レベルアップ2
レベルアップ2
『じゃあ16階層に行こうか』
『うん』
階段を下りながらステータスを見たけど、
レベルは84のまま
『ゆう、85に上がるには何をすればいいんだ?』
『うん、僕の時は16階層でハイウルフとハイオーガを倒した時に85に上がったよ』
『そっか』
『15階層のボスを倒してもあがらないでしょ』
『そうなんだ』
『一緒だ、じゃあハイウルフとハイオーガを倒そうね』
『うん、なあ、ハイオーガって?』
『うん、普通のハイオーガよりかなり頭が良いんだ、僕の時は3頭が連携プレイを取ってきたんだ、タンクとアタッカーとランサーみたいな役割だったけど。でも魔法は使っていなかったけど、連携がすごいよ、確か “オーガ3鬼衆”って言われてる』
『じゃあ 俺が隙を狙ってランサーあたりを先やっつければいいのか?』
『うん、連携体制に入る前の一瞬を狙って、懐に入ればランサーは倒せるから、それで数を減らせば行けるかな』
『わかった』
『ハイウルフは?』
『うん、僕の時は4頭に1頭ボスみたなのが増えただけ、僕が2頭見るよ』
『ありがと』
『どういたしまして』
ついに16階層、ゆうがいるから15階層を簡単に突破できたけど、さすがに16階層初めてだし・・・緊張する
『かっくん、大丈夫?』
『うん、ちょっと緊張してる』
『大丈夫だよ、僕が付いているからね』
『ありがと』
16階層に降りるとさっそくハイウルフ4頭が、一回り大きなハイウルフを中心に陣形を取って構えている
ゆうの言う通り
『ゆう、行く』
『うん』
さっきとおんなじ、俺が2頭を倒している間に あっというまに2頭が炎に、残りはこのボス1頭
さすがに迫力がある。
後ろからゆうが「行け~」って、 おい、そんなに簡単に・・・先ほど倒したハイウルフより強いのは間違いないだろう
同じように、ぎりぎりまで走っていき、デバフをかけようとしたところ、躱された。
こいつ頭もいいんだ
俺はあわてて、ハイウルフのいない方向に飛び跳ね、ハイウルフの方に向き直り、今度はハイウルフの横に向かって走り出す。
ハイウルフが俺を追うように顔を向けた瞬間にゆうの氷の矢がハイウルフの目に、ハイウルフがグーっと沈んだ瞬間、向きを変え反対側に回って投擲用ナイフでもう一方の目を、そのまま背中に回って首にナイフを突き刺し
ちょっと浅かったが、間髪入れず電撃、しびれたのがわかる。
そのまま倒れたところに近寄り、鉈を首めがけ思いっきり振り下ろすと、今までのハイウルフのように切り落とすことはできなかったけれど 半分までめり込んだので 首がぶら下がった状態に、やッと決着。
ゆうが俺を見守って、適宜フォローしてくれる
これがなかったら倒せなかっただろう。
それからも、迷いモンスターがいてもゆうが氷矢、炎矢、爆炎でとどめを刺してくれ、ついにボス部屋、
2人でゆっくり歩いて中に入ると ハイオーガが3頭、オーガというより、・・・本当に鬼?
『ゆう』
『行ける?』
『うん』
『かっくんが2頭ね』
『おお』
俺は頷いて、バフの3重掛け、相手はハイオーガ
動きがかなり早いだろうから、ハイオーガの槍が届く直前、相手にデバフを掛けながらギリギリでジャンプして後ろに廻り、胡蝶双刀で首の根本に突き刺す。
俺の胡蝶双刀はオーダー物で普通の胡蝶双刀より細く長くして少し肉厚にしてあるので、刺しやすく、防御にも使え、扱いやすい、そして長い分、深く刺さるので電撃を流した時の効果が大きい。
やっぱりオーガは動きが素早く力も強い、でも首に決まった!あれ?効いてない?
一瞬戸惑ってしまい電撃を流す隙を与えてくれない、
あわてて電撃を流さずそのまま下に潜り込んで足の腱を削り取る。
ちょっとやばかった、人間と同じよう動きをするし、いや、それ以上に力強くて速いから、首が決まった!と思ったのに、電撃を流せなかった。
戸惑ったその一瞬をついてきて、とっさに下に潜り込まなかったら俺がやられていただろう。
それでも首と足の腱と切ったことはそれなりに効いたようで、膝をついたので
さっき刺した首に向かって鉈を思いっきり振りぬこうとしたが槍の柄でかわされてしまった。
でもさっきの首の根本を刺したのがやはり致命傷になったらしく、そのまま崩れるように倒れた。これで1頭、ふ~っ。
その間に
ゆうが火炎魔法で、下半身が黒焦げ、倒れ込んだところにその上から土魔法で大きな岩、上半身が・・・ぺちゃんこ、あ~コアが・・・・・・、
残りはあと1頭
こいつは他の2頭がやられたのを見てるから、警戒しているので奇襲は効かない。
正攻法で、俺はひたすらハイオーガの攻撃をかわしながら、すこしずつ傷つけ弱らせていく、だんだん傷が深くなって膝をついた時 うしろに回って首に思いっきり鉈を振るうが、すんでの所で交わされたが、肩にざっくり鉈がめり込んでしまい抜けない、硬い。
やはり鉈ではなくナイフを刺してそこに電撃を流し込めばよかったかな と思いながら すぐに鉈を手放して、距離をとり、また同じように胡蝶双刀で傷つける。
肩には深く食い込んだ鉈から、どくどく血が流れているから致命傷だと思うけど、やはりすぐには倒れないで 両手で剣を振り回している。
16階層のモンスターだけあって普通のハイオーガとは違うんだろう。
徐々に弱っているのがわかるけど、できれば一気に片を付けたい、そう思っていると、さすが ゆう
火炎魔法がハイオーガを包む、すると動きが徐々にゆっくりになって、とうとう動かなくなった。
そのままうつ伏せに倒れ、炎も消えクスクス残り火のような音を立て黒焦げのハイオーガが、
『やっぱり最後はゆうだな』
『いや、かっくんが肩に鉈を切り込んだおかげだよ』
『いや、あれ首を狙ったんだけど交わされたんだ でも最後のとどめはゆうだよ』
『ん~ そこは 連携プレイだよ』
『そっか そう言ってくれると ありがたいよ』
そう言ってるところでステータスを見ると、レベルが85に上がっていた
『ゆう、やったぞ、レベルが85になった』
『そっか、おめでとう』
『ありがとう』
『今日1日で2階層突破だね』
『うん』
『どうする?』
『うん、さすがに2階層は疲れたかな』
『そうだね、続きは明日にしようか』
『いい?』
『うん、いいよ』
『ありがと』こいつ、ほんとにいい奴だよね
そのまま16階層の帰還移転用魔方陣に手を触れダンジョンの入り口にある移転部屋に戻る
『じゃ明日』
『あした』
そう言って、ダンジョン入口で別れ、俺は一息ついた。