まあ、平和を守るなら黙認するよ
まあ、平和を守るなら黙認するよ
「まあ、別にいいけど、但し、今のレベルで豊洲に来るな、
そもそも、なんで豊洲に入れたんだよ」
「はい、監視員さんに『おはようございます』って言ったらそのまま通してくれました、もう豊洲には来ません、ちゃんと豊島にしか入りません」
「そうか・・・・」
うわ~ 俺達が川越に入った時とおんなじか~、
名前が売れちゃったから素通りできたんだ~
「あの、もうこんな事しません、変態マンの名前を騙って冒険者を助けるなんてもうしません すみませんでした」
「いや、豊島で他の冒険者を助けるのはいい事だけど」
「えっ? じゃあ、続けてもいいんですか?」
「そりゃあ、人助けはいい事だから」
「やった! ちえちゃん、よっちゃん、変態マンさんが認めてくれたよ、このまま続けてもいいんだって」
「いやいや、ちょっと待てよ、認めたんじゃない
他の冒険者を助けるのは良い事だ、って言ったんだ」
「でも、素顔でやったら 素材の横取りって思われるし、ダンジョンを出た後も何言われるかわからないし・・・・・あのコメを見ると怖いです・・・」
「かっくん、いいんじゃない?」
「そうだな、高谷、いいんじゃないか?」
「・・・・・・別に認めたわけじゃないからな、黙認。
あくまでも黙認だぞ、豊島で正義の味方をしている限り黙認してやる」
「ありがとうございます」
「おお」
3人、その場に立って構えたので
「あっ、その変態マンポーズ、やめてくれ、俺がどんなに恥ずかしい思いをしているか、お前達のせいで何度脇腹を擽られたと思ってるんだよ、絶対そのポーズ禁止!」
「はい、わかりました。 こ・の・ポーズは禁止します」
「おお」
「じゃあ、このまま帰れ!」
「はい、ありがとうございました」
「おお」
「あの、最後に握手していただけませんでしょうか」
「おお」
そう言って3人が俺達4人と握手をして、1階層入口に出て行った。
この間中、陽が目をキョロキョロ、眉毛をぴくぴくしながら俺達を見ていた。
というより、自分の兄がコンビニ袋を被って、さゆりさんとゆうが仮面をしていることに、なにも言えずにいた。
そんな陽を見て、さゆりさんが
「陽、今日はこんな状況だから、レベルアップはあきらめて、帰るぞ」
「はい」
4人、帰りの電車で終始無言、そのまま俺の家に
皆だまっていると、陽が
「兄さん」
「はい」
「兄さんが変態マンなんですか?」
「おお・・・」
さゆりさんが
「陽、今まで黙っていてすまなかった、そうなんだ、私達3人が変態マンと美女なんだ」
ゆうが「陽ちゃん、ごめんね」
「・・・・」
黙って何かを考えている陽に向かってさゆりさんが
「この事を知っているのは、管理局の人間が2人、上野の刀を買ったお店の店主だけだ」
それを聞いた陽が、俺に向かって
「兄さんの高校の人達も知らないんですね」
「ああ」
「そうなんですか、でもなんであんな恰好をしているんですか?」
これ以上俺が答えたら、全部ばれそうでどうしようかと思っていたら替わりにさゆりさんが答えてくれた
「普通の大学生と普通の高校生が5大パーティーを助けたんだ、私達の素性がばれたら、とんでもない事になるから、だからこんな格好をしているんだ わかるだろ?」
「はい」
「私達の強さについては、疑問に思うだろうけど、いずれ話すときがくるだろうから、それまでは聞かないでほしい」
「はい、わかりました」
「陽には、もう少しレベルが上がった時に正体を明かそうと思ったんだ、すまない」
「いえ、そういう事ならいいんです」
「陽ちゃんにも、私達の正体がばれちゃったんだから、これからは、こんな場面があれば一緒に活動することになるけど・・・」
ゆうが陽を変態マンと美女達に加入を促す。
「はい、人助けになる事なので喜んで手伝います」
「それじゃあ、一刻も早くレベルをあげなきゃね」
「はい」
それから、ゆうが陽に仮面を渡したようで、時々陽がゆうを部屋に呼んでゴソゴソやってる、
「ゆう、陽がなんだって?」
「あの仮面はどうやって持っているのか、すぐに仮面をつける方法を教えてほしいって」
「あいつ、仮面を気に入ってるの?」
「そうみたい」
「なんで?」
「仮面を付けると、さゆりさんと私と3人一緒じゃない、 それがうれしいんだと思う」
「そっか」
「うん」
次の日学校では
変態マンがイメージチェンジしたとかでかなり盛り上がっていた。
ねえ 高谷君 見た?
スマホの画面を見ると
動画はないけど、スレが
#変態マンが変わった
#変態マンポーズが変わった
#コウニン変態マン って何?
#コウニン?
#大学受験
#なわけないだろう(草)
#認められたんだよ
#誰に?
#公認?
#公認
#変態のくせに公認?(草)
#俺は認めてないけど
#&‘()“#$%(’&%$#)%%
「変態マンがイメージチェンジしたみたい」
「ふ~ん」
「新しいポーズなんだって、見てみたいな~」
(あのやろう、変態マンポーズはやめろって言ったのに)
この日家に帰って ゆうと
「新しい変態マンポーズだって」
「俺、あの時、変態マンポーズはやめろって言ったよな~」
「うん、勘違いしたんだろうね、あ・の・変態マンポーズを辞めればいいって」
「・・・そっか・・・」
「公認だって、笑っちゃうね」
「認めないって言ったよなー」
「でも、豊島で正義の味方をしているなら黙認するっていったじゃない」
「うん」
「それって、続けても文句はいわない、黙って認める って事でしょ」
「まあ」
「本物の変態マンが正式に黙認するって言ったんだよ
本人にとっては豊島で変態マンをやっても良いって言ったも同じじゃない」
「そっかー・・・ そうだよなあ」
「いいんじゃないの? 豊島で冒険者の事故が減るんだし、豊島の変態マンはちゃんと冒険者を助けてるんだから」
「うん」
「かっくんも私達も、安心して豊洲と川越に入れるんだから」
「そうだね」
「そうよ、ポジティブにね」
「うん」
「でもさー、ゆうはその新しい変態マンポーズやる?」
「イヤ!」
「だよね」
「当たり前じゃん」
「・・・・・・・・だよな~」
「かっくん、新しい変態マンポーズも禁止だからね」
「わかってるよ」
まあ、正義の味方やってるんだからいいっか
確かに、初心者冒険者の事故が激減したとは聞いている。
まあ そういう事なら『よし』としよう。




