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30.えっ そんな事もあるんだ

えっ そんな事もあるんだ




買取所のテーブルに


リュックの中のコアや素材をゴトゴト置くと、


「おつかれさまです。今日もいっぱいですね」


「はあ」


「いつものように査定後の金額をカードに振り込んでおきますね」


「はい、よろしくお願いします」


「副本部長が中でお待ちです」


昨日と同じく3人で、デバフをかけながら職員の後ろをついて、昨日と同じ部屋に 


「お疲れ様」


「はい・・・」


「今日は何階層までかな?」


「20です」


「そう、ん?それはドロップ品かな?」


さゆりさんの脇に刺してある刀を見て


「はい」


「どれくらいの品かな?」


「まあ中級ですから」


「フフフ」


顔が歪んで不気味な笑い


なんかすっごく失礼な感じ と思っていたら


ゆうが「何ですか!」


まったく動じず


「今、中級ですから って言ったね」


「・・・・・・」


「つまり、上級ダンジョンのドロップ品とかアーティファクトを知っているという事なんじゃないかな?」


「いえ 言葉のあやです」


「ことばのあや?」


「はい」


「いくら言葉のあやといっても 上級を知らない人間はそういう言い方はしないよ?!

君たちの本当のレベルはどれくらいなのかな?」


何だ、この強気な・・・・・・まずい!


「・・・・・・」


急ににこやかな でも真剣なまなざしで静かに話し出す


「君達はゲームの世界を知ってるんだね?」


びっくり なんで?


3人で顔を見合わせ、驚いていると


「大丈夫だよ、協会には言わないから」


「・・・・・・」


「私も同じなんだ、私はプレイヤーじゃない、運営会社の人間だったんだ。

たまたま下の者から、今回のバージョンアップは面白いから是非テストしてみてほしいと言われてね、慣れない事をやったものだから、VRヘッドギアを着けたまま眠ってしまったんだよ、

起きたらこの世界だったんだ。

おまけに運営会社の人間がそのまま管理局・協会の人間になっていたんだ、

だから私もこの事は誰にも言っていない」


驚いた、もう1人同じ境遇の人間がいた。


「他には」


「いや、君達が初めてだ」


「そうですか」


「ああ、回りには誰1人としていなかった。

最初は私1人かと思っていたんだ。

でもある日、

毎週大量の素材を持ち込んでる冒険者がいると聞いてね、

GWになるとそれが毎日続いたから、

もしかしたらと思って来てみたんだ。

やっぱりそうだったんだね」


「・・・はい」


「あの、協会の人だったら 他にもそういう人がいるとかわからないんですか」


「ああ、全国の支部情報を調べたが、

本当に今のところいないんだ、君達だけだ」


「そうですか・・・」


「まあ、ダンジョン以外は前の世界とまったく変わらないし、

普通に冒険者として生活しているかも知れないけどね」


「はあ」


「だから安心してほしいんだ、君達の事は誰にも言わない」


「はい」


「でも、なんで私たちの事を調べるんですか」


「まあ、同じ境遇の人間がいるという安心感 と 協会のため かな」


「最初の意味はわかるんですけど、協会のためとは?」


「君達もこの世界に来て知ったと思うけど、

ダンジョンから取れる素材が巨大産業になっているだろう?」


「はい」


「つまりダンジョンの素材が一定量供給できるとしたら、

それは協会にとって安定した特権を生む事になるんだよ、

君達は何かの目的で大量に素材を持ってきている。

だからそれに協力しようじゃないか、君達は今までどおり大量に素材を狩り取って持ってくる。どうかな?」


「はあ」


「当然君達の秘密は守るし、できるだけのフォローもする。

 おそらく、今のままだと上級ダンジョンには入れないんだろ?

 それも何とかする」


「でも上級ダンジョンは、5大パーティーしか入れないんですよね」


「ああ、だからそれも一緒に検討しよう」


「・・・・・・」


「まあ驚くのも無理はない、突然秘密がばれたんだからな、

でも、私も君達と同じ境遇者だ、君達の秘密は私の秘密でもあるんだよ、

だから絶対秘密は誰にも言わない、言えないんだよ」


「でも、あなたはプレイヤーじゃなんですよね」


「ああ、でもこの秘密がばれたら、私も何をされるかわからないだろ?」


珈琲を一口飲んで


「考えてみてほしいんだ、この世界では最高レベルが70前後でそれも日本にはそれが5つのパーティーしか達成できていないんだ。

もし私がダンジョンの事を彼らより知っていることが他に知られたら、

どこの企業でもその情報を欲しがって悪い意味で有名人になってしまい、

どこにも出歩けなくなってしまうだろう?

最悪の場合、国に保護という形で拘束されるかも知れない。

だったら秘密にして一定量の良質な素材を確保して、

協会・管理局の中の地位を上げていった方が君達も私にとってもWINWINの関係が築ける、そう思わないか?」


「でも、私たちも学生ですから、そんなにダンジョンばかり入る事はできないです」


「ああ、だから例えば月に2―3回とかでもかまわない。

できればこちらが要求する素材を取ってきてくれるとありがたい。

どうかな? 

当然適正な価格で買い取るし、場合によってはその他にも特別報酬を支払うよ」


「・・・・・・」


「驚いたかね、まあ、突然同じ境遇の人間が協会にいたなんて聞いて、

それもこんな条件を言ってくるんだから即答は難しいよね、

3人で考えてみてほしい、決して悪い話ではないと思うんだ」


「はい」


「そうだ、これはプライベートの連絡先だ、

いまの時点では同じ境遇者は我々だけだからね」


そう言って連絡先を渡され、さゆりさんが代表して連絡先を渡した。


最後は一応同じ境遇者という事で、好意的な雰囲気で話が終わり、後日、我々の方から連絡すると約束して別れた。


このまま真直ぐに家に帰る気がしなくて、

それはさゆりさんもゆうも同じで…何故か3人が俺の部屋に、

さゆりさんが来てくれたと大喜びの陽がさゆりさんに色々話しかけなかなか部屋から出て行ってくれなかったが、今度は4人でダンジョンに入ろうと約束したので、

満足して部屋を出て行った。


「状況が大きく変わったな」


「「はい」」


「ただ、あの須藤っていう人の言う事がどこまで信用できるかだ、

私達を利用するだけが目的なのか、本当に同じ境遇者として行動していく気なのか、

まだ信用できないな」


「「はい」」


「ただ、協力してくれる内容はどれも、私たちにとって、とても魅力的な内容だ」


「「はい」」


「しばらくは、用心しながら、付き合っていくしかないだろうな」


「「はい」」


「当分は、須藤さんと個人では会わないようにしよう、

向こうが個人を指定してきた場合、隠蔽で必ず側に居るようにするか」


「そうですね」「はい」


「それと、もしもの時を考えて、彼と会う時は、デバフはかけず、

いつでも全力をだせるようにしておく事だな」


「「はい」」


「どうせ次に会うときは、私たちのレベルを言わなきゃいけないんだから、

それなら、ダンジョンや今の5パーティーの最新の情報と交換かな、

それと、これが一番大事な事なんだが、私達がほしい装備についての情報」


「そうでうすね」「はい」


「私からこの話をしてみるよ」


「ありがとうございます」


「今までどおり、当面は日曜日はダンジョンだから、

ゆう達が学校が終わった放課後に3人で須藤さんと会う事にしようか、

あっ そうか2人とも学校でダンジョンに入るんだったな、

それ以外の日という事で連絡してみる」


「はい」「そうですね」

「「よろしく願いします」




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