高校デビュー3
高校デビュー3
さっきよりは緊張が解けたようだけど、それでもまだ硬い
まあ、ゴブリンを倒したんだから大丈夫だろう
ゆっくり回りを気にしながら歩いていると、林の入り口付近にピンクの点が見える、よーく見るとちょっと長めの生い茂った草が動いているけど、動きが細かい、ラビットか?
「皆、あそこの草むらを見て」
「動いてるね」
「うん」「ああ」
「さっきのゴブリンの時より動きが細かいから ラビットの可能性が高いけど、ボアかもしれないから、また俺が見てくるよ」
「「うん」」「ああ」
またバフを掛けて近くまで行くと、ラビットだ、見た目は普通のうさぎだけど二回りは大きいし、前歯が鋭く攻撃的、俺は足元にあった石ころを軽く投げる
これくらいなら投擲で倒せるけど、それやっちゃうと 3人のためにならない。
ラビットが俺に気づいて、思いっきり俺に向かって飛び跳ねてきたので、またまた俺は3人のところに戻り
「ラビットが6匹いた。 さっきと同じ要領だけど、動きが素早いから気を付けて」
皆はさっきと同じように構え、戦闘態勢に
「弓で1匹を狙うのは難しいかもしれないから 何匹か固まっているところに2本、3本と立て続けに射ってみてくれる?」
「うん」そう言って立て続けに射ると、なんとか1匹に当たったので、
「やったね! その調子でもう1回お願い」
「うん」
同じように、また1匹だけど、うまく当たってくれた。
「伊達君、また盾で、今度は4匹まとめて、当たる瞬間に合わせて 思いっきりぶっ飛ばすように押し付けるんだ」
「わかった」
残り4匹がすぐ目の前まで
伊達君が構える
「弓の用意、伊達君が盾で飛ばしたラビットが地面に落ちたところを狙って、落ちたショックで一瞬だけど動かないと思うからその瞬間を狙って、 楠さんはさっきと同じようにナイフとヒールの準備」
俺は盾で飛ばし漏れがあった場合に備え、コンバットナイフを構える。
「伊達君」
「おお」
4匹のうち3匹を飛ばすことができた、飛ばし漏れの1匹が盾をかわして飛び跳ねたところをナイフで!
「大谷さん!」
飛ばされて地面の落ちたラビットに向かって2本3本と弓を、なかなか当たらないけど「大谷さん続けて!」
大谷さんは必至で弓を射る
「大谷さんOK、伊達君は剣、楠さんナイフをもって走るよ」
2人を引き連れて、地面の落ちて固まっているラビットに向かった
「2人ともとどめを!」
ラビット討伐完了
皆 ハアハアゼエゼエ言ってるけど
「魔石を取りに行くよ」そう言って 大谷さんが最初に弓で倒したラビットの所に、楠さんもナイフを持ってこっちに来る。
4人それぞれ魔石を取って、またさっきみたいに地面にへたり込む
「しばらく灰にならないラビットは毛皮も、使えるらしいけど どうする?」
「うん、持って帰りたい」
攻略法ガイドブックを熟読しているから、手際は悪いけど灰になっていない4匹の毛皮を剥ぎ終わると、ゆっくりと崩れるように灰になって、終了。
「今日、初めてなのにゴブリンとラビットだよ、すごいね」
「うん、これも全部高谷君のおかげだよ」
「そんな事ないよ」
「いや、高谷君のおかげだ」
「高谷君って本当に今日が初めて?」
「ああ、でも知り合いの経験者から色々教えてもらったから うまくできたんだと思うよ」
「そっか、でもほんと高谷君 が一緒だったからここまでできたんだよ」
「そうか、これがアサシンの仕事だからね、そう言ってくれるとうれしいよ」
地面に座りながらだけど、皆達成感いっぱい。
「あの林までって言ったけど、疲れたし十分な成果だから、帰ろっか、そうだ、楠さん皆にヒールを掛けれる?」
「うん」
そう言って皆にヒールを掛けると
「おおー」「あー」
「これでOK 楠さんありがとう じゃあ帰ろうか」
「「うん」」「ああ」
ダンジョンを出てから
「ねえ、今度の日曜に皆で来ない?」
大谷さんが、やる気が出たのか 積極的な意見、
でも
「いや、あせらない、また来週も実習があるんだから、それまでに今回の反省と改善策を考えて訓練したほうが良いと思う」
「そっか、うん そうだね」
「今日は思っているより疲れているだろうから、このまま帰ろう」
「「うん」」「ああ」入る前までは初めてだから、ダンジョンの中を見るだけでもいいかな って言ってたのが ゴブリンとラビットを倒した。
結果、皆、大満足。
ダンジョンを出て、帰る道すがら、皆、今日のダンジョンの話で盛り上がる。
明日でも良いけど、皆、興奮してなかなか帰りたがらないので、そのまま学校に戻って報告書を書いて、素材を提出する事に。
毛皮は提出不要と言われたので、全員で分けることにした。
興奮しているけど、疲れているのは見てわかる、だから早く帰って家族に毛皮を見せながら話したらよろこぶんじゃない?って提案して
反省会は明日にしようという事で、
「じゃあ明日」このまま帰ることになった。
ずーっと半透明だったさゆりさんが、隠蔽を解除
「ありがとうございました」
「まあ、高谷はアサシンだし、あれくらいならアドバイスしてもいいんじゃないか」
「はい、本当は目立ちたくなかったんですけど、俺をパーティーに誘ってくれたとてもやさしい連中なんで、
でも、さゆりさんがいてくれたので安心してできました」
「そうか そうだな 学校の友達も大切だからな」
「はい、あの、これから 今日のデバフについて ゆう と会って話し合う予定なんですけど一緒に来てくれませんか」
「ああ、今日のデバフの様子も聞きたいし 」
「はい」
さっそくゆうにレインをして3人でファミレスに
「1回目だけど、デバフはうまく行った感じがする、
監視員もふつうの反応だった、探求高校だから1年でもレベル7~くらいでもおかしくないな って感じの反応だった」
「そっか、じゃあそれを何回やっても、元に戻れるかわかれば一安心だね」
「さゆりさんはどうします?」
「ダンジョンに入るのは 君たちとしか入らないからね、何かの機会でレベル測定が必要になった時だけデバフを使おうと思ってるんだ」
「そうですね、私たちみたいに、学校の皆と初級ダンジョンに入るような事がない限り 必要ないですよね」
「ああ」
今回のデバフについて一通り話し、一応今回の初めてのダンジョン情報としてゴブリンとラビットの話をして、さゆりさんと別れた。
さゆりさんはしばらくの間、隠蔽でゆうにもつきあってくれると言ってくれた。
頼もしい。
それからいつものようにゆうは俺の部屋に
さっそく陽がおれの部屋にはいってくる
「兄さん、今日 行ったんだよね」
「ああ」
「聞かせてよ」
俺は初めてダンジョンに行ったかのように ゴブリンとラビットを倒した話しをすると、目をキラキラさせながら
『早く私も行きたい』
しきりに俺とゆうにお願いして自分の部屋に戻って行った、
ラビットの毛皮を見せると、ほしそうにしていたので陽にあげると言ったら すごく喜んでいた。
このやりとりを見ながら ゆうはずーっとニヤニヤしっぱなし
「ゆう なんだよ ニヤニヤしちゃって」
「だってー、初心者かっくんの初体験の話なんだもの」
「ったく」
「きっと 私の時もそうなるんだよね」
「そうだぞ、その時は俺が思いっきり笑ってやるからな」
「ふ~ん いいけど? そう かっくんは私にそんな事するんだ~」
「あっ いや すみません」
「わかればよろしい」ニッコリ
こんなやり取りができるようになるなんて、うれしんだけど、俺とゆうは同じ境遇者だから・・・・・・か。




