女王様と源さん
女王様と源さん
土曜日、学校が終わっていつものように皆には ゆうと打ち合わせと言って俺だけ帰る。
おじさんのところで弓と防具について相談をしようと
2人で上野アメウオコへ
おじさんと話をしていると
ここらへんには見ない感じの恰好をした女の人が、
あれ?見覚えがある?
「ゆう、あの人」
「うん、女王様みたい」
体がすっぽり隠れるくらいのロングコートに赤いピンヒール、サングラスかけているけど
その雰囲気、歩き方、しぐさが大人の女性というか高校生の俺には刺激が強すぎるエロさが漂っている。
なんとおじさんの店の前に来て、
「源さん」
「おお、どうした? お前みたいな有名人が来る所じゃないだろ?」
「うん、聞いてほしいことがあって」
「俺なんかより、国交省に相談できる人がいるだろう」
「うん、でも源さんしか頼れる人がいないの」
「俺か?」
「うん」
「ただの武器屋に何の相談だ」
「うん、でも・・・・・・」
「わかった、話だけでも聞いてやるから」
「ありがとう」
そのやり取りを見ていた俺は
「あのー お客さんですか」
「まあな」
そう言って俺達の方を見て
「ぼうず ちょっと奥で話してくるから 中の椅子に座って待っててくれや」
そう言って俺達をカウンターの内側に入れてくれ 後ろの冷蔵庫から缶コーヒーとミルクティーと何故かおせんべいを出して俺達に渡し、2人で奥に入っていく、
そこから聞こえるおじさんの声
「おい、お前コートの中はいつもその恰好なのか?」
「うん」
「そういう格好はダンジョンだけじゃないのかよ、ったく、まあそこに座れ」
そう言ってドアを閉めた
想像がつくな~
「ゆう」
「うん、おじさんって源さんって言うんだね」
「ああ」
「びっくりだね」
「まさかおじさんが女王様の知り合いとはな」
「うん」
なんだかんだ30分くらい、ようやく2人がでてきて
「源さん、ありがとう」
「おお」
「ねえ、また来てもいい?」
「お前、目立つからな~」
「お願い」
「しゃーねーな」
「ありがと」
「おお」
「それじゃあ」
そう言ってカツカツとヒールを鳴らして帰って行った
「おじさん って源さん って言うんですね」
「ああ」
「女王様と知り合いなんですか?」
「まあな」
「ふ~ん」そう言ってゆうが顔を覗き込むと
「まあ お前らだから 言ってもいいか 」
「はい!」
「俺が 冒険者だったころ、新人で勢いのあるパーティーがいたんだ、女だけなのに豊島の最下層まで行っててな」
「「はい」」
「豊洲の2階層でモンスターに引っかかってたんだよ、
それを俺達が助けてから、それから俺達に懐いてな、何かあれば 俺達に相談するようになって、あの恰好だから皆敬遠していたからな、まあ俺は引退して、あいつらはいつのまにか5大パーティーになったってわけだ」
「「そうなんですか」」
「ああ」
「それで 今日、相談に来たんですね」
「まあな、あいつらに国交省がバックについてな、それからはあまり来なくなったけどな」
「そうなんですね」
「ああ」
相談内容は当然俺達が聞くような事じゃないから
それ以上は聞かないようにしたけど、
源さんが
「ぼうずの事だよ」




