事件発生
事件発生
11月も下旬になると、さすがに朝は寒い
俺達も進学先が決まり、時間的にも余裕ができて、ダンジョンに入る回数も増え、陽も確実にレベル37,大谷さん達も36に、豊洲は豊島よりレベル上げが大変だと聞いていたが、さゆりさんとゆうの指導もあって、実力はおそらくもっとある、でも焦らず3月には40になるくらいで進む。
君津、大谷さん達もおそらく40になるだろう。
月曜日、いつもように学校に。
教室に入ると 君津が俺を見て小走りでやってきた。
「高谷」
「おはよう」
「おはよう、事件だ」
「どうした?」
「1年の時、大林って問題児がいたのを覚えてる?」
「ああ、クラス対抗でそいつと当たったよ」
「あいつ、探求者をやめる事を条件に、おとがめなしという事で退学したんだけど、どうも、それから地方でこっそり冒険者になっていたらしいんだ」
「そうなのか」
「ああ、あいつが、東京に戻ってきて、豊島で他の冒険者の素材を強引に横取りしているらしくて、変態マンが、その冒険者を助けようとした所、逆に変態マンがやられたらしいんだ、それで豊島では大変な事になっているんだ」
「まずいな」
「うん」
「他の冒険者が監視員にその事を伝えたんだけど、それから大林が出てくることがなくて、おそらく中に潜伏しているんだろうって、高校にその連絡が入って、しばらく豊島は出入り禁止になったんだよ」
「そうか、そうなると、さゆりさん達が動くな」
「やっぱり、そうなるんだ」
「ああ、でも潜伏なんてできるのか?」
「そうなんだ、他の冒険者の食料を奪いまくってたらしいけど、モンスターがいる中でどうやって睡眠をとるんだろう?」
「そうだよな」
「君津も、生徒会長として忙しくなるな」
「うん」
さっそく、ゆうからレインが、
須藤さんから招集がかかったと連絡がきた。
俺は、皆に、さゆりさんの手伝いに行くからと言って
そのまま学校を早退し、急いで虎ノ門へ
ゆりこさんからも心配のレインが来たので、違う変態マンだから大丈夫ですと返すと『会いたい』 って・・・
たかさんまでも心配してくれ、
「それは俺達が豊島の平和をまかせた別の変態マンです」と返した。
ゆうが、ちえちゃんとよっちゃんに連絡すると、ヒールとポーションで怪我の方はなんともないけど、
ショックで寝込んでいると返ってきたので
後でお見舞いに行くと連絡していた。
虎ノ門の駅で待ち合わせし管理局のビルへ、
エレベーターで、さゆりさんが
「高谷、お前の弟子がやられたんだ、わかってるな」
「はい、わかってます」・・・弟子か・・・
応接室のドアをノックして中に入ると、須藤さんと鬼頭さんが、
「おお、本当に君達じゃないんだな」
「はい」
「最初、変態マンがやられたと聞いて、驚いたんだが、すぐに斎藤君に連絡すると、高谷君の弟子の変態マンと聞いて安心したんだ、でも、困った事になった」
「はい、あいつら、レベル上げしてやったり、武具あげたりして、『豊島の平和を守れ』って言ったんです。そうしたら、あいつら律儀に豊島で冒険者を守ってこんな目にあって・・・・」
「そういうことなんだな」
「あの、なんで、再登録できたんですか?」
「ああ、探求協会と冒険者協会という縦割り組織の弊害だよ、今管理局でも大騒ぎになってるよ」
「そうなんですね、あの、今回の事ですが、変態マンとして豊島に入りたいんですが」
「そうだな、今警察隊が入っているんだが、管理局からその旨伝えておくよ」
「ありがとうございます」
「そういえば君達、学校の方はどうするんだ?」
「しばらく休もうかと思います」
「それじゃあ、管理局の方から学校へ連絡しておくよ、そうすれば、単位に影響しないだろ?」
「ありがとうございます」
その足で3人は公認が住んでるアパートへ、練馬駅で陽が待ってるとゆうに連絡が入り、練馬駅で待ち合わせ4人で公認のアパートに、歩きながらコンビニ袋を被る。
既に3人がマンションの前で俺達を待っていた。
「あいつは?」
「はい、怪我の方はなんともないんですが、一方的にやられちゃって、それがショックで・・・」
「そうか、大丈夫だ、俺達がかたきをとってやるから、じゃあ行こうか」
3人とも合いカギを持っているので、中に入ってエレベータに、そして公認の部屋に入ると、カップ麺の空容器がテーブルいっぱいに、そしてベッドであいつが布団にくるまっている。
「おい」
何の返答もないから、布団を引っ剥がすと小さく丸くなった公認変態マンが
「おい、心配になって見舞いに来たんだ、寝てないで起きろ!」
「はへ?」
「はへ、じゃないだろ?」
あわててコンビニ袋を被って
「あのー、どうして?」
「見舞いにきたんだ、大丈夫か?」
公認はあわてて床に座って、そのまま土下座
「すみません、豊島の平和を守れって言われたのに
守れませんでした」
「いや、よくやったよ、ちゃんと冒険者を守ったんだろ?」
「でも、僕達が負けたら何の意味もないです、変態マンさん達が負けたってスレがいっぱいで、ボロクソに書かれちゃって、すみません」
「そんなやつらのスレなんて、気にするな」
(そういう事を書き込む奴らは$%&‘(’&%な連中なんだから)
「そうだ、おまえ達は、ちゃんと師匠の言いつけ通り、豊島を守ったんだ、誇りに思え、後は師匠に任せろ」
さゆりさんのその言葉を聞いて、公認は
「師匠?・・・・・師匠―!」
大声で泣き出して、俺にしがみついてきた。
「おい、離れろ、涙と鼻水で、俺の服がぐちゃぐちゃだろ」
そう言って引き離す。
しばらくして落ち着いてきたので
「お前達はよくやった、あいつは冒険者として一番やってはいけない事をやったんだ、かたきは討つ。
警察隊だけには任せられないからな」
「はい」
「明日から、毎日豊島に入るぞ」
「はい、ついて行きます」




