最深階層記録
最深階層記録
ここは5階層、ここはハイウルフではなくてスケルトンウルフ、こいつを3人で倒し、スケルトンオーク3体をそれぞれ1体づつ倒す。
確か5階層はボス部屋のような空間がない、その代わり一番奥の壁の近くにアンテッドが2体、その壁を守るようにして立っている。
そのアンテッドを倒すと その壁からフワ~っと ゴーストが現れる、これがボス 正式な名前は忘れてしまったたけど、とても長い名前なので皆はゴーストと呼んでいる。
アンデッドは物理攻撃が効果があまりないがゴーストはアンデッド以上に物理攻撃は効かないのだ。
さらにダンジョン内の壁をすり抜けるので攻撃してもなかなか当たらない、おまけに早い時間でアンデッドが復活するので時間がかかりすぎると大変な事になる、さらにゴーストは強力な呪詛を放ち、倒せないでいら立っていると、死角の岩壁からふわーっと現れ呪詛を受けてしまう。
呪詛をうけた人間はその場で倒れて動けなくなりそのまま10分もすれば死んでしまう、呪詛を受けてしまったら上級の解呪ポーションを飲むか、上級レベルのプリーストによる解呪をかけてもらうしかない。
一見上級ダンジョンにしては弱そうに見えるけど、かなり厄介で、戦ってみると、その倒しにくさでは上級ダンジョンのフロアボスだと納得せざるを得ない。
俺達2人の時はプリーストがいないから、俺は呪詛に掛からないよう小刻みに走り回って、壁に逃げ込まれる前に電撃を放しながら攪乱させ、動きが鈍くなってきたところを狙って ゆうが 壁をすり抜けて逃げてしまわないように土魔法で囲い込んで逃げ場をなくして、俺の電撃かゆうの電撃をビリビリ流すことでゴーストが水族館にいる半透明で光る深海魚のようにクネクネさせる。
そのうちゴーストが萎んで消滅、最後はコアだけが残る。
「ちょっと試してみたい事があるんだ、私にやらせてくれないか」さゆりさんがそう言って
ゴーストに向かって浄化ではなくヒールをかけるとゴーストがもがき苦しみだす、
半透明だったゴーストが実体を持っているような白い姿に変わる、生き返らせちゃうの?
そこをまぐろ解体ショーで使うようなかなり長い包丁?みたいな刀で一刀両断。
ヒールにそんな使い方があるんだ、そう関心しているうちに簡単に倒してしまった。
ヒールをそんな風に使えるのはさゆりさんだけのような気がする、おまけにあの剣裁きも。
「本来なら浄化で消すと一発なんだが、色々試したくて、ちょっと面倒な方法だけど、倒してみたが、うん、いけそうだな。
ただ、やっぱり ちゃんとした装備が必要だな」
「はい」
今日は自分のスキルがこの世界でも使えるか試すのが目的だから、とりあえずここで帰る事にした。
帰還用移転魔方陣を探すと、ゲームの時と同じようにゴーストが出てきた壁にうっすら浮かび上がっていたので3人手を魔方陣に手を付けるとフワっとした感覚と共に、数秒で1階の移転部屋に戻ることができた。
「今の装備だと心持たないから、今日はここまでかな」
「はい」
「来週も大丈夫か」
「はい、あっ でも 装備品」
「そうか、そうだな、じゃあ 来週は、その武装具屋で 武装品をそろえるか」
「はい」
3人で池袋に向かって電車で帰る。
池袋でさゆりさんと別れ、ゆう と2人
「さゆりさんって 何のジョブなんだ?」
「たしかプリーストの最上級職だったと思うんだけど、剣で戦うのが大好きなんだよね」
「そうだよな、あんな倒し方、初めて見たよ、そんな事もできるなんて、すごいんだろうな」
「うん、プリーストなのに攻撃が大好きなの」
「ふ~ん、さすがトップオブトップ、すごいな、まあでも3人とも、ゲームの時のレベルの戦いができそうで良かったよ」
「そうね、装備品とマジックバックがあればね」
「うん」
「手に入るかな」
「そうだよねえ」
「うん」
日本のトップパーティーの最深階層は俺達にとっては普通だった事が大きな成果
「あっ レベルの隠蔽」
「あっ そうだ、3人で川越のダンジョンに入るときは隠蔽で入れば問題ないけれど 学校の皆と入る時はやっぱり必要だよね、どうしよう」
「とりあえず さゆりさんにレインで 相談しよう」
「うん」
あと、問題はお金、ゲーム内ではビットで全装備をそろえることができたけど、この世界はどうなんだろう
調べなきゃいけない事が多すぎて結構大変、
明日からまた学校が始まるし、
「ゆう、この前の友達とダンジョンに入るの?」
「うん、少し練習してから入ろうって言ってる」
「そうか」
「みんな、装備品はどうする?」
「初級ダンジョンだから、今回みたいな感じかな」
「そっか、初級だからな」
「うん」
さゆりさんにレインで相談したところ、明日こっちに来てくれるという連絡が来たので、学校が終わったら3人で待ち合わせる事になった。
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「さゆりさん、日本のトップですが、5階層に到達しただけで、まだ攻略してないみたいですよ」
「えっ?そうだっけ、いや すまん 思わずゴーストを倒してしまった」
「まあ、どっちでもいいことですけど」
「そうだな」
「「はい」」
結局宝箱もドロップ品なかったので、コアもどう処理していいかわからないからそのままにして帰ってきた。




