出戻りRTA~競え!!追放したヤツから戻って来いと言われるまでの時間を~
最近流行りの追放ものですが、追放した後、戻ってこいと言われるまでをゲームタイムアタック形式で書いてるものは見かけなかったので、面白そうだなと思い、書いてみました。
出戻り懇願RTAも後半戦に差し掛かりました。
走者は太郎丸選手。本RTA大会初出場です。大会直前の練習では大会記録にあと1秒に迫る好タイムをマークしました。今日は一体どんな走りを見せてくれるのか楽しみで仕方がありません。
それでは簡単に今回のレギュレーションをおさらいしましょう。
初期設定のみランダム、ルールは何でもあり。どんな手を使っても構わないので、追放宣言をした人やグループから戻って来いもしくはそれに準ずる言葉を引き出すまでのタイムを競います。
初期設定がランダムというのは、開始位置と所持スキルが始まるまで分からない状態を指します。この組み合わせがタイムに大きく影響しますので、日頃の行いを良くすることで良い組み合わせが来ますようにとお祈りするパートです。
細かい戦略や技術などの解説は太郎丸選手の走りを見ながら適宜していきますので、スタートするまでしばらくお待ちください。
準備が整ったようですね。さぁスタートです。最初にして最大のお祈りポイントです。ぜひ皆様も一緒にお祈りをお願いします。結果はどうだ?これはまずまずの組み合わせか。開始位置は宿屋、能力は魔法系です。
追放の茶番が行われている間に開始位置と魔法について詳しく説明していきましょう。
宿屋などの街中スタートはやや時間がかかりますがギルドで地道に成果を上げていくのが正攻法とされています。少し大きい成果を出せばすぐに戻って来いと言われるので、最速タイムは出ませんが平均して速いタイムが狙えます。10回の平均タイムを競うカテゴリでは大当たりです。しかし今回は1回の何でもありのルール、最速を狙うために一体どんな立ち回りをしてくれるのでしょうか。
次に魔法系の場合、スタートがダンジョン内であれば能力を覚醒させた後、意図的にスタンピードを引き起こして大きな街へ誘導し、街の手前で派手な魔法をぶっ放しまくるだけというお手軽マッチポンプチャートがあります。大会記録もこのチャートですので、開始位置にダンジョンを引けると優勝に一気に近づけました。
さて説明をしている間に茶番も終わり、着々と能力を覚醒させています。緊張しているのでしょうか。やや手間取っているように見受けられます。能力の覚醒が終わりました。隠密の魔法に拘束魔法に高威力の魔法ですか。高威力の魔法があれば大当たりですので、日頃の行いに感謝ですね太郎丸選手は。
おっと太郎丸選手、ここで隠密魔法を使い、追放宣言を出したパーティリーダーを夜の闇を利用して連れ去りました。これはもしかして脅迫して追放宣言を撤回させるのではないでしょうか。確かに理論値で言えば最速を狙えますが、リーダーの能力もランダムで決まりますので、場合によっては返り討ちに合います。
ただ、しっかりと拘束の魔法が効いてるので当たり個体を引いているのかもしれません。街中は大声を出されると厄介なのでさっさと街の外へ向かっています。
さぁ誰もいない街はずれまで来ました。ここでリーダーの体が動かないよう念入りに体の自由を奪っています。今回は意外と入りがいいですね拘束魔法。通常であればリーダーはもう少し暴れるのですが、初期値が低いようです。不確定要素の多いチャートですが運を味方につけてあとは追放を撤回させるだけ、大詰めです。
ここまでのタイムはといいますと、かなり速いです。最速チャートとほぼ同じです。あとはリーダーの心をへし折るだけです。ここで焦ると大きなタイムロスになりますので慎重にいかなければなりません。しかし、悠長にしていても拘束から抜け出される危険があります。大胆かつ慎重に、そういった繊細なプレイが要求されます。
おっとここで高威力の魔法をリーダーの目の前で展開した!その魔法をリーダーにかすらせた!その魔法の威力にリーダーは絶句!生殺与奪の権を握られているリーダーはなす術もなくここで追放を撤回しました!
ここでタイマーストップです。
覚醒した能力をすべて駆使した美しいタイムアタックでした。
街中スタートの場合、通常は決闘のシステムを使用して強力な能力1つでゴリ押す、もしくは2つの能力を組み合わせてハメ技で撤回を迫るのですが、今回は華麗なコンビネーションを見せてくれました。
非常に良いタイムも出ています。これまで走っていた5人を抑え単独トップに躍り出ました。世界よ、これが太郎丸の力だと言わんばかりの満足気な表情です。
残り4人の選手が後ろに控えています。果たして最速の栄冠を誰が手にするのか、この後も引き続きお楽しみください。
気に入って頂けたら幸いです。
面白かったなどの感想を頂けると、とっても喜びます!楽しかった気持ちのお裾分け、お待ちしております。
面白そうだなと思ったものを書いていこうと思いますので次回作を是非楽しみにお待ちください!