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確保ー新事実

 豊島の朝は早い、そしてまだ暗い、特に今日は ー2



「おいおい、コンビニ袋被った変態野郎、この前やられたのに懲りねーな、今度は2人か?


 お前らみたいな変態が何人いようが変わんねーんだよ」


 なんか1年の時のクラス対抗を思い出す。


 俺は大林を無視して、公認に


「手足なら思いっきり刺しでも良いぞ、頭が胴体につながっていれば何やっても良い、なんなら手足を切り取ってもいいからな、(さゆりさんを指して)あの人(女性)はそれくらい簡単に治せるから、気にするな、思いっきり行くぞ、あっ、心臓は狙うなよ」


「はい」


 俺が、バフ2重掛けで、俊足で大林に向かってジグザグで走りだす。


 その後に公認がまっすぐに走りだし、大林が大剣を構えたので、俺は鉈に切り替え、直前で大林の頭の上を飛んで鉈の背で大剣を思いっきり叩く。


 いくら俺がアサシンで大剣使いに比べ、力で勝てないと言っても、大林とはレベルが違う。


 2重掛けバフによる鉈の振り切りは、大剣を思いっきり跳ね飛ばすとボキっと折れて、それでも大林は大剣を離さず持ったまま。


 大剣と一緒に横に2mほど飛んで行った。


「行けー!」俺が叫ぶと、公認が、横に飛んで倒れた


 大林に向かって行き、そのまま馬乗りに、マウントを取る。


 大林は、倒れても大剣をはなさないので俺は、

 大林の手から大剣をもぎ取って、両手首の腱を切る。


 そして公認(弟子)に


「顔が腫れるまで、顔をボコレ」


「はい」


 公認が俺の指示に従って、大林の顔を殴り始める。


 顎をかするように思いっきり殴れば簡単に脳震盪を起こし、それで終わるけど、今回は違う。


 動画配信されているから、公認変態マンはこいつより強い、そして、犯罪者には容赦ないという所を見せつける必要がある(残酷かもしれないけど)。


 それと、もう1つ、大林に徹底的に精神的ダメージを与えるには、一発で倒すんじゃなく、恐怖を味あわせる必要があるから、ひたすら顔をボコる、顔がどんどん腫れてくる。


 1分も経たないうちに、大林が


「やめてくれー、わかったよ、おとなしくするから、・・・・・・やめてください、お願いします」


 声色が変わった。


 あの横柄で上から目線の何様言葉が急変した。


 あっけなかった。


 俺は、公認に向かって「おつかれ、もう良いぞ」


 そして、ゆうに向かって


「ゆう、縛り上げてくれる?」


「うん」


 ゆうが、魔法で蔦を出して、大林をぐるぐる巻きに縛り上げた。


「さゆりさん、こいつの手をお願いします」


 さゆりさんが頷いて、殴りすぎて腫れてしまった公認の手にヒールを掛ける。


 大林確保、大林の手の腱だけ治してもらい、顔はぼっこぼこに腫れたまま。


 マッスルズさん達は30階層から上に上がってきている、どうしようか悩んでいたら、ゆりこさんが


「もう少し待っていたら、マッスルズさん達もくるんじゃない?」


「それじゃあ、このまま待ちますか」


「そうね」


 ゆうがいつものようにコンビニで買って俺のリュックにいれたペットボトルのお茶とお菓子をだして皆で休憩していると、


「やあ変態マンくん、女王様達も


 あれ? もう捕まえちゃったんだね、そうか、ちょっと残念」


 しんさんが


「そうか、・・・・・・大剣使いだったのに・・・・・・」


「おい、しんさん、いくらこいつが大剣使いでも、今回は変態マン君の物だよ」とたかさん


「そうだな、うん、まあ今回は変態マン君の弟子のかたき討ちだからな」


「そうだな」普段無口なちょうさんも


 しんさんは、大剣使いに何かこだわりがあるみたいなので、そこで俺は思いついた。


 場違いで突拍子もない事だけど


「あの、探求高校の3年でレベルが36の大盾、大剣使いがいるんですけど、今度そいつに訓練をしてあげてくれませんか」


「大剣使い?」


「はい」


「そうか、高校生で36、それは面白そうだな」


「はい」


「それじゃあ、ここを出たら連絡先を教えてくれるかな」


「はい、ありがとうございます」


 帰還移転魔方陣でダンジョンの入り口に、そのまま買取所に向かって17人でぞろぞろ行こうとすると


 大林が突然すごいことを言った。


「あっちの世界じゃ、あと少しでスケルトンサムライ倒してLv.50になれるところだったに、朝起きたらレベル10? 

 それも訳の分からない高校の1年で、おまけにBクラス?ふざけるなよ、こっちには12神将も上級者もいないから、さっさと素材刈り取って、装備揃えて天下をとるともりが、クッソーッ」


 こいつ、俺達と同じ境遇者だったんだ。


 こっちに来たらレベルが下がってたのか・・・それも1年も前に・・・

 各階層の知識を持ってるから、1年の終わりには早々とLv20に上がれたんだな。


 でも、いくら焦っていたとしても、他の冒険者の素材の横取りは犯罪だ、おまけに公認に怪我までさせて。


 しかし、こいつを警察庁のダンジョン特殊捜索隊に引き渡した後、このことを言ったらどうなるんだろう?


 妄想癖とか狂言癖と思われればいいけど、


 まともに取り合ったら大変な事になるかもしれない。


 心配になってさゆりさんとゆうの方を見ると、2人が頷いた、どうする・・・

 悩みながら、買取所に向かって歩いて行くと、


 須藤さんが待ち構えて俺達の方に向かって手を振ってきた。


 さゆりさんが須藤さんに向かって走って耳打ちしている。


 同じ境遇者の事を話してるのだろう、


 須藤さんの顔が一瞬険しくなり、


 またいつもの顔に戻り


「マッスルズさん、女王様、 はじめまして、管理局の須藤と申します。この度は変態マンと美女にご協力いただきあありがとうございます」


 全員の自己紹介が終わり、大会議室で警察隊を待つ

 須藤さんがマッスルズさんや女王様達と、今まで事を話ったり、俺達とマッスルズさん、女王様達とわきあいあいと雑談に花が咲く。


 たかさんがゆりこさんに


「女王様達も、今度こそ大会に出てくれないかな?かなり上に行けると思うんだ」


「あっ、その、私達、忙しくて」


「でも1日くらい、どうかな? このまえ1度来てもらって楽しかったんじゃないかな?

 君達向けの大会があるんだよ、是非参加してほしいと思っているんだ」


「いや、あの・・・」


 ゆりこさん達は、あの性格だから、ぐいぐいこられると断れない。


 まあ、俺が間に入るしかないかな


「たかさん、ゆりこさん達は結構忙しいみたいですよ」


「そうなのか?」


「はい」


「そうっか、残念、じゃあ今度また変態マン君達と一緒に観に来ないか?観に来るだけならどうかな?」


 それを聞いたゆりこさん


「変態マンさん達と一緒に観に行くだけなら、なんとか調整できると思います」


「そうか、うん、そらじゃあ後で連絡するよ、うん!」


 そうこうしていると警察隊がやってきた


 全部で10名


 須藤さんが警察隊と話をしている。


 俺達はそれを黙って見ている、マッスルズさん達も女王様達も警察隊に1度挨拶をすると、それからは無視するかのように雑談を続けており


 本来なら、トップパーティーなんだから警察隊に色々話をするのが普通じゃないかな、そう思って俺は、


「こんにちは、はじめましいて変態マンです」


「こんにちは・・・」一言だけ?


 あれ?挨拶したのに、


 さゆりさんにも、ゆうにも同じ対応。


 俺はさゆりさんとゆうの方を見る。


 2人も警察隊がなんでそれだけなのか不思議に思っているけど、誰も何も言わず、警察隊と須藤さんの話が終わって大林を引き渡す。


「すみません、この蔦を解除してください」


 初めて、俺達に挨拶以外の言葉を発してきた。


「はい、わかりました」


 ゆうがそう返事をして、蔦を解除すると、大林が暴れだした所をスタンガンのような物で電撃をくらわして、手錠と縄紐で拘束し、

「失礼します」そう言って、そのまま連れて行った。


 俺は不思議に思って、ゆりこさんに


「あの、警察隊の人に挨拶したんですが、それ以外何も言ってこなかったんですけど、俺、なにか気に障ることでもしたんでしょうか?」


 ゆりこさんが


「ううん、気にする事はないわ、彼らはいつもそうなの、


 街のおまわりさんは、皆に親切でしょ、


 でも冒険者は一般人とは違うからって、冒険者には誰に対してもああいった態度なのよ。

 警察は全ての冒険者に公平に、そして皆に法と秩序を守らせるため、とか言って、必要な事以外は話さないの、ちょっと変でしょ。


 ダンジョンの中は地上の街と違って、全員が武装して、その気になれば人殺しもできるじゃない、だからダンジョン内では違法行為の取り締まりを最優先するから

 冒険者全員に対し、公平に厳しくするためだって、

 無視というより、どちらかというと機械的な対応みたい。


 あいさつくらいはいいと思うんだけどね。


 昔は、町のおまわりさんみたいに、冒険者に親切に対応していたんだけど、ある時、冒険者から、ひいきしているとか、冒険者が不正をしているのに、取り締まらないとか言ってクレームが来たらしいのよ」


「へえー、そうなんですね、でも不思議ですね」


「そうね、彼らにとって、私達も新人も同じ冒険者で上も下もないって考えだから、それがあんな対応になったみたい。悪気はないし、立場上しょうがないんじゃないかな」


「ふ~ん」


 不思議、でもそういう事なんだ。


 まあそうとわかればいいっか、


 あれから、須藤さんは、大林は2日もダンジョンの中で潜伏していたので、精神的におかしくなってしまったようだ。


 ずーっとわからない妄想を話しているので、そっちの鑑定をした方が良いと警察隊に説明したとのこと


 確かに、ゲームの世界がどうのこうの言ってるけど、こっちの世界ではそんなゲームの世界なんて存在しないのだから、精神鑑定をすれば、おそらくそう判断されるだろう。


 須藤さんがその後の成り行きを追うから心配するなと言ってたので、まかせることにした。




 ーーーーーーー虎ノ門の会議室


「記者会見は、高谷君が真ん中で話をしてもらう。マッスルズさんも女王様も基本的には何も話さないから、いいね」


「・・・はい」


「進行は私がするし、なにかあれば私が答えるから、高谷君は挨拶とお礼と今回の件について、原稿を書いてそれを読み上げるだけで良いからね、大丈夫、心配しなく良いから」


「はい・・・」



 それから、俺は必死になって原稿をつくり、さゆりさんとゆうに添削してもらい、何度も書き直しながら、なんとか原稿を完成させた。




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