ゆう先生の指導
ゆう先生の指導
今日は、訓練日
大谷さんはゆうに弓と魔法について色々教えてもらっていた。
「レベルが上っていくとスキル枠が増えるでしょ、
さゆりさんが言っていたように、アーチャーだったらバフスキルを取得すると、
脚とか腕や手や目も強化され、強く素早く正確に矢を射る事ができるようになるの、
さらにレベルがあがると矢に炎や氷なんかが付与できるようになるし、炎魔法を取得すれば、訓練すれば矢の変わりに炎を矢として使えるようになるの、
水もそう、レベルが上ると氷ができるようになって、それも矢に使えるの、
レベルが上あれば上がるほど、より強い矢になるからね、物理系の攻撃は自分にバフを掛ける、魔法系の攻撃は炎か氷の矢って感じで使い分けると、どんなモンスターにでも対応できるからね、
それに魔法系の矢はストックがいらないから便利だよ」
「そうなんですね、さすがゆうさん、すごいです。
私がんばります」
「うん、がんばってね」
「はい」
一通り、指導してゆうが俺のところにやってくる
ゆうってアーチャーじゃなくてウィザードだよね~なんて思っていたら
「ねえ、なんで私の事、ゆうさん ってさん付けで呼ぶんだろう。
陽ちゃんならわかるけど、大谷さん達って同じ学年だよね」
「そりゃあ どう考えても ゆうはずーっと上のレベルに見えるからだろう? 同じ学年には思えないんじゃないの?」
「そう?」
「ああ、そのままの方がいいと思うよ?
俺達の間ではゆうはさゆりさん寄りの冒険者って思われてるから、最初に皆で豊島に入ったときもゆうを年上だと思ってたみたいだし、もし同じ学年だってわかったら、皆すっごく落ち込むと思うんだ」
「そっか そうよね わかった でもかっくんも ゆうさんって呼ぶの?」
「えっ? どうしよう」
「かっくんは、いままで通りで良いと思う」
「うん」
ちょっと不安な顔をして覗き込んできたけど、今まで通りと聞いてニッコリ。
ゆうのその強さと経験値について、めぐさん達に怪しまれないか聞いたところ、ゆうと俺はさゆりさんから特訓を受けているし、幼馴染君は探求高校生でもすごいって、
実はDクラスは最低だけど、部外者はそこまく詳しくは知らせてないから大丈夫だそうだ。
まあ、そういう風に口裏を合わせておいた。
さゆりさんは、プリーストとしての指導の他に陽に刀剣指導、そして伊達君と吉祥さんに大剣指導をしている
盾については申し訳ないが、教本と動画での練習になるけど、さゆりさんや俺が剣や短剣で盾への模擬攻撃をしての実践訓練もしているので問題ないだろう
俺は、アサシンの指導なんで・・・・・・ないや。
訓練の成果を確認するため、週に1回だけどダンジョンに入ってモンスターを狩る。
俺達が須藤さんに豊島の調査報告を、まだしていないので、今でも探求高校では10階層までしか入れず、
夏休みという事もあって、探求高校の生徒でいっぱい、
特に8階層から深層部分は上級性や1年のAクラスが独占、
彼らが勝手に協定を結んで探求高校の生徒には各階層の入り口に門番を立て、
入場制限を行っているので、
俺達は結局7階層までしか潜れず、
3年D、2年C、D、1年B、C、Dクラスで醜い争いが起こっている。
最初はCクラスの強さを見るには良いかななんて思ったけど、こんな状況じゃあダンジョンに入っても判断もできないし、訓練にならないので、解禁後にすぐにでも本調子に戻れるよう、ダンジョンの感覚を忘れない程度に入って、ゴブリンやラビットの素材を狩り取る程度。
なのでもっぱら、地上での訓練、
ただ、着実に実力がついてきていると思うし、それでも素材の買取はバイト代くらいまでにはなってきている。
その一方で、俺達は皆と一緒に豊島ダンジョンに入った時は、入り口で別れ、もう1度15階層より深層に潜り協会のノルマを果たす。
そして空いている日は引き続き、装備用素材集めのための中級を週1回、マジックバックのため宝箱探しとワーム狩りを行っている。
――豊島ダンジョン20階層での話――
調査も2往復目の時
相変わらず2人は、歩くペースを全く変えず淡々とモンスターを倒してどんどん下の階層に進んでいる
「まったく異常はないな」
「そうですね」
「これで調査終了かな」
「はい」
「さゆりさん、ゆう、そんな勢いで進んでいたら、異常が起こる前にモンスター倒しちゃって、どんどん下の階層に進んでしまっているんじゃないかって思うんです」
「そう?」
「うん、だって、皆、普通の速さでモンスターを倒していくんだよ、
1日1階層とか2階層とかのペースだと思うんだよね、この前だって、
君津達は、おそらくだけど、ようやく18階層のボスを倒して、休憩して、
装備の確認をして 19階層に入ったら異常があったって感じだろ?
ゆうもさゆりさんも、簡単に19階層のボス倒してそのまま20階層行ってここもあっさりボス倒して21階層行ってボス倒して・・・・・って、他の階層のボスが別の階層に現れる時間なんか全然ないし、例えば、もし20階層のボスが移動して19階層に現れるような事があっても、その前に2人が20階層のボスを倒しちゃうじゃない」
「そうか、言われてみればその可能性もあるか」
「そっか」
「うん」
「問題なしと報告したのに、異常モンスターが発生したらまずいしな」
「はい」
「もう少しゆっくり進むか?」
「はい」
「うーむ」
「どうしました?」
「15階層から30階層は問題なし と報告するつもりでいたけど、1度に全部の階層の調査報告は難しいな」
「そうですね」
「何回かに分けて、段階的に調査報告するとしようか」
「「はい」」
今まで一気に15階層から30階層まで回っていたのをやめて15―20階層を数回廻ってから報告する事になった。
どうもあの2人は自分のレベルが異常に高いというのを忘れているというか、自覚していないというか 困ったものだ。




