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新たなヒーロー?

新たなヒーロー?




そんな事があっても、変わらずに訓練とダンジョンの生活

が続いた。


いよいよ夏休み


夏休みに入って授業がない分、今まで以上にダンジョンに入れる。はずが・・・・・・


豊島のダンジョンは10階層までしかはいれないから、大谷さん達とダンジョンには入るけれど、8階層どまり、それより深層は他の探求生や冒険者でごった返し。


レベルも8のまま、


「せっかくさゆりさんが10階層まで連れて行ってくれたのに」


俺もできれば夏休み前までに皆をレベル10まで上げたかった、


そうすれば入学当時のBクラスにぎりぎり追いつけると思っていたが 残念

 

 一方、さゆりさんとゆうと俺達3人は、調査依頼の件で豊島ダンジョン15-30階層を調査しながら、一方で豊洲ダンジョンで宝箱を探している。




豊洲の朝は早い、


15階層あたりに生息しているワーム探しと宝箱。


俺の切実なる願いをかなえてやろうというやさしさからマジックバックを手に入れようという事ではあるが、実際には経験したことのない31階層以上の深層に行きたい というのがどうもあるらしく、早くノルマをこなしたいがため、2人で大暴れ、さゆりさんはこの刀になじむためだ とか言ってるけど。


俺は時々だけどボスと戦わせてくれる、時々だけど。



ワームはスパイダーやマンイーター同様ダンジョン内のモンスターを食べるモンスター。


目が退化しているので、動く物は無条件で捕食してしまうため、結果的にモンスターも食べてしまう。


まあ 普段は地面下で生活しているので、ほとんど見かけないが、たまに地面に出るくると、モンスターを食べてしまうのだ。


これがすごいというか、どんなモンスターでも一口で飲み込んでしまい、飲み込んだ後、普通なら胴体が大きく膨れ上がると思うけれど、それがまったくない。


という事は口から入った物は大きさに関係なくワームの胴体の太さに収まるという事で、それはつまりワームの胴体の中にはどんな大きな物も納まってしまう という事。


それが、ゲーム内で誰かがワームを切り取って短いワームの方が再生したところを倒し、乾燥させたり水につけたりを繰り返しマジックバックのような機能の袋を作った。


半分遊びというか、ゲーム内で何ができるか試しただけかもしれないが、今回その情報を基に宝箱探しと並行してワームを狩ろうという事になった。


ただこれはあくまでもゲーム内情報で、うわさに近い情報なので、やはり宝箱からのマジックバックがほしい。


それにここら辺の階層の素材は 協会でも欲しがっているし、高値で買い取ってもらえるから、一石二鳥ならぬ三鳥なのだ。


須藤さん情報を基に、25階層あたりから30階層を重点的に攻略し、宝箱の出現を狙っているんだけど、なかなか出てこない


「あの~ そんな暴れ方するから宝箱が出てこないんじゃないんですか? 一生懸命 命がけで戦って モンスターを倒したらご褒美として出てくる物だと思うんです。だからじっくりゆっくりモンスターを倒していった方が宝箱が出ると思うんです、それにそんなに暴れたらワームも地面下から出てこないと思うんです」


「そうか?」


「そう?」


「はい」


「まあ、今まで出現しなかったから、高谷の言う通りにしてみるか」


「はい」


「あのー、それと 俺にも戦わせてください、俺全然戦ってないから、戦い方忘れそうです、お願いします」


「そうよね、ずーっと荷物持ってもらってるし、じゃあ時々代わってあげる」


「ゆう、ありがとう」


それからはゆっくり攻略をすることになり、この日も結局宝箱は見つからず、結局ワームも地面下から出てこないので、成果なし、29階層でリュックいっぱいになり、さゆりさんとゆうにお願いして30階層は俺1人でやらせてもらえることになり、階段をおり、30階層の入り口、


さあ やるぞー 装備を確認し、バフを掛けて軽く走り回ってモンスターを探していると、冒険者がモンスターと戦っているのが見えた。


最初は邪魔をしないようにすり抜けて先に進もうとしたが、どうも苦戦しているようなので、隠密スキルで近くまで行って見てみると


あらら?


すぐにさゆりさんとゆうの所に戻る。


「さゆりさん、あのパーティーって」


「ああ、そうだな」


「お嬢?」だっけ?


「姫です」ゆうが教えてくれた


「そうだったな」


「どうしたんでしょう」


「レイピアが2人って」


「なかなか変わった構成だな」


「2人ともレイピアが折れてるな」


「何があったんですかね 」


「中級のこの階層にゴブリンの上位種がこれだけ集まっているのが異常なんだ、おそらくあのガントレットと盾にやられたんだろう」


「油断したんですかね」


「イヤ 周りを見ろ、まだあれだけゴブリンライダーが走り回っているにもかかわらず結構な数のコアが転がってる、おそらくかなり多くのゴブリンもいたんだろうな」


確かに、ゲームの記憶でもこんなにいなかったと思う、


やっぱりゲームと現実には違いがあるのか?


「助けますか?」


「そうだな」


実は、俺は、この日のために、毎日マスクを隠し持っていた。


この前みたいに、コンビニの袋を被ったせいで

変な名前で有名になってしまって困っていたら、うまい具合に偽者が現れて、

俺としてはそのまま『変態袋マン』の名前を

あいつに譲って、新たな名前で、って思っていたら

ゆうがごそごそ何かを取り出して俺に見せた


「ゆう、それ、なんだよ」


「だって、ただのコンビニ袋だったら、つまんないじゃない、だから少しでも評判を良くてあげようと思って」


「それがこれ?」


「うん、かわいいでしょ?まつ毛とネコ耳付けたの」


「ふふーん、俺は自分でちゃんと持ってきたんだ だからそれはいらない かぶらない」


マスクをゆうに見せると


「なにそれ、どう見ても、よくテレビのドラマとかで強盗が被る黒マスクじゃない」


「何言ってるんだ コンビニ袋よりはいいだろ」


2人のやり取りに さゆりさんが


「いや、かえってまずいんじゃないか?助けに行った相手が、強盗?とか思われたら救助にも差しつかえるし、ネットでダンジョンに強盗現れるなんて騒がれたら、当然協会はその存在を確認するだろうし、最悪強盗退治とか警察隊が調査に入るかもしれないしな」


「えっ そうですか」


「ああ、まだ変態なら少なくとも悪ではない、むしろ助けたという前例があるからな、しかしそのマスクはゆうが言う通り、強盗マスク だ」


「ほらね」

黒マスクを見ながら ゆうが


「かっくん、あの偽者に全部おっかぶせて、新たなヒーロー狙ってたんじゃないの?」


「・・・・・・」


「やっぱり、ほら」


そう言ってゆうがもってきたコンビニ袋・・・・・


あ~あ


「ほら、早く行かないと」


「はい・・・」しょうがないから バフ2重掛け


「行きます」思いっきり俊足でゴブリンチャンピオンの前に。


俺と同じ接近戦タイプ、ただ俺はアサシン。


ガントレットを躱しながら、腕、胸、腹、脚に傷をつけていく


その間に 姫達の前にさゆりさんとゆうが立ちはだかり


ゴブリンパラディンの剣を交わしながら、戦っているけどいつのまにかパラディンが片腕に、と思ったら首もなくなっていた。


走り回っているゴブリンライダー7-8匹?に氷矢を嵐のように、一瞬にして全滅、串刺しゴブリンと串刺しウルフ、あ~


俺はいつものように、隙を見て背中に廻り、首に長ナイフを刺し電撃を流す

ゴブリンチャンピオンは黒焦げにして終わった。


ふと見ると、いつのまにか2人はかっこいい仮面マスクをしている、なんで?


なんで俺はコンビニ袋で2人はそんなかっこいい仮面?


えーっ?


1人固まっていると


「行くぞ」


「行くよ」


2人に声をかけられ


姫パーティーの皆が涙目でこっちを見ているのを無視しあわててコアとドロップしたガントレット、片手剣を拾って、その場からさっさと消えた。


本当は盾もほしかったけど、盾は消えてしまっていた。




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