クラス対抗戦―高校2年
クラス対抗戦―高校2年
高校2年のクラス対抗戦
夏休みは当然、訓練とダンジョン
今年もさゆりさんが交渉してくれた東部柳沢にある大学の闘技場を使わせてもらっている。
昨年から始まったクラス対抗戦
今年は俺達BクラスはAクラスと対戦。
昨年と違いAクラスは 5×2 4×3=5P 22名
Bクラスは 5×3、4×3=6P 27名 なので俺達は1回しか戦わない
Bクラスの中で俺達のパーティーは2番目のレベルに上がっていた。
Aクラスにはあの君津がいるが レベルが26と思ったより上がっていなかった。
他のAクラスの同じパーティーメンバーのレベルが20前後と君津とのレベル差があったため、1年の時の19階層での鋼鉄ゴーレムのあの事件で高校もパーティーメンバー全員のレベルを考えて慎重に階層攻略するよう指導を受けていたので なかなか深く潜る事ができずにいたらしい。
できれば君津と当たるのが大谷さん達には勉強になるだろうけれど、俺達は2番目だから、おそらくAクラスの2番目パーティーと当たる、
Aクラスとしては1勝でも多く勝ち取るとすれば君津が2回戦い、そのうち1つはBクラスの下のパーティーにぶつけるだろうから、俺達と当たる可能性はかなり低い、
まあそれでも2番目のパーティーのリーダーがレベル25なら十分勉強になるはず
、当然俺は勝つ気でいるけど。
大谷さん達も、昨年勝った経験から、それくらいのレべル差なら連携がうまくいけば勝てるだろうと思っているし、探求大学の推薦を意識してか、Aクラスに勝ちたいというのが3人の思い。
夏休みにしっかり訓練をしていた。
いよいよ、試合当日
やっぱり、俺達はBクラスナンバー2のパーティーと対戦
それぞれ メンバー構成を見ると
大盾、ナイフ、弓、ロッド、メイス
ナイフのあいつ、アサシンだ。
5人構成 とても良いバランス。
俺達のパーティーにも攻撃型ジョブがもう1人いれば、と思っていたので、とても参考になるパーティー
でも、あのアサシンは俺がやる。
さゆりさんやゆうが大人げないというかもしれないけど、こんなヘタレな俺でもプライドがある。
さゆりさんに 最強アサシンと褒めてもらった以上絶対勝つ
「皆、いい? あのアサシンは俺が倒すからね、向こうにはウィザードがいるから気を付けて」
「うん、大丈夫」
「まかせて」
大谷さんも楠さんもやる気十分だし、落ち着いている。
「僕も大丈夫だよ」伊達君も。
「それじゃあ いつも通りに」
「「うん」」「ああ」
始まりのホイッスルと同時にAアサシンが飛び出す
フフフ
バフを掛けで、おれはAアサシンに向かって走りだす。
Aアサシンは、俺がBアサシンだから?余裕 って顔しているのが見え見え。
でもね 舘先輩に比べてもね、遅すぎるよ、走りも単調だし。
俺は変則ジグザグで余裕でAアサシンの前に、
Aアサシンはこんなに早く目の前まで来ると思っていなかったのだろう、あわてて立ち止まり、左90度に向きを変えて走り出す。
俺はAアサシンにあわせて 斜め後ろ死角にぴったり
もう1度バフを掛け、一瞬Aアサシンの斜め前に、そのまま足を引っかけ 前のめりになった所を背中を押すと、
うつ伏せに倒れ込む、そのまま背中にナイフをブスではなくムギュ ブー あっけなく終了
そのまま、その速度で、Aウィザードへ向かう。
Aアーチャーが弓で、Aウィザードがエネルギーボルトで俺に攻撃を仕掛けてくるけど、変則ジグザグで全てかわし、大盾の前に
AウィザードもAアーチャーも味方の大盾のせいで俺に攻撃できない、
去年の試合のように、地べたすれすれに盾を廻って、Aウィザードにデバフを掛け、そのまま全員倒せるけど、
それだけにして 伊達君の所に戻る。
A大盾とAアーチャーは伊達君と大谷さんに実力で倒してもらいたいからね。
矢とエネルギーボルトを伊達君の盾が防いで、
大谷さんは弓を打ち続けている。
「ただいまー」
「「「おかえりー」」」
皆、結構余裕、落ち着いている、いける。
「あのウィザードを 俺が引き受けるから 伊達君と大谷さんのコンビネーションで 向こうの大盾とアーチャーをやるってのは?」
「うん、いいよ」
「ああ」
「じゃあ 行ってくるね 楠さんヒールお願い」
「「はい」」
「うん」
俺が飛び出すと、AウィザードとAアーチャーが俺に向かって攻撃を始めた。
伊達君達はその隙に大盾を前に少しづつ前に進み出す。
バフ2重掛けはやりすぎ? 変則ジグザグでまた大盾の前に
大盾がグイグイ盾を押して俺を排除しようとしているが、盾を前に押す度に俺が半歩下がるから、全然効果なし
そのうち、AウィザードとAアーチャーが焦って、ちょこっと体を出したので、さっきと同じように、ウィザードの斜め後ろに回り込み、ナイフをグサでななくムニュ、 ブー。
これでウィザード退場。
一瞬の出来事で、A大盾とAアーチャー、Aプリーストは何もできず見ているだけ、俺はそのまま伊達君の後ろに戻る。
その間に、伊達君はA大盾の目の前に、大剣を思いっきりA大盾に向かって降り切る。
A大盾がその衝撃でひるんだところに大谷さんが上に向かって矢を連射
A大盾が体制を立て直したところに、
先ほどの矢が下に向かって落ちてくる。
それはもう矢が雨のようにまではいかないけれど、そんな感じでA盾の後ろに降り注いで見える。
プリーストとアーチャーが ブー
A大盾は上から降り注ぐ矢をなんとか交わしたけど、
前がガラ空きに、そこに伊達君の大剣がバサッ、ブー
終了
「あの矢はすごかったよ、2人のコンビネーションプレイの勝利だね」
「うん!」「ああ」
もう去年とは違う、皆、その状況を見て自分たちで判断し、
適切な行動をとっている。
席に戻って、俺が2人のコンビネーションのうまさと弓のあの使い方、盾と剣のバランスのすごさを褒めると
「高谷君があの2人を倒してくれたから、余裕ができたんだよ」
「そう?」
「うん、でも高谷君ってAクラスのアサシンより強いんだね」
「さゆりさんとゆうに鍛えられているからね」
「そっか、やっぱりすごいよ」
「そう、そう言ってくれるとうれしいよ」
「やっぱり、私達、高谷アサシンがいれば最強かも」
「いや~ そこまで言われると照れるな~」
「ううん、ほんとうだよ、変態マンもアサシンでしょ、
今年の1年はアサシンが多いんだってー」
「そうなんだ」
「うん」
知らなかった、変態マンの評価が、
いつのまにかそんなに?
本当にそうなんだな~ 改めてさゆりさんとゆうの言葉を思い出した。
ふと思ったんだけど、いったい誰がレベル25だったんだろう・・・・・・
Aクラス君津達とBクラスのエースの試合
やっぱり君津はこの中では強かった。
俺達Bクラスは最初の1勝と俺達の1勝をあわせて2勝4敗で終わった。
俺が気づかなかっただけで、いつのまにか大谷さんも伊達君も楠さんもレベル以上の実力をちゃんと身に付けているんだ。




