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大好き  作者: ナード
2/19

2 体育

 男女別に体育をやるのでA/B組合同で体育。いつもちょっとドキドキ。

 今日は天気が悪いので体育館で。男子はバスケット、女子はバレーボール。コートが4つ取れるくらい至高館高校の体育館は広い。

 あ。栗原くんだ。背そんなに高いほうじゃないんだけど、なんていうか動きがすごいの。二人くらい付かれても余裕で振り回して振り切っちゃう。

 3ポイント普通に決めちゃう。すごいなあ。

「かなぴーーそろそろ交代だよー」

 同じクラスの相田加奈子さん。カナどうし仲良くしよって言われて、高校に入って初めて出来たお友達。ちっちゃくって可愛いんだよ。

 私も相田さんも体育は苦手組。相田さんはちょっと身長が、私は単に運動神経がないの。

 トスを上げるときは指を三角にして、って最初に聞いて。

「かなぴー!いったよ!」

 三角意識しすぎて、その三角のまんなかをボールが抜けました。


「あれ?」

 白い天井。ベッドに横になってる。

「あ。気がついた?」

 白衣を来たメガネの女性。

「おめでとう、1年生で最初の保健室利用者だよ、高木可奈美さん」

 バレーボールのトスに失敗して顔で受けて気絶した、ってことよねこれ……恥ずかしい……。

「まだ30分くらいしか経ってないから戻れば授業中だぞ」

「はい、戻ります」

 ベッドから出て、靴を履く。

「ところで」

 養護の先生が私にとんでもない質問を投げてきた。

「お前をお姫様抱っこしてきた男の子、彼氏か?」

 え、え、えーーー⁉お姫様だっこ!全然覚えてない……初めてのお姫様抱っこ……しょっく。

「そ、そんな人いませんっ」

「気を失った人をお姫様抱っこするって結構きついんだぞ。関係ない子にやろうって気には普通ならん。それにこの年頃の男の子は照れるからな」

「先生、男子の名前、わかります?」

「あー、ゼッケンには栗原って書いてあったぞ。お礼言っておけ」

 養護の先生はなんか書類を書いている。よかった、顔見られなくて。今多分私、赤い。バレーボールのせいだけじゃない。

「おせわになりました。授業に戻ります」

「おう。この部屋はいつでも開いてるからな。いろいろ悩みがあるなら来いよ若人」

「はい、その時はお願いします」

 先生に言われたことを考えながら、体育館に戻りました。


「お、かなぴー復活」

 相田さんに歓迎された。

「ねーねーかなぴー、栗原くんってどんな関係なの?」

「どんな……うーん、お友達?」

「そうかなあ?お友達だったらあんなことしないよ?さっと来てタオル掛けて隠してくれて、そのままお姫様抱っこして、先生に『保健室行ってきます』って」

 ああ、彼ならそうするだろうなって予想できる。スマートで、かっこよくて。

 でもその優しさは私じゃなくても発揮されるのかな。

 ちょっとだけ、ズキンとする。

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