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リベンジ

リベンジ



豊洲の朝は早い


1月早々、豊洲34階層 


今、俺達は女王様と一緒にいる。


クリスマスパーティーで少しだけど仲良くなってから


源さん経由で連絡があり、打ち合わせ後、ゆりこさんが国交省に話かけ、それ経由で管理局に話が来て須藤さんから呼び出され この話を引き受けた。


本当は 裏でそういう打合せをした事なんだけど、ゆりこさんは形式も整えてくれ、ちゃんと管理局の依頼を受けた形になる。


もちろん、国土交通省も管理局にも、俺達と女王様達が連絡を取り合い、

会ったりしていることなんて内緒、知らない事だけど。


この前34階層で異常事態があった因縁の階層。


目的は33階層でミスリルを、そして34階層でヒヒイロカネを採取する依頼を受けた事。


俺達はずーっとコンビニ袋と仮面のまま


女王様達のリベンジと素材集め、ゆりこさんとさゆりさん以外、全員リュックを背負って、背中には33階層で採取したミスリル鉱石が入っている



俺のリュックだけミスリル2個


源さんが言ってたとおり、

俺の探索能力がすごいみたいで(内緒だけど)これだけの量を1度に採取するのは初めてらしく、全員ホクホク、

ヒヒイロカネにも期待しながら、女王様達がリュックを背負っている恰好はちょっとおかしいけど、これを持って帰れば、女王様達も俺達も国交省、管理局にかなり貢献する事になる


今回は普通のワイルドニューゴートなので、

さゆりさんとゆりこさんだけでも普通に対応できるけど、

皆はいったんリュックを降ろし、それぞれのフォーメーション


「変態マン、行くか?」さゆりさんが声をかけてくれたので

「はい 変態マン 行きます」 

そう言って 一番先頭のゴートに向かって走る。

ゴートは頭を低くして角を全面にして向かってくる


今回は違う戦い方を試す。

ぎりぎりの処で上に飛んで、デバフを掛ける。


そのまま後ろからゴートにまたがるようにして背中に胡蝶双刀を刺す、

しっかりささったけど、


ちょうどあばらとあばらに挟まったので切り裂くことはできず、


電撃はかけないでそのまま抜くと、ゴートは ガクっと崩れそうになりながら、


すぐに体制を整えると、俺の事は見もしないで先にいる女王達に向かってまた走り出した。



俺はそのまま後ろのゴートの下に潜り込んで 腹に、ゴートが走ってきた勢いを利用して、

思いっきり刺すと腹が引き裂かれる。


背中と違って腹は柔らかく電撃を流すまでもなく そのまま崩れ落ちる。


俺がこの1頭を倒している間に、先ほどの胡蝶双刀を刺した1頭が、女王様達の方に向かって走りだす。


そのワイルドニューゴートに向かってゆりこさんの鞭が唸る。


ゴートの眉間に鞭があたった瞬間稲光が、鞭に何かの魔法が付与されているのだろう、ゴートはそのまま頭から崩れ落ちる、そこをアーチャーが念のため弓を、


脳天に突き刺さり、ゴートは灰になった。


そのすぐ後にもう1頭、さゆりさんがかがんで居合の構えからの、頭が真っ二つに、3頭はあっけなく倒された。


この階層は異常がなければ女王様達と俺達ではオーバースペックだった。


それから3時間ほどかけてヒヒイロカネを取得し、そのまま普通に34階層のボスの前に。


ビックワイルドニューゴート3頭もゆうと女王様以外の別のメンバーが普通に倒し、さゆりさんと女王様がボスの角と毛皮を剥ぎ取って、帰還。


買取所の応接室で、あの時のモンスターの出現は異常だったという話と、また同じ事があっても、今度は大丈夫。


とても楽しかった、また一緒にダンジョンに入りたい。

と言われ、俺は、今回のように国交省と管理局の素材狩り取り要請があったら合同でやりましょうという事で 俺と女王様ゆりこさんが握手。


ただ、俺の顔は汗でびしょびしょで 気持ち悪くてトイレに行って顔を洗っては、

部屋に戻っての繰り返しだった。


買取所でもこれだけのヒヒイロカネとミスリルが手に入ったのは、

担当職員がここに配属されてから1度もないとかで大喜び。


どちらも原石のままだけど、かなりの高額でさゆりさんもゆうも俺も驚いた。


まあ取りすぎると市場で値崩れがおこるかもしれないから様子見るんだけど。


女王様ゆりこさんは報酬についてパーティー割と言ってきたが、

さゆりさんは持って帰るのが一番大変だったから人頭割、

と言う事で職員に8等分にお願いして落ち着いた。


そこで解散し、女王様達は黒ガラスのミニマイクロバスに


俺達は車までお見送り、帰り際ゆりこさんが耳元で


「また 会ってね♡」


後でゆうが何言ってきたか聞いてきたので そのまま答えたら 変な顔をしていたので


「大丈夫、素性はばらしていないから」



あれから女王様を助けた時 ゆうはラーソンの袋を用意してあった。


ラーソンからはゴンタカードポイント20万円分が送られてきた。


俺もさゆりさんやゆうからあれだけ言われて、もう変なマスクは買わない、


これからはコンビニ袋を被る事に覚悟を決めたので、


3人でどこのコンビニ袋を被るか相談した結果、足元を見たゼーンブエレベンは様子見、

ファミラとラーソンに、どちらを被るかはゆうが決めるという事になり、


コンビニ袋はゆうが常備することになった。



あいかわらず豊島の6-8階層に変態マンが現れているけど、


最初の頃、コンビニ3社から、出没の都度、協会に問い合わせがあったらしけど、



『彼らは変態マンとは関係ない』


と回答したらしく、それ以降豊島に変態マンが出没しても、


俺達にプリペイドカードは渡されなかった。



まあ、彼らの映像はないから、


コンビニ袋の(ロゴ、青文字、緑文字)は広告的な効果は少ないだろうし、


まさかそこのロゴで20万円分のプリペイドカードが配布されているなんて、


彼らは知らないだろうし、皆に迷惑が掛からないのならまあいいんじゃない? 



豊島は任せた、 3人でポーズを決めるというのでそれは見てみたい、 


というのが2人の見解。


ーーーーーーーーー高校パーティーの武具


33階層で採取したミスリル、1個多く採取した鉱石を家に持ち帰り、ゆうと2人で源さんのお店に。


源さんの前にミスリル鉱石を置いて


「どうした?」


「プリースト用のメイスを2個お願いしたいんです 」


「メイスか、これ全部使うのか?」


「2人とも女性なんですけど、どういうのが良いかわからなくて」


「うーむ、そうだな 長さはじょうちゃんのロッドくらいで頭は大きすぎると女の子には重くて使えなさそうだし、ちょっと大きくして武器として使い、治癒魔法の蓄積、伝達効率を上げるとしたら、ミスリルの純度を上げた方が良いがメンテナンスを考えるとアバンタイトも少し混ぜたほうがいいだろうな、う~ん、あの偏屈やろうに相談するか、ちょっと待ってろ」


そう言って、どこかに連絡しているようだったのでしばらく待っていると


「おお、どれくらいミスリルを使うかは任せてくれと言っているがそれでいいか?」


「はい」


お金は出来上がってからと言う事だったので、源さんにお任せして、帰りに弓屋さんとポーション屋さんに寄って


足りない物を補充して帰った。



源さんが『偏屈』と言っているだけあって、面白い物があれば他の仕事は放っておいて、そればっかりに集中するんだそうで、なんと1週間でメイスが出来上がった


「もうできたんですか?」


「おお、そういう奴だからな」


カードでお金を精算すると、源さんが


「あのミスリルだがな、半分残ったそうだ、どうする?」


俺がどうしようか考えていたら、ゆうが


「ミスリル合金のナイフは何本くらい作れますか?」


「作って見なきゃわからないだろうな」


「それじゃあ作れるだけお願いします」


「それでいいか?」


「はい」


メイスよりこっちのほうが簡単なんじゃないかと思ったけど、やっぱり、こっちはのんびり作るらしい。




2月14日 俺、こんなにチョコもらったのって生まれて初めて。


女王様達から高級チョコもらって、他にゆりこさんから


こっそり『と・く・べ・つ』って言って手渡しでももらって、さゆりさんにゆうに陽、そして鬼頭さんまで


今まで陽からギリで2個、その1個はゆうから頼まれたとかで、それもギリだったのが急に増えちゃって


フフフ、ヘヘヘ、ハハハ


ゆうが何個もらったか聞いてきたので、指を折りながらその話をしたら


ゆうからさらに手作りパウンドケーキももらっちゃって、デヘヘヘ。



でも1つ面倒な作業も、こっちも生まれて初めて。


大谷さん達は高校で、俺達3人は虎ノ門で、

高校では全員指導し手続きまでしているけど、俺の場合高額だから、高校には自分でやると言って、管理局へ。


鬼頭さんに教えてもらいながら何とか無事に終わった。


全然知らなかったんだけど、買取額がそのままカードに振り込まれるんじゃなくて、冒険者税率とかで所得税が引かれて振り込まれてたらしく、今まで購入した装備品のお金もカードで支払ったのは経費として自動で引いて計算してくれ、それ以外は自分でレシートを保管しなきゃいけないらしく、ほとんどゴミ箱・・・・  こんなに税金って引かれるんだ。


でもそれ以上に、こんなにお金が入っていたのには驚いた。


さゆりさんはバイトとかしたことがあるから少しはわかっているみたいだけど、俺もゆうも中学の時はバイトしたことなくて、こんなの初めて、


こんな大金も初めて


この作業を毎年やらなきゃいけないそうで、さらに今住んでる練馬区にも後で税金を払わなきゃいけないんだって言われて、それが6月に調査員カードから引き落とされるらしくって、うわ~残高がどんどん減っていく~


鬼頭さん曰く


「高谷君、君のこの年収が知られたら、いろんなお姉さんたちから、すごいアプローチ受けるわよ」


「そうなんですか?」


「うん、そこらへんのエリートサラリーマンよりすごいんだから」


「そうなんですか?」


「そうよ、だから誰にも言っちゃダメよ」


「はい、わかりました」


「そうよ、かっくん、誰にも言っちゃダメだよ」


「うん」









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