高校デビュー1
高校デビュー1
学校ではダンンジョンに入る日が思ったより早く来た。
「明日は、Dクラス全員でダンジョンに入る、先週組んだパーティーメンバーで明日のダンジョンについて打ち合わせと準備をしておくこと、それと今日中に装備管理室に行って装備を借りておくこと、貸出票を出せば借りられるから、かならず忘れない事、以上」
今日1日かけて明日の準備をする事に
俺はこっそりレインで ゆう とさゆりさんにこの事を
連絡すると、さゆりさんが隠蔽で付いて来てくれるとレインが返ってきた。
この前のセンサーの事が気になって聞いたら
さゆりさんも水魔法をスキル登録(取得)して、外気温調整ができるようにしたので、4人で入るとき、一緒に入ればセンサーは問題ないはず、
もし監視員が把握した人数と、コントロールセンターが把握した人数に誤差があった場合、行政側はどんな対応をするのかも見てみたいしな、という事だった。
本当はゆうと レベル隠蔽 のテストをした後にダンジョンに入りたかったけど、ぶっつけ本番で心配だった。
ダンジョンの入り口でデバフの7回掛けだ!
楠さんの方を見ると既に大谷さんが隣の席に座っていたので慌てて側に行くと、ナイトの男子もちょうど来たところで4人で打ち合わせ、
他のパーティーの声も聞こえてくる
緊張はしているもの、半分遠足気分
「お昼どうする?」
「ダンジョンの中にコンビニはないよね」
「お弁当作る?」
大谷さんはしっかり“初級ダンジョン攻略法”というガイドブック本を持ってきており
楠さんも一緒に同じ本を買って読んでいるらしく
「ねえ 時雨 なるべく荷物は少ない方が良いよね、コンビニのサンドウィッチかおにぎりと非常用でブロック?」
「そうね、水もペットボトルにして、最悪 全部捨てて身軽になって逃げれるようにしなきゃね」
「うん そうだね」
俺とナイトの伊達君は2人のやり取りを、聞きながら、その都度頷く。
マジックバックの存在がわからないから、うかつに口にだせない、でも、初級ダンジョンだし、さゆりさんが隠蔽でついて来てくれるから、何かあっても大丈夫とは思うけど、
だいたいの持ち物が決まったところで、
「それじゃあ 装備品を見に行こうか」
楠さんがそう言って
皆で装備管理室に行きそれぞれ自分にあった武具を手にとっていると
「となりの闘技場で試用できるよ」
管理室の職員がそう言ってくれたので、それぞれ気に入った武具を持って闘技場に
結構、皆、重装備で 伊達君は大きな盾に1mくらいの片手剣と刃渡り30cmくらいのロングナイフを2つ、
アーチャーの大谷さんは弓は当然だけど、胸当てエルボーパッド、ニーパッド、ケツパッドまで。
プリーストの楠さんは同じ革性だけど、大谷さんのより一回り大きい、さらになぜかナックルガードまで。
2人にもしもの時用にと30cmコンバットナイフを渡すと最初はびっくりしたけど、うんうんと納得しながら受け取ってくれ、俺はこの前のように鉈1本とコンバットナイフ2本
それぞれ装備して 闘技場で動きのチェックをする。
「うわ~結構重いね」
「しぐれちゃんの防具、ちょっと大きくない?」
「うん、でも私プリーストだから防御重視って言うか」
「でも動けなきゃ、逃げるにも大変だよ」
「そっか、じゃあ 道子ちゃんと同じのにする」
「うん、それがいいよ」
俺は伊達を見て
「重くないか?」
「うん、でもナイトだから」
「いや 初級ダンジョンの1-2階層だから もっと小さい盾と剣で大丈夫だろ」
「伊達君、1-2階層はスライムとゴブリンとラビット、たまにボアが出るくらいだから大丈夫だよ」
「そうか・・・」
伊達君と楠さんは武具を交換に行くと装備管理室の職員さんが親切に教えてくれて、さっきより動きやすい武具になって闘技場に戻ってきた。
各自、動きをチェックして、貸出票を提出したところで
やっぱり心配なんだと思う。
学校もみんな 明日の準備があるだろうからという事で午後からフリーなんだけど、準備が終わってもなかなか帰らず、ずーっと4人で学校に残っていたので、
しょうがない
「いったん家に帰って装備を置いてから皆でホームセンターのダンジョンコーナーに行ってみないか、何か使えそうなものがあるかしれないし、店員さんも色々知ってる事があったら教えてもらえるし」
と声を掛けたら
「「「うん、行く」」」
3人とも嬉しそうにしているので
本当はこの世界では俺も初めてなはずだから、同じ心境じゃなきゃ不自然なんだけど、3人はぼっちになりかけの俺に声をかけてくれパーティーに誘ってくれた。
そんなやさしい奴らなんだから、手助けしなきゃ と思った。
そういう事で16時にホームセンターで待ち合わせる事になった。
ゆうにはレインで事情を説明してから俺もホームセンターに向かった。
ダンジョンコーナーで色々な装備品を見ては雑談交じりで話しをする。
やっぱり皆不安なのだろう、その気になれば3人くらい俺
1人で守れるし、
さゆりさんが隠蔽でついて来てくれるからこのメンバーでも上級ダンジョンの上層からいまでなら平気なくらい安心なんだけど、俺達のレベルは絶対秘密だから、
ダンジョン経験者から聞いた体で
「経験者から聞いたんだけど、初級ダンジョンは、あのガイドブックに書いてあったとおりだって言ってた。
無理して下の階層に行こうとしないで、最初は慣れるだけでも違うって、だからもし、他のパーティーが下の階層に行っても、俺達は俺達のペースでいいんじゃないかな、初めてだしまだ3年間もあるからゆっくりでいいんじゃないかな 、ねっ」
そう言うと、少しは安心したのか
「そうよね、私達のペースよね」
「そうよ」
それを聞いた伊達君も「うん、そうだよ」
「そうだよ、1階層の様子を見るだけでもいいって思えばいいんだ」
「うん」「そうだ」
なんとなくだけど緊張が解けたようで、ダンジョンで使えそうなちょっとした小物雑貨を買ってから4人でファミレスで一休みして、
「じゃあ 明日」と言って別れた
ゆうからレインが入っていたので 、
今から帰ると連絡すると、俺の部屋で待ってるって??
そのまま家に帰ると、俺に部屋にはゆうと陽がいて
俺が帰ってくるなり 陽が
「明日ダンジョンに行くって聞いたんだけど」
「ああ」
「じゃあ、もう少ししたら私も行ける?」
「そうだな、 ゆうと2人でダンジョンに何回か入ってからだから、GWあたりかな」
「うん」笑顔いっぱいで自分の部屋に戻って行った。
「ゆう、 陽となにを話してたんだ?」
「うん、まあ ダンジョンの話がほとんどかな」
「そっか、陽はなんであんなに、ダンジョンに行きたがってるんだろう」
「この世界がそうなんだと思うよ、陽ちゃんだけじゃなくて皆そうみたい、かっくんが探求高校ってのもあると思う。
この世界だと探求高校って結構有名だから」
「そうなんだ」
「うん、だから兄が探求高校に通ってるって言ったら、きっと友達もダンジョンの事を色々聞いてくるんじゃない?」
「そうか」
「うん、この前会った私の友達も 時々聞いてくるよ」
「ふ~ん、じゃあダンジョンに入った時の話は、きっと興味深々で聞いてくるんだろうな」
「そう思う」
「俺達も早く初級ダンジョンでデバフの練習しなきゃな」
「うん」
「今度の土曜だよね」
「大丈夫?」
さゆりさんが隠蔽で同伴してくれる事を言うと安心したみたいで、
この日は陽がやたら機嫌が良くて、ゆうと話をしたいらしく結局ゆうも一緒に晩御飯を食べ、家まで送ってきた
「明日がんばってね」
「おお」
「じゃあ おやすみ」
「おやすみ」




