、特訓を続けている。
1週間後
須藤さんからの呼び出しで虎ノ門の管理局の応接室
つい先日行ったのにまた呼び出された
「やあ、お疲れ様」
「はい」
「これで 変態マンと美女は不動の地位だな」
「はあ」
「まあ、名前は気に食わないだろうけど、冒険者達や官公庁には絶大な信頼を得られたんだよ。
“%$%&‘!な連中は、〇△ったかぶりで上から目線でねちっこく言ってくるだろうけど、あいつらは何でもかんでもそういう事をするから、一般人でも常識のある人達は、そういうコメがどういう事か、わかっているから、そんな連中の事だと思って気にするな、」
「はあ」
「それと、これ。司馬さん、うまくやったね」
「はい」 ゆうがニッコリ。
そう言って、ちょっと厚めの封筒を渡され、中身を見ると20万円分のヤヤコカードが8枚
図柄が2頭身の可愛キャラ系変態マンとその後ろにかわいい仮面美女3人のキャラが、そしてHENTAIMANSの文字が書いてあった。
「これは?」
「ゼーンブJホールディングの広報の人から、このキャラクターで変態マンの名前を使わせてほしいそうだ」
「はあ」
「うわ~かわいい、ちょっとダークな ”ねりまる?” いいんじゃない?」
「たしかにかわいいな」
「はい」
「とりあえず半年契約で、ちゃんと契約料も払うと言っている」
「そういう契約って・・・・・・」
「そうだな、5大パーティーも同じような事があるんだよ、管理局としては、鬼頭君が全面的に対応してくれるから心配しなくても大丈夫だから」
「はい、鬼頭さん、よろしくお願いします」
「はい、お任せください」
キャラクターのライセンスとか色々難しい話があるらしいけど、それも含め鬼頭さんが、俺達に有利に話(契約)を付けてくれた。
それから1か月後、“HENTAIMANS”が全国のゼーンブイレベンとサトウヨーカドーで流された。
それから、
俺達のパーティー名は “HENTAIMANS”になった。
ゆう、さすがの行動力、さっそく、次の日から公認(弟子)のコンビニ袋に耳がついた。
当然俺も・・・・・・
「ねっ! やっぱり耳がついているほうがかわいでしょ?!」
「う、うん」
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なろう作品で、いつも気になる事、
『斜に構える』の由来、本来の使い方、現代の使い方=誤用?定着?




