15.試してみよう
試してみよう
「・・・・・・」
「どうしたの?」
「いや 偶然でも ゆうと俺って同じ境遇者なんだよなーって」
「そうだね。だから違和感とか全然なくって、逆に一緒にいると安心するんだよ」
「ああ」
「ああじゃないでしょ」
「うん」
「私達、ずーっと一緒だもの、小学校から一緒だったんだよ。だからこれからもずーっと一緒なの。わかってる?」
「ああ、そうだよな。ずーっと一緒だったよな」
「何?」
「いや、・・・・・・そうだよな」
俺は2重にも3重にもうれしいんだけど、
ゆうは、同じ境遇者だから安心なんだろうな
「なあ、家族とかも怖くなるのかな?」
「それは違うんじゃない?」
「どうして?」
「だって家族だもの」
「なんだそれ」
「じゃあ、かっくんは陽ちゃんを他人って思う?」
「それはないな・・・・」
「そうでしょ。そんな事より、ほら」
「うん」
デバフを自分にかけてみる
なんか体が重くなった気分
「どう?」
「なんか、体が重くなった感じがする」
「ステータス見るよ」
「うん」
「レベルが60まで下がった」
「本当に戻らなかったらどうしよう」
「その時は私が一緒にレベル上げ、手伝ってあげるから」
「悪いな」
「お互い様でしょ いいの、それより ほらもう1回」
「うん」
もう1回かけてみる
「うわ~ さっきより体の動きが鈍い感じがするよ」
「動ける?」
立ち上がってちょっと走ってみる。
「普通に走ったり、歩いたりはできるけど、やっぱりレベルが低いから。これがそのレベルの動きなんだろうな」
「ちょっと待って・・・レベル42、まだだね。もう1回掛けれる?」
「やってみる・・・うわ~めちゃくちゃ動きが遅い」
「どーれ・・・・・レベル29。まだまだ」
もう1回かける。
「おお。やっと20。もう一息か? 」
結局俺はデバフを7回かけて ようやくレベル7に
「レベル7の動きって、こんなもんなんだな。
始めた頃って、これでもすごいって思っていたけど。
こりゃ、大変だな」
「そうだね。じゃあ今度は、1つづつ外していこうか」
「おお」
デバフを1つはずす、ちょっと軽くなった
「見ててくれ」
一気に外して異常が起きたら、と思うと怖くなって
1回づつ外していくと、かける前に戻ってきて
7回分を外してようやく85に戻った
失敗した、最初、60になった時、ためしにデバフ外してみればよかった。結果は大丈夫だったけど。
なんて、ちょっと後悔していたら
「うん・・・大丈夫。85に、ちゃんと戻ったね」
「よかった。でもこれって、何度やってもちゃんと戻るかな」
「そうね。やってみなくちゃわからないわよね」
「そうだね。まだゆうはやらないほうがいいよ、俺が試すよ」
「かっくんがデバフかけて 私が隠蔽で初級ダンジョンに入るってのは?」
「あーそれ助かる、でもいいの?」
「うん」
「じゃあ、ゆうの学校って土曜の授業は?」
「土曜は、午前で終わりだよ」
「じゃあ 今度の土曜の午後 いいかな?」
「うん」
「悪いね」
「ううん、だって、私も同じだから」
「そうだね、ゆうと友達がダンジョンに入るのって 授業中?」
「うん、私は選択科目で取ったから、授業でも入ると思う」
「いやー ゆうがデバフかけて ダンジョンに入る時って他の友達は、皆レベルがあれだろ、中に入ってデバフ外す時間の間は大丈夫かなって、それにもし戻らなかったらって思うと・・・・・・ 」
「へ~ 心配してくれるんだ~」
「まあね」
「そうね、初級ダンジョンだから大丈夫だと思うけど、でも授業中だから、かっくんだって学校あるでしょ」
「俺達のダンジョンに入る曜日と一致していればいいんだけど、まあ慣れるまでは俺学校休むよ」
「ええ そんなの悪いよ」
「慣れるまでだから 平気だよ、それに ゆうに何かあったらって考えるとそっちの方がつらいよ」
「そう?」
「ああ」
「それは 同じ境遇者だから心配なの?」
「・・・ああ・・・」
それだけじゃないよ、ゆうだから ゆうが心配だから・・・・・・
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あと数話ですが1日2話公開します




