おじさんの過去2
おじさんの過去2
あの時のスケルトンサムライだ。
あの時の事を言おうかどうしようか2人とも言えず
ただおじさんの話を聞くだけ
「ぼうずとじょうちゃんなら、あのスケルトンも簡単に倒せるんだろうな」
俺は何も言えず、黙っているとゆうが
「かたき討ちしたいですか?」
「いや、かたきをとってもあいつらは帰ってこないからな、それにこの足じゃあ無理だろ」
「この前 そのスケルトンに会いました」
「そうか」
「倒しました」
「そうか、倒したか」
「はい」
「俺がこの店を始めたころ、女王や他のパーティーが次々に20階層を攻略したってニュースを聞いて、ああそうか、倒したんだ ってな その時はもうかたき討ちとかそんな気持ちもなくなって ただあいつらの事を思い出していたんだよ」
「そうなんですね」
「ああ」
「私達のリーダーが その刀を使ってます」
「刀?」
「はい」
「そうか、それは良かったな、あの5大パーティーだったか、あいつらが倒した時は何も出なかったとか そんな事言ってからな」
「そうなんですか」
「ああ・・・・・・今度そのリーダーって人に会わせてもらえないか、まあ無理ならいいけど・・・」
「はい、今度一緒に来ます」
「そうか、まあ もしよかったらその刀も・・・」
「はい 聞いてみます 」
「そうか、悪いな」
「いいえ」
確か、さゆりさんは2日後に合宿から帰ってくる、レインで、良い店を見つけたから帰ったら相談したいと連絡し家に帰った。
2日後、さゆりさんに会って、
この話をするとさゆりさんも是非会いたいと言ってくれ次の日、一緒に上野アメウオコのおじさんのお店に
「おじさん」
「おお」
さゆりさんがおじさんに向かって
「はじめまして」と頭を下げる。
「ん?」
布袋にしまわれた2竿をおじさんの前に出すと
「あんたが リーダーか?」
「はい」
「そうか、おじょうちゃんがリーダーか」
「はい」
「これが?」
「そうです」
「見ていいか?」
「どうぞ」
おじさんはゆっくり丁寧に袋から刀を取り出し、鞘から抜くと
「ほー、これはすごいな そうかこれにやられたんだなー」
泣いてはいなかった、でも しみじみと そんな言葉をこぼしながら じーっと刀を見つめ
「じょうちゃん、これはいい刀だな」
「はい」
ゆっくり鞘に戻し、背中の棚からこの前取って見せてくれた刀を出し、鞘から抜いて
「いいか、これはここに茶色の帯が入っているだろ」
俺達が頷くと
「じょうちゃんのは 赤茶の帯、こいつよりヒヒイロカネの含有量が多いんだよ、この前ボウズに売ったのは黄色味かかってたろ、ヒヒイロカネが多ければ多いほど茶色が濃くなって赤に近くなるんだ」
「そうなんですね」
「ああ、こいつで1000万、じょうちゃんのはおそらく3000万円以上はするだろうな」
「「そんなに?!」」
「ああ」
「俺がこんな事言うのはおかしいかもしれないが、大切にな」
悲しそうな、でも懐かしそうな、そんな顔をしていた。
「はい」
長竿のほうをさゆりさんに返し、もう1竿のほうを見る
「これは脇差か?」
「はい」
そう言ってこちらもゆっくり布袋から取り出し鞘から抜いてじっくり見る
「これは、赤いな、これほど赤いとは・・・・・・ 」
「これは何ですか?」さゆりさんじーっと見ている
「ああ」そう言いながらも目は離さず、じーっと刀を見続ける
「これだけ純度の高いヒヒイロカネを使った刀を見るのは初めてだ」
「そんなに珍しいんですか?」とゆう
「ああ、関係者じゃないからあまりよくはわからないが国防に1人いると聞いたことがあるくらいだ」
「1人ですか」
「ああ これほど純度を高めたヒヒイロカネをこれだけ使うなんて事は簡単にできないんだ、かえって弱くなったり折れやすくなったりしてな、でもこれは違うな、見事な作りだ」
「はあ」
「おじょうちゃん これは一生物だ よかったな」
「はい」
「お前ら3人とも調査員か?」
「はい」
「なるほどな」
「おまえら、どこまで潜ってんだ?」
「豊洲の30階層くらいです」
「そうか、それで 装備品が欲しいのか」
「はい」
「そうか、おじょうちゃんはこれだけの刀があるんだから足りないのは防具か?」
「はい」
さゆりさんの刀は俺が思っていたよりかなり良い品だった。
「そっちのじょうちゃんは?」
「はい」
そう言って ゆうが紙に書きだすと それを見て
「これは?」
「ロッドです」
「ウィザードか?」
「はい」
「ミスリルか、変わった形だな、グリップがついているのか」
「はい」
「うーむ」
「あの俺の方は」
「おお、あの偏屈がな、面白そうだから作ってやってもいいとさ、どんな素材で作りたいんだ?」
「できればアダマンタイトにミスリルの合金とかそんな感じなんですが」
「まず、アダマンタイトは確かに硬いが重いだろ、あれは斧とか大槌とか怪力が持つ大剣とかには向いているが、アサシンならヒヒイロカネの方だろう、だが、どっちも難しいな、さっき言った通りどっちも素材がない」
「作ることはできますか?」
「ああ、あの偏屈だったら作れるだろうな、ただ、ミスリルは時々手に入るけど、ヒヒイロカネはな、まあいずれも これだけの量は俺達ではなかなか手に入らないからな」
「それじゃあ 素材を持ってきたら作ってもらえますか?」
「まあな」
「それじゃあ、素材取ってきます」
「それと この形の胡蝶双刀と鉈をアバンタイトで作れませんか?」
「聞いてみるか?」
「ぜひお願いします」
連絡先を教えて、わかったら連絡をもらう事に。
それとミスリルやヒヒイロカネがどの階層でとれたのかの情報を教えてもらい、ダンジョンに潜って新な素材集めをすることにした。
ついでに聞いてみた
「あの ゴーレム鋼鉄 はどれくらい耐えれますか?」
「そうだな、ダンジョン鋼よりは頑丈だから豊島の最下層くらいまでなら持つかもしれないが、豊洲はどこまで持つかな・・・」
「あの、ゴーレム鋼鉄の塊があるんですけど、これで盾を作れませんか?」
「盾か、結構重くなるぞ」
「はあ・・・」
「まあ、特殊強化カーボネイトで本体を作ってゴーレム鋼鉄とアバンタイトの合金を使って補強で入れるような感じかな、そうすればそれほど重くないし、それなりに強いかな」
「それっていくらくらいになりますか」
「特注だからな、汎用品に比べてかなり高い、大きさにもよるが大盾でだいたい100万、小だと80万くらいかな」
それを聞いた俺はゆうを見るとゆうも頷いたので、
「今度俺の高校のパーティーの友達を連れてくるかもしれませんが、話を聞いてもらえますか」
「いいけど、そいつらも調査員か?」
「あっ、 俺達が調査員というのは秘密にしてほしいんです、それと盾の値段も」
「まあ 冒険者だから色々あるんだろうな、わかった、秘密にしてやるよ」
「ありがとうございます、お金は俺が払います」
「ん?」
「いやー 同じパーティーなんで 死んでほしくないんです」
「そういう事か、わかった」
「ありがとうございます」
俺とゆうは前払いで調査員カードを出して支払いを済ませた。
クラス対抗戦までに間に合うといいんだけど、
俺も素材に不安はあるけれど希望の形の胡蝶双刀が手に入るかもしれないのでので、わくわくしながら家に帰った。
数日後おじさんから作れるとの事だったのでさっそく2本と鉈をお願いした。




