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n番煎じの白雪姫

作者: 下菊みこと

これは果たしてカテゴリー的に合っているのか?

あるところに美しい王妃がおりました。名を白雪姫といいます。死体愛好家の王子様と結婚して、王子様が王様になった時に王妃様になりました。白雪姫は大層美しい方で、烏の濡れ羽色の艶やかな黒髪に、雪のような白い肌、りんごのような赤い頬を持ちます。その美貌故に実の母から虐待されて育ちました。実の父にも人には言えない虐待を受けていました。まあそれから色々あって、猟師に森の奥に置き去りにされたり、小人達と仲良くなったり、毒林檎を食べて死んだと思ったら王子様のキスで目覚めたり、気がついたら王妃様になっていたのです。


そんな白雪姫には娘が一人。名を丹赤姫といいます。丹赤姫は、白雪姫の幼い頃にそっくりです。烏の濡れ羽色の艶やかな黒髪に、雪のような白い肌、りんごのような赤い頬。白雪姫はそんな丹赤姫に嫉妬を…するのではなく。むしろ溺愛しておりました。


「ああ、丹赤姫、今日も可愛いわ!」


「お母様、苦しい」


「ごめんなさいね、丹赤姫が可愛すぎてつい抱きしめてしまうの。許してくれる?」


「うん、いいよ」


「なんて優しいの!さすがは私の娘だわ!」


「今日のドレスは何にしようかな?今日は私の婚約者様と初めましての日だよね?」


「丹赤姫なら何を着ても大丈夫よ!こんなにも美しいんだから!隣国の王子様は、美丈夫で優しいことで有名だから、きっと丹赤姫を幸せにしてくれるわよ」


「そっかぁ。楽しみだなあ」


「まあ、どんなに美丈夫でも丹赤姫には敵わないでしょうけれどね!」


「もう、お母様ったら」


終始この調子です。ですが丹赤姫は、そんな白雪姫を嫌がることはなく、むしろ大好きでした。そして隣国の王子様との顔合わせ。


「初めまして、私は丹赤姫と申します。よろしくお願い致します」


「初めまして、僕は隣国の王子、リカルド。よろしくね」


リカルドと丹赤姫はお互い、初めて会ってから直ぐに惹かれあいました。白雪姫は隣国の王子様に嫉妬を覚えますが、嫉妬に身を任せると破滅すると知っている白雪姫は、丹赤姫の幸せを願いそっと見守ります。


「リカルド様、愛しています」


「丹赤姫、愛してる」


そうして二人の結婚式。白雪姫は、丹赤姫が手元から離れてしまうのを悲しみ、丹赤姫が幸せな結婚をすることを喜び、色々な意味で涙を流します。


「丹赤姫…し、幸せに、な、るのよ…うう…」


「もう、お母様ったら。隣国に嫁ぐのだからまた会えるわよ」


「丹赤姫ー!」


「ふふ、困ったお母様」


そうして、丹赤姫は生涯幸せに暮らしました。白雪姫はそんな丹赤姫を見守って、丹赤姫の幸せこそ私の幸せだと微笑んで暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

ぴったりなカテゴリーがあったら教えてください。

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