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100.卒業

 卒業


 ー--卒業式にマッスルズさん達が、祝辞を述べにやってきた



 あれからさゆりさんとゆうによる訓練も続き、順調にレベルを上げ、陽も、大谷さん達4人ともレベル40に、当然実力はそれ以上とさゆりさんに言われ皆大喜びで卒業式を迎える。


 先生に聞いてみると、やはり探求大学の優秀な卒業生でもレベル50は変わらず、おそらく探求大学の新入生でもレベル40はいないだろうと言われ、皆はさらに大喜び




 マッスルズさん達の指導をお願いした時、マッスルズさん達が、これからの冒険者の育成のための指導もうんぬんかんぬん言って、それから、マッスルズさんが文科省の担当官に、教え子(大谷さん達)の卒業式に出たいと言ったらしく、話はとんとん拍子で進んで、今日、卒業式にマッスルズさん達が来ている。


 その話が高校に来た時、先生たちが大騒ぎ、そして今日、


 来賓席に座っているマッスルズさん達を見た生徒が大騒ぎで先生方が大声で皆を静まらせようやく卒業式がはじまった。



 卒業生代表の挨拶。


 卒業生代表の挨拶を誰にするか、最優秀者か生徒会長か、

 幸いな事に最優秀パーティーのメンバーに君津がいたので、君津が代表になった。


 マッスルズさん達が校長先生たちとぞろぞろ控え実に入る所、俺達皆で卒業生代表として挨拶のため生徒会室に行く君津に付いて歩いていると、マッスルズさんが、俺達を見つけて


「やあ、皆、久しぶり」


 大谷さん達もマッスルズさん達に覚えてもらっていたのでうれしくて、思わず走ってマッスルズさんのところにで挨拶、話がはずむ。


 校長先生たちが驚いてみていたけど、あわてて止められ、卒業式が始まるので、お辞儀をして別れた。


 卒業式も無事終わり、教室で皆がワイワイガヤガヤ、大谷さん達も他の生徒とわいわいがやがや、俺も皆と同じ卒業生だけど、他の皆の顔も名前も全然知らないから、その中に入って行けず、本当にぼっちだった。


 それから、皆で卒業パーティーとか言ってたけど・・・


 大谷さん達に誘われて付いて行ったけど・・・・・・


『壁際に、咲く一凛の、コンビニ袋。字余り』by高谷。



 ―――卒業式の次の日、5人で卒業祝い



「高谷君、本当に今までありがとう、1年生の時、Dクラスだったのが、探求大学に行けるようになったのも全部高谷君のおかげだよ、本当にありがとう」


「うん、ほんと、高谷君ありがとう」


「「「ありがとう」」」


「俺こそ、今まで一緒にパーティーを組んでくれてありがとう」


「大学院に行ってもがんばってね」


「ああ、皆も大学で頑張って」


「「「うん」」」


「卒業してからも時々会おうよ」


「うん、絶対だよ」


「ああ」


「高谷」


「ん?」


「ほんとうにありがとう」


「どうした?」


「僕は2年まで、こんなので良いのかってずーと悩んでいたんだ。

 それが3年になって、高谷に会ってから、さゆりさんに修行してもらったり、このパーティーに入れてもらったり、おまけにマッスルズさんにも指導してもらったりして、今までのもやもやがすっきりして、これからも皆でがんばろうって気持ちなれたんだ、全部高谷のおかげなんだよ、本当に感謝しいてる、ありがとう」


「いやいや、俺こそ、ほんと皆に感謝しているんだ、ありがとう」




 これからは俺を除いた4人で活動する。


 春休み中の予定を聞くと、俺抜きで新しく取得したジョブを試しながら、豊島の20階層あたりから潜る。


 そして29,30の大物モンスターを倒して、それから豊洲に入るそうだ。

 無理はせず大学の入学までに豊洲の10階層までで止めておく、という事なので、もし不安だったら連絡してくれればダンジョンに付き合うからと言って別れた。


 卒業してからも時々会おう、さゆりさんもゆうも時々だけど訓練に付き合うと約束。




 ―――川越の朝は早い



 移転魔方陣のない川越は1階層から入る。


 さっそく3人でいつものように、糸の採取で急いで9階層へ、もうあれから毎週のように行っているから、ときどき1人だけで戦わせてもらったりして、これからのレベル上げに向け、川越で腕試しをしながら潜っていく。


 いつものように、9階層で、モスの糸を俺のリュックにいっぱい詰め込み、ボス部屋でクイーンの糸をゆうのリュックに詰める。


 ゆうとさゆりさんが、子蜘蛛とクイーンに対応し、俺がひたすら糸を巻き取る・・・・


「あれ?」


 あちゃー、やっちまった?


 横糸の上にうっすら付いている液体部分を避けながら縦糸を巻き取るんだけど、ついつい慣れで・・・気が緩んでしまい・・・間違って横糸の液体部分を触っちゃった。


 やばいやばい、あわてて手に引っ付いた糸を取ろうとしたら、かえって糸がくっついて、横糸がどんどん手に絡まってきて、思いっきり引っ剥がそうとしたら今度は胸に横糸が着いちゃって、あ―まずい・・・・・・いつのまにか全身がタイヤマンに、


 やばい・・・・


 あわてて「ゆう」と叫ぶと、ゆうが俺の方を見て


「あれ?かっくん、どうしたの? 何その恰好?」


「やっちゃった」


「何々?」


「ちょっと注意をそらしちゃって、そしたら横糸の粘着液を触っちゃった」


「あらー、やっちゃたんだ・・・・・・でもそのかっこ・・・」


「うん、まさかこんなになっちゃうんなんて思わなくって」


「そうやってクイーンに捕食されちゃうんだね~」


「ねえ、他人事みたいな感想言ってないで助けてよ」


「うん、でもどうしよっか、魔法で焼き切る?さゆりさんに切ってもらう?」


「さゆりさんに?」


「うん、真っ赤な刀に高熱を溜めてばっさり切るの」


「いや、ちょっとそれは怖い、ゆう、頼むよ」


「う~ん、でもきっとさゆりさんに切ってもらった方が早いし簡単だと思うよ」


「でも・・・」


 2人でそんなやり取りをしていると、クイーンの頭をみねうちでおとなしくさせたさゆりさんが、俺が変な恰好になっているのを見て、


「おーい、高谷、何やってるんだ?」


 ゆうが振り返って


「かっくんが間違って、横糸の粘着液に触っちゃったみたいなんです」


「そっか、それでそんな恰好になったのか、切ってやろうか?」


 俺が黙っていると、


「はい、お願いします」とゆうが答えて、さゆりさんとクイーンの見張り番を交代しに行ってしまった。


 えっ、さゆりさんが俺を・・・・・・


「高谷、お前すごい恰好しているな」


「はあ」


「さて、切るか、熱を溜めるからちょっと待ってろ」


  「えーっ」


 クイーンの糸は丈夫で、真っ赤な刀でも切れない。


 高熱で粘着液を昇華(蒸発)させながら焼切っていくくらい丈夫。


 ゲーム内では剣、刀では切れず、俺も電撃で斬りながら進んで行ったけど、そもそもゲームで糸に巻かれた時点でライフ1個削って、ログアウトして再チャレンジした方が早かったし、糸なんて採取しなかったからバフ3重掛けで俊足で電撃とばして子蜘蛛焼き殺しながら、跳躍して、まっすぐにクイーンの所に行って、脚8本チョン切って、当頭胸部と腹部の節を切断して終りだったから、この糸を切るのは実質始めて。


 おまけにさゆりさんが、居合抜きの恰好しているから・・・怖い。


「さゆりさん、居合抜きで斬るんですか?」


「ああ」


「あの、間違って、俺が斬られる事はないですよね」

「ああ、大丈夫だ」


「いや、でも・・・」


「何?私が信じられないのか?」


「いや、その、信じているんですけど、やっぱり・・・」


「心配するな、間違って斬ってしまっても、すぐにヒールで治してやるから」


  「えっ、斬られる・・・俺斬られるんですか?」


「いやいや、仮にだ、仮、心配するな」


「はあ」


「よし、貯まった、じっとしてろよ、動くなよ」 


「んっ」思いっきり体いに力を入れて固まっていると


「そんなに硬くなるな」


「えっ、でも」


「緊張して硬くなっていると、ビクっと小さく動くことがあるから、間違って斬ってしまうぞ」


「それは困ります」


「じゃあ、力を抜いてじーっとしているんだ」


「そんな難しい事わからないですよ」


「そうだな・・・・・・ロビンフッドの話は知ってるか?」


「はあ、中世のイギリスのシャーウッドの森の弓の名人の話ですよね」


「ああ、弓の名人で息子の頭にリンゴを乗せて、見事に矢を打ち抜いた話だ」


「あの、それウィリアムテルじゃないですか?」


「そうだっけ? まあその時の息子の心境になればいいんだ」


「いや、それもっと難しいです、そんな話の息子の心境なんてわからないですよ」


「そうか?・・・困ったな・・・このままの恰好で地上に連れて帰るのもなんだし、う~ん」


「わかりました、言われた通りにします、でも、もし斬られたらすぐに治してくださいね、治るまで痛いんですから」


「わかった、その時はすぐに治すから、じーっとしているんだぞ」


「はい」

 覚悟を決めて、力を抜いて・・・怖いよ~


「3・2・1で斬るからな、いいな」


「はい」


 目を閉じると、さゆりさんのカウントダウンの声が


「3・2バサッ」


 えっ?


「終わったぞ」


 ・・・1が・・・



 綺麗に、縦に切られ、もぞもぞしながら服を脱ぐように抜け出すことができたけど・・・


「さゆりさん、1が聞こえなかったです」


「ああ、1を言ったら、力が入って動くかもしれないからな」


「はあ」


 結局、今日はクイーンの糸はリュックだけで諦め、ゆうがクイーンを倒して、10階層に行ってから帰ろうか、という事になった。





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 ちょうど100話、

 皆、高校も無事卒業し、それぞれ希望の進学先も決まって、いよいよこれから

 とも思いましたが、 区切りも良いので、ここで一旦終わりにします。


  BEST10にランクインしたあたりからの感想ですが、その口調からさっするに、評論家? どこかの出版社の方々?なのでしょう

 すばらしいご意見を真摯に受け止め、今後どうするかじっくりと考えたいと思います。




 あーどうしよう、これからのなろ・カクのファンタジーにアサシンの作品が増えるよー

 あーこまったな、これからのなろ・カクに『ヘンタイ』がいっぱい登場しちゃうよ

 あーまいった、色々な作品に『筋肉』の話が増えちゃうー ピクピク

 ・・・なんて、はい。


 そういう事で、読んでいただいた皆様へ御礼申し上げます。

 お付き合いいただきありがとうございました。


 


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