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おじさんに出会う

おじさんに出会う


もう、俺は陽に刀を買ってやろうって決めていたから、そのまま3人で電車に乗って上野アメウオコへ


さすがアメウオコ、前の世界では軍事用品やナイフ、ボーガンそれとガンゲーム、サバイバルゲーム用専門店があった所がダンジョン用品専門店になっていた。


小さいお店ばかりだけど、見るからに専門店、

確かにあるある。


1店舗ずつゆっくり見ていくと 刀がずらーと


おおお! 

「ねえ これも ヒヒイロカネ合金だって」


500万円、さっき見たのに比べ半額、安い


「聞いてみようよ」


「ウン」


「あの~ この刀なんですけど、ヒヒイロカネ合金なのになんで安いんですか?」


50歳くらいのおじさんがギロっと睨んで


「ああ、これはな 含有量が少ないんだ、ヒヒイロカネ合金の刀は表示法で最低含有量が決まっているんだが、これはそれ以下なんだ、そういう商品はヒヒイロカネ合金と表示してはいけないんだよ」


「でもこれはヒヒイロカネって」


「まあ 厳密に言えば 違法表示だな」


「はあ」


「まあ 売らなきゃいいんだから 捕まりはしない 行政指導はあるかもしれないがな」


「でも それじゃあ 500万円は高いですよね」


「ああ、値段も嘘だよ」


「えっ?」


「ほら」そう言って後ろの棚から刀を出して


「これは本物のヒヒイロカネ合金の刀なんだが、ショーケースの刀を見て、買いそうな客にこっちを見せるんだ」


まあ 吊り だな」


「そうなんですか」


「ああ」


「やっぱりヒヒイロカネの含有量が少ないと 弱いですか?」


「ああ弱い」


「そうですか」


「ただ、弱いと言っても ダンジョン鋼や地上の鉱物で作った刀や剣よりははるかに強い、ヒヒイロカネは少ないが、ちゃんとアバンタイトが使ってある」


「アバンタイト?」


初めて聞く名前だ

「お前達 ニュースは見てるのか?」


「すみません」


「ヒーロー達が大量のアダマンタイト鉱石を発見して、話題になったんだが、調べてみるとアダマンタイトじゃなかったんだよ、アダマンタイトより軽いがその分弱い、当然ヒヒイロカネよりもな、ただ合金として使うには相性がいいんだよ、それで結局、ヒヒイロカネ合金用の素材や、工業用として使われるようになったから、ほとんど人前には出てこなくなって今ではそういう関係の人達以外知らない素材になってな。


ヒヒイロカネが足りなかったが、ちょっと変わった鍛冶・職人がそのままこれを使ってこの刀を作ったんだ」


「はあ」


「変わった奴でな、こんな素材を使うくらいならヒヒイロカネの含有量を増やしたちゃんとした刀の方がはるかに高く売れるのにな」


「はあ」


「まあ、それでも ダンジョン鋼や地上の素材で作られた刀よりはるかに強いからな、まあ中級ダンジョンの中層くらいまでなら問題はないだろうな」


「中級ダンジョンを知ってるんですか?」


「まあな」


「えっ?」


「俺も3年前までは冒険者だったんだ、だが足をな」


よく見ると、左脚が・・・・・

さゆりさんがその場にいたら、元に戻っただろうに・・・・


そう思いながら


「そうなんですね、これって本当の値段はいくらなんですか?」


「はあ?聞いてどうするんだ? お前達のような初級者には必要ないだろ」


「まあ そうなんですけど、やっぱり上を目指すにはそういう事も知っておきたいし、目標になるじゃないですか」


「高校生か?」


「はい」


「そうか、これから頑張って上を目指すのか」


「はい」


「そうか、それじゃあ 豊島ダンジョの深層くらいまで行けたら100万円で売ってやるよ」


「100万円ですか・・・・・・じゃあください」


「はあ? 豊島の深層まで行ったらだぞ」


「はい」


「お前な~」


その金額だったら陽に買ってやる、そう思った俺は調査員カードを見せた。


「何?」


「ここだけの秘密です」


「ほお」


「カード払いできますか」


「ああ」


「じゃあ お願いします」


驚きながらも 淡々と手続きをして


刀を 筒状の専用袋に 


「勢いで100万と言ったが、本当はもっと高いんだぞ、


大赤字だよ、まったく、まさかぼうずが調査員とはな」


そう言いながら刀を渡し、続いて小箱を渡しながら


「これが メンテ用の道具だ アバンタイトの優れた所はメンテがほとんどいらない、だから工業用品にも使われているんだ」そう言って俺に渡してくれた。


「はい、ありがとうございます」


そう言って刀を受け取り 陽にそのまま渡すと


陽は俺とおじさんのやり取りを、目をキョロキョロしながら見ていて、刀を渡されても、どうしてよいかわからないと言った風で、ゆうはそんな3人をニコニコしながら見て


陽に


「よかったね」そう言って頭を撫でた

陽はようやく自分の刀、それも結構良い品を兄からもらったことに 思いっきり笑顔に


「兄さん ありがとう うれしい こんなすごい刀もらって ほんとうにありがとう」


そう言ってきたので、ちょっと照れ臭くなって


「ここらへんでお昼たべようか」


「そうね」


「それじゃあ おじさん 相談したいことがあるんで 明日も来て良いですか?」


「明日も? ああ」



「それじゃあ ありがとうございました」


お礼を言ってお店を出た。




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