表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大好き  作者: ナード
15/19

15 ホワイトデー①

 一応しばらく付き合ってるってことにしておかないといろいろ疑われてしまうということで、帰りは一緒。楽しい。

 ちょっと寄り道してファストフード店に寄るとか、カラオケボックスで歌ってみるとか。

 そう、栗原くん歌うまいの。びっくり。綺麗な声なまま上に伸びるの。すごい。


 学校のお昼休み。ご飯食べ終わったら栗原くんがA組まで来てお話するのがこのところの日課。そう、二人は付き合っている、ことになっているからです。

 自分で言ってて少し悲しい。

「ああ、そうだ。高木。3月14日、暇?」

 ドキン、とする。

「うん……予定はない……ね」

「そっか。じゃあ映画でも見に行こう。あとでメッセするよ」

 周りでダンボ耳な子たちが沢山。ヒソヒソされる。

「くそー……高木はかわいいけど栗原相手じゃなあ……」

 え、私?私なの?


 その日の夜。栗原くんからメッセージ。

「映画、今だとそうだなあ、SF超大作か、コメディか、恋愛か……恋愛、俺辛いんだよね」

「行くふりでいいんじゃないの?」

「そりゃあ困る。いろいろと」

「あ、そ……じゃあコメディで」

「了解。また明日ね」

 そっけなく返してたけど、もうドキドキ。あああ、ついにデート、デート、デートなのよ―って叫びたい。


 毎日そわそわ過ごして、ついに来ました14日。ブルーのミモレ丈ワンピースにデニムをあわせて黒のスニーカー。待ち合わせの駅前の喫茶店に行くと、栗原くんはすでに待ってた。

 ネイビーブルーのコーチジャケット、白T、黒のスキニーパンツ、黒いウィングチップ。すごく目立つ。

「ごめん、待ったよね」

「いいや、いま来たとこ。んじゃ、行こうか」

 栗原くんはコーヒーを一口飲むと伝票を掴んでレジに向かっていった。絵になるのよね、全部が。レジについていくと耳打ちされた。

「後ろに4人、右に二人」

「え?」

「しつこい人たちだよ」

 ため息が耳にかかる。ドキドキする。栗原くんが右肘をさり気なく出したので、そこに腕を絡め、喫茶店を出る。

「まだついてきてる。映画、どうするかな……高木、走れる?」

 にこやかにこちらを向いて親しげに話している内容がこれ。栗原くん、俳優だ。

「うん」

 にこにこして返事。私は演技出来ないから、これでいいよね、たぶん。

「よし、行くぞ!」

 栗原くんは腕をほどいた後私の手をとって猛ダッシュ。必死についていきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ