10.スキル
スキル
このゲームは、スキルについてはとても簡単で
ジョブを登録すると、そのジョブに関連する・必要なスキルが自動で身に付く。これをジョブスキルと言う。
俺のジョブはアサシンだから、隠密、俊足、俊敏、跳躍、探索、短剣術、毒付与、などのジョブスキルが自動的に付いているけれど、それはレベルによるもので、最初は全部ついてくるわけではなく、レベルが上がったら新しく増えたり、今までのスキルがグレードアップしていくような仕組みだ。
例えば探索スキル、最初は前方50mのところにモンスターがいると、その周辺がゆらゆら動くだけの感知スキルだけど、その次は索敵スキルにアップする。今の俺は、探索スキルにアップしており、半径1km先のモンスターの存在が1匹づつ点で感知できる。
弱いモンスターはピンクの点で表され、強くなるに従って赤が濃くなり、自分のレベル以上のモンスターは赤紫。
そして同業者(人間)は青い点で見える。
さらに、宝箱なども探索と罠検知が見え、誰よりも早く発見し、罠があればそれを解除、中身次第だけどうまくいけばアーティファクト級のお宝をゲットできる。
今まで、結構これでお宝をゲットし、俺とゆうで山分けしてきた。
でも、マジックバッグに入れていたから、この世界ではもう使えない。
ゆうの場合、ジョブはウィザードだからレベルが上がっていくに従って使える魔法が増え、そして今まで使っていた魔法は威力が増大し、初、中、強と変わっていく、といったところだ。
そしてその他に【スキル枠】というのがある。
これはレベルが上がっていくと枠の数が増え、自分のジョブスキル以外のスキルを取得することができる。
ただ、1つの枠に1つしか取得できないし1度登録(取得)すると替えることはできない。。
例えば魔法というスキルはなく、土、水、炎、電撃・・・の魔法それぞれスキルが1つの枠に1つのみになるので、アサシンである俺の魔法は、登録した電撃魔法しか使えない。
よく考えていると、俺が深くナイフを刺したところにゆうが電撃を打ち込んだ方が効果はある。
まあ、最初はソロだったから、その時電撃魔法を登録(取得)したけど・・・・・・。
まあ、これがこの世界でも同じなのか心配だったけど、さゆりさんに言われて空スキル枠を見てみると、ゲームの世界と同じで助かった。
ゆうはアークウィザードだから足はそれほど速くないし俊敏に動けないけど、スキルはそういう仕組みだから俊足を登録した場合、俊足にはなるが、それのみになってしまう、
しかし、エンチャントというスキルがあり、ゆうはウィザードなのでエンチャントを足にかけると足の動きが俊足且つ俊敏になるし、装備等にエンチャントを使うとより強力な魔法が付与される、俺も投擲ナイフにゆうの魔法を付与してもらっているくらいだ。
だからウィザードのゆうは、俊足とかバフを登録せずエンチャントを登録すれば何通りにも有効に使えると言う訳だ。
ちなみに俺はアサシンだから、エンチャントスキルを取得してもエンチャントする魔法がない、俺の場合はバフスキルを取得し体力強化や俊足アップを図る。
とても便利なスキルなので、探求者(冒険者)はたいていスキル枠ができると、まず最初ジョブ特性によってエンチャントかバフスキルを登録する。
ゆうは このスキルに超がついている・・・
“超”“最強”って初めて聞いたんだけどゆうはさらっと言っていた・・・・・・??
やっぱりあやしい。88?
俺はアサシンだから 魔法特性はなく、軽装備で速さ重視のためバフと電撃魔法を取得し、モンスターを倒すためデバフを取得していたが、それ以外はまだ必要ないというかこれから必要になるスキルがあるかもしれないと思って空きのままにしていた。
次の日の放課後、2人でホームセンターに行って 使えそうなものを買う。
俺はゲーム当時と同じような装備と思い、胡蝶双刀を探したが・・・あるわけない、ネットで調べても俺が使っていたような形ではなかった。しょうがないからコンバットナイフ、投擲ナイフ、鉈を探すけど、それもやっぱりゲーム内で使っていたような物はなく・・・・この世界の物はちょっと不安、だから
なるべく頑丈そうな普通の刃渡り30cmのコンバットナイフを2本、鉈を1本、投擲用ナイフはゆうのエンチャントの付与がなければ上級ダンジョンではあまり役にたたない。
今回はゆうのエンチャントが効くのかを確かめるため、とりあえず1本だけ、
ゆう は、かなり悩んでいた。
アークウィザード用の装備なんて100%その世界特有のものだから、
魔法を貯めたり放ったり、増幅させたりするのが主目的で、攻撃や守備は副次的だけどゆうは、30cmくらいの先っぽと刃をつぶしたダガーナイフを太くしたような形状でグリップのついたロッド(杖)。
そんなものホームセンターにあるわけがない・・・と思ってアウトドア―コーナーの隣を見たら ダンジョンコーナー?
う~む そうだ この世界はダンジョンが普通に存在するんだった。
俺もそっちで探そっと、
「ゆう、ひょっとして ダンジョン用装備品ショップもあるかもな」
「うん、私もそう思った」
「今度 探して行ってみようか」
「うん、3人で」
「そうだな」
結局俺は二刀流なんだけど、全部オーダー品なので この市販の装備では形状も長さも違うし、そもそも性能に不安があるから、今回はレベルの確認だけと思い、コンバットナイフ2本、鉈1本投擲用ナイフ1本にした、お金もないし。
そしてゆうは 俺が見ても初心者用とわかるような弓と矢と護身用のナイフ1本、ロッドは見当たらず今回はあきらめた。
弓を振りながら
「軽いね」
「そんなもので大丈夫?」
「これ自体はダメだけど、弓と矢の両方に
魔法付与して使えばなんとかなるかな」
「そうか」
「うん」
「それより、これって 普通のナイフと普通の鉈でしょ? 投擲用ナイフも1本で大丈夫?」
「ああ、心もとないよな」
「これじゃあ、かっくんなんか全然戦えないよ」
「ああ」
こんな装備に不安があるけど、それでも日曜が待ち遠しい。
今週はずーっとオリエンテーションだけだから学校では何もなくて助かる。
ゆうも学校が始まっているのに それでも、毎日 俺の家に来る
もともと小学校時代から高嶺の花と思っていた相手だし、この世界に唯一同じ境遇者なわけだから一緒にいられのるのはうれしいんだけど、ゆうはどう思っているかわからないのが・・・・・・。
2人でいると、時々陽が部屋に来て ダンジョンの話を聞いてくる。
この世界でも 同じように陽は頭がよく バレー部では司令塔と呼ばれる完璧少女だった。
そんな陽が、
いつ一緒に入れるか、入るなら祐子さんも一緒に3人で入ろうとか、 目をキラキラさせてくる。
本当にこの世界はダンジョンがメジャーな存在なのだ。




