調査員、2回目の登場
調査員、2回目の登場
次の日、教室で自分の席に座っていると、市川が教室にはいってきたけど、
おれをチラっと見るなり、無視するように自分の席に、
それからもチラチラ見るくせに俺を無視するから、市川の席に行って
「市川、同じAクラスなんだから無視する事はないんじゃないか?」
「無視なんかしていない」
「でも、お前、必ず俺の方をチラって見るだろう」
「そんなことはない」
「なあ、なんでそんなに意固地になってるんだ?」
「なってない」
「なあ市川、同じ教室で、俺を無視しているように見えるぞ」
「違う、無視じゃない」
「じゃあなんだよ」
「そんな事、 どうでもいいだろ」
「よくないから言ってるんだろ」
「・・・・・・」
そのやりとりを聞いていた前の席に座っている君津が振り返って
「市川、高谷君に挨拶しなよ」
「・・・わかったよ」
君津が俺に向かって
「高谷君、悪いな」
「いや、 いいんだ」
「そっか」
「ああ」
「高谷君」
「ん?」
「その、 高谷君の師匠って、 会う事ってできるかな」
「どうした?」
「僕は今までそういう人に会って話をしたことがないんだ、高谷君がこの前言ってくれた事が、すごく気になって、1度で良いからそういう人の話を聞いてみたいって思って」
「そうか、あの人達忙しいから、どうだろう、でもこの前の事で、もう1度学校に来て説明してくれるって言ってたから。だから1回くらいなら来てくれるかも」
「そうか?」
「あっ、 でも弟子は取らないって」
「・・・そうだよな」
「まあ、それでもいいなら、 聞いてみるけど、
ただな~市川にかなり怒ってたから、大丈夫かな~」
「大丈夫って?」
「昔の生徒会の日報とか見れるか?」
「ああ」
「2年前に来た時の日報調べてみなよ、その時の様子がわかるから」
「ああ、見てみるよ」
「ただな~ 市川が今だにこういう態度だからな~」
「市川の事は僕がなんとかするよ」
「そうか、わかった」
帰ってから ゆうにこの事を相談すると
「うん、さゆりさんもね、行きたかったんだって、あの時助けた彼も見てみたいし、その市川も見てみたいって、私も久しぶりだしね」
「ありがとう、じゃあ、君津に聞いてみるよ」
「うん」
次の日、 君津にこの事を話すと
「本当か?」
「ああ」
「高谷君に言われて、当時の日誌を見たんだけど、7人全員、指導してもらった。って書いてあったんだ、今回も指導してもらえるかな」
(指導?・・・・・・あー 2対7の模擬戦の事か、指導か、副会長が変な発言して、あっという間に7人倒されたとは書いてないんだ、ふ~ん)
「指導って言っても、7対2で模擬戦をやっただけだけど、それでいいなら大丈夫だと思うぞ」
「7対2の模擬戦かー、いいなーそれ、是非お願いしたいんだけど、いいかな」
「わかった、伝えておくよ」
それから、この前と同じ条件を伝え、土曜日の午後3時
校門の前に立っていると、この前と同じように黒塗りハイヤーが到着、中からパンツスーツにメガネの美女が2人
「来てくれてありがとうございます」
一応、誰かが見ているかもしれないから、礼をすると
「かっくん、おつかれー」
思わず俺も
「ゆう、おつかれー」
「フフフ、きょうは楽しみだな」
さゆりさんのフフフがちょっと怖いけど
師匠2人にちゃんとお辞儀を、
「よろしくお願いします」
そう言って、同じように生徒会室へ、中に入るとこの前と同じように7人が壁際に整列している。
この前と違うのは、会長がちょっと知り合いで好意的な事、
市川が拗ねている事。
「この度はお忙しいところ、お越しいただきありがとうございます」
「こちらこそ、私達の弟子がお世話になっているのに、なかなかご挨拶にお伺いできず、このような機会を設けていただきありがとうございます」
生徒会のメンバーが名刺を
会長 君津
副会長1 浦和
3副会長2 高崎
書記1 市川
書記2 村山
会計1 秋津
会計2 赤羽
「君が君津君か、高谷から聞いているよ、探求高校始まって以来の高レベルエリートとか」
「いえ、それは入学当初の話で、今は・・・・」
「ああ、それも聞いている、その後の環境は君にとって残念だったとしか言えない事も」
「はい」
「ほう、君が市川君か、うちの弟子がお世話になったようだね」
「はい・・・」
「で、君はこれからもアサシンとして活動するのかな?」
「はい」
「そうか」
(これからも、 って、それに『そうか』しか言わないの?ここで話し終わる? うわ~、 さゆりさん、きっつーい)
調査員カードを見て、皆が驚愕と羨望のまなざしで2人を見る。
そりゃそうだ、探求大学の優秀者でもせいぜい50、
さゆりさんもゆうもどう見たって、大学生と変わらない年齢にしか見えないし、事前に川越にも入れるっていう事を君津に言っているから、生徒会のメンバーにも知れ渡っている。
こっそり君津に聞いたら
第一印象が、『若い、綺麗、でもきつそう』
2人に聞こえないように、
『うん、そのとおりだよ』
って返答した。
この前と同じように、俺の事、そしてすでにもう1人弟子がいるからこれ以上は取るつもりはない。
昔の豊島のダンジョンの調査、段階的解放の話
現在は豊洲の中層以深、川越で活動している。
それ以外は極秘と言った内容で、 最後に約束どおり、軽く模擬戦をする事になった。
前回とほぼ同じ、市川が走り出すと同時にさゆりさんが木刀斜め右下に構えながら市川に向かって走り出し、そのまま市川の脇にバシ
違うのは、対君津
「さあ、 思いっきり打ってこい」
「はい」
何回か木刀を合わせてから、君津がばっさり
「まいりました」
この前と同じ、あっけなく終わったけれど、終わってからも、さゆりさんが君津に、
「どうだ、もう1本手合わせしてみるか?」
「はい、よろしくお願いします」
すぐに終わってしまったが、、なにかアドバイスをしているようだった。
君津が異常なほど機嫌が良くて、思いっきり大声で
「本日は、ご指導いただき、ありがとうございました」
帰ってからさゆりさんが
「アサシンをこてんぱんにやってやろうと思ったが、この前のアサシン(舘先輩)より遅いし、弱い。
それに、あの調子だと、高谷にはかなわないとわかっているようだから、やめておいた。
君津は思ったより素直でまじめな奴だったから、手合わせしてちょっとアドバイスをしたが、 弟子にはしないと言っておいた」
ゆうは、今回、つたを自在に使って、4人ほど縛り倒して
「ちょっと遊んじゃった♡」




