残業手当
チャーコさんという方の年下男子企画に参加するためのお話しです。
チッチッチッカチ。一秒に一回と、一分ごとに一回鳴る音が耳障り。
チッチッチッチ。焦ってもいいことはない。そんなことは十分わかっているのに、急がずにはいられない。
「はーい、定時の人はお疲れ様です。残業の人は休憩入ってくださーい」
学校でよく聞いたチャイムの音と同時に女の人のアナウンスが響く。
「ねえねえ今日何時に着くように行く?」
「俺向こうで待っててもらってるんで直で行きますから。お先です」
「旦那に浴衣を着てきてって言われちゃってちょっと恥ずかしいの」
好き勝手言いながら出ていく社員たち。私は彼らの会話や姿から目を背けてパソコンの画面を見つめる。ポケットに入れたスマホのバイブレーションを感じたけど、怖くてなかなか見る気になれなかった。
***
「コバヤシさん今日残業いい?」
日中の暑さは室内の私たちには関係ない。ユラユラ揺れるアスファルトとそこを歩くスーツの人を見るたびに思う。
さすがに入社して四年にもなると仕事に慣れてかなり楽になってくる。一日に自分がこなせる業務の目処がつく。どれくらいのペースでやれば週の仕事がこなせるか見えてくる。多少の追加分の業務も時間内に終わらせられる。でもね……。
「えっ? 部長、これ今日中ですか?」
腕時計が示す時間は午後四時ちょい前。渡された資料にさっと目を通す。今仕上げにかかっている仕事があと二十分くらいかかるから、それから手をつけることになる。とても数分で終わる量とは思えない。
資料を置くと、頭皮への栄養をみんなお腹にとられちゃってるみたいな部長が手を合わせている。
「そうなんだよ。こっちもこれを今日中に出してくれってさっき言われてね。他の人にも頼みたいんだけど、ほら、みんな、ね。今日は予定あるから。コバヤシさんは平気、だったよね」
少し濁すような言葉。八月七日。まあみんな予定入れちゃってるわよね。ちらっと周囲を見ると、このあと控えるイベントにみんなすっかり心が移っちゃってる。
「あー……わかりました。今日中にまとめて部長のパソコンにメールしときます」
「助かるよ。悪いけどお願い」
あーあ。私も予定、あったのにな。
とにかく、ちゃんと連絡はしなくちゃ。離れる部長を見送って、スマホの画面を撫でる。
『ヒロごめん。急に仕事増えちゃって今日行けそうにない。ほんとにごめんね』
冷たい文面かなとは思ったけど、とりあえず送る。きっと彼がこれを見るのは仕事が終わったあと。怒るかな。がっかりは、するだろうな。
***
私の地元はそんなに盛んな街じゃない。だけど一年に一度、信じられないくらいの人でごった返す日がある。それが八月七日。子どもの頃から花火の日って呼んでる日。街を流れる大きな川で行われる花火大会。県内でもそうとう有名な花火大会で、この日には遠出してでも見に来る人が大勢いるって県の情報誌で読んだことがある。曜日に関係なく毎年八月七日の夜七時から一時間行われるこのイベントが、この街のみんなの楽しみと言っても過言じゃないと思う。
終業チャイムに送られる人がいなくなってから、私は大きなため息をつく。浮き足立っていた空気がひんやりした冷房だけの空気に変わったのを感じる。とりあえず自分の当初の仕事は終わった。あとは追加された分だけ。
会社から花火の会場までは車で一時間くらい。いつもならもっとずっと短いけど、今日は渋滞でこのくらいかかる。六時に仕事が終わるようなら間に合うかもしれない。
「無理、だよね」
これからの仕事の段取りを組み立てて、早々に無駄な希望は捨てる。
あーあ。私も正直に彼氏がいることを話していたら良かったのかな。そうだ、いい加減返信確認しなきゃ。
『チカちゃんお疲れ様です。急に残業になっちゃって大変ですね。終わるのどれくらいになりそうですか?』
『あの、俺も残業になったちゃったから気にしないでください』
ほぼ時間を空けずに送られた二つの文。そっかヒロも残業になっちゃったのか。
『そっちも大変だね。私はまだ二時間くらいかかりそうだけどはっきりわかんない感じ』
もし時間が合うようなら、どこかにご飯だけでもい行きたいね。そう送りたいけど、はっきり何時に終わるかわかんないし今夜はどこのお店もいっぱいに違いない。しばらく画面を見つめていたけど、既読になってから画面は動かない。
眺める画面をパソコンに移して、渡された資料を手元に寄せる。仕事、片づけちゃわないと。
***
ヒロのことは小学校の頃から知っていた。家が近所で、同じ登校グループだった。私も彼もずっと地元で進学したから、町内会のイベントやスーパーで時々話すくらいの関係だった。
彼が大学進学を機に一人暮らしを始めたから、自然と近所で会うことはなくなった。代わりに、共通の趣味だった料理のサークルで私たちは再会した。
それからはプライベートで一緒に行動することも増えて、私が社会人三年目、彼が大学四年生の夏に付き合うことになった。
「来年はさ、二人で花火見に行きたいね」
仕事で大きな失敗をしてしまった私をヒロが慰めてくれた。ずっと好きだったと告げた彼に、私はこう返した。
少し目がぼやけた気がして目を擦る。肩を回すと背中で気持ちのいい音。窓から見える景色は、段々近づいてくる暗闇に染められている。もしかして、今この辺りにいるのは私だけなのではないか。灯りの見えない建物たちを見ているとそんな思いに駆られる。もう、ヒロは仕事終わったのかな。
デスクに戻ってまたため息。スマホには、通知を知らせる点滅がなかった。
***
「先輩、俺就職決まりました。県内です」
慣れないスーツ姿でヒロが走ってくる。その姿を見て、静かにティータイムを過ごそうとしていた人たちが振り返る。まだ暑さが残る九月の喫茶店で、私は嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちを同時に味わった。
「だからもう先輩はやめようって決めたじゃん。来年からヒロも社会人なんだから」
席に着くなり、「コーヒー。あ、でもうんと甘めな方向で」とヒロが言い、私は自分のカフェオレに口をつける。
「そうでした! ちゃんとチカちゃんって呼びます」
色々言いたいことはあるけど、なんでかこの笑顔を見てると流しちゃう。私も甘いなぁと反省する。
「けっきょく最終希望どこだっけ」
「えー前も言ったじゃないですか。公務員ですよ公務員。市役所勤め頑張ります」
「安定とったね」
「なんか市民課? ってとこです」
運ばれてきたコーヒーを飲む姿を見て、こんな適当なやつが公務員でいいのかなって試験官を疑う。だって四月頃には演劇もいいなって呟いてて、そのあと十階建てくらいのオフィスで働きたいとか言い出した人なのに。
「あれは? けっこう大きな会社の内定出てなかったっけ?」
「ありましたよ一社だけ。そこもいいかなって思ってましたけど、先月の大変そうな先輩の姿見てたら敬遠しちゃいました」
「その節は大変お世話になりました」
うっかり連絡ミスをして危うく大きな損失を出しそうになって落ち込んでたとき。あのときはヒロがすごくかっこよく見えたんだけどなぁ。
「あれ以降仕事は大丈夫なんですか?」
「おかげさまでね。ちゃんとリカバリーできたし」
今こうして、普通にそのときのことを話せているのがその証拠だ。
「なら良かったです。あっそうだ。友達にチカちゃんと歩いてるの見られちゃったので付き合ってるってこと言っちゃいました」
さらりと、スルーできないことをヒロが言う。
「あーまずかったですかね。チカちゃんとの仲を嘘とかで誤魔化すの嫌だったから素直に言っちゃったんですけど」
「いや、まあ、隠すようなことじゃないからいいけど」
嘘をついたとき、テーブル越しのヒロがやたらと遠くに感じた。
仲を嘘とかで誤魔化すの嫌だったから、か。
気まずくなって、私は飲み物に手を伸ばした。
私はヒロと付き合っていることを誰にも話せてない。彼氏がいるかと訊かれても、いないというニュアンスで答えてやんわりと話題を変えようとしていた。
別に本気じゃないとかキープしてるつもりとかじゃない。ただ、みんなのどこどこの会社のやり手のサラリーマンと付き合ってるとか、年上の俳優みたいなイケメンが彼氏だとかって話に挟まれて、なんとなく年下の学生が相手だというのを口にできなかった。
今日だって、待ち合わせの場所を私の会社から遠い、ヒロの大学の近くにしていた。
「チカちゃんなんか疲れてます?」
無言になってしまった私をヒロが心配そうに覗き込んでくる。
あーもう。いけないいけない。
「違う違う。なんかせっかくだから就職祝いどうしようかなって考えちゃってただけ」
「ええー! ホントですか! うれしいです。俺前から一緒に行きたいって思ってた場所あるんですよ」
無邪気に笑うヒロに、私も自分の後ろめたさを隠すように笑い返す。
***
私がパソコンを閉じたのは、ドーンと大きな音が彼方で聞こえてから三十分ほど経ってからだった。
間違いがないか見直して、きちんとメールの送り先まで確認した。ミスはないはず。
キィーっと音を立てるイスに背中を預ける。一秒ごとのチッチッは気にならなくなったけど、代わりに今度は遠くで聞こえる音が耳障り。
ヒロはどうしたんだろう。もう家に帰ったかな。
ひとりっきりのオフィス。なんかいつも以上に疲れた。はやく、帰りたい。
スマホの画面は相変わらず沈黙のまま。立ち上がると一瞬だけ目眩に襲われる。
電気類を消して、最後に戸締まりもする。
ヒロに終わったって連絡しとこう。
「うそ……」
声を漏らしたのは、ヒロに連絡をしようとスマホを見ながらビルを出たときだった。
「お疲れ様ですチカちゃん」
石段に腰掛けていた人影が親しげに声をかけてくる。
「ヒロ……?」
なんでこんなところにいるの? それより残業じゃなかったの?
「良かったぁ。まだいたんですね。二時間くらいってあったのになかなか出てこないからもしかしたらもう帰っちゃったかと思いました」
「……うん、いま、帰り」
スーツ姿のヒロを見ていると、頭の中にいっぱいの『なんで』が渦巻く。
「てかどうしたのこんなところで」
「どうって先輩を待ってたんですよ。今日仕事終わったら会おうって約束じゃないですか」
うん、そりゃ会う約束ではあったけど。
「仕事の邪魔しちゃっても悪いし早く会いたいから来ちゃいました」
来ちゃいましたって……。
「車で?」
私の車は歩いて十分くらいの月極駐車場にとめてあり、会社の敷地内の三台分しかない駐車場は空っぽだった。
「車は渋滞で動けなかったので歩いて来ました」
えぇ……。その、なんていうか。
「バカじゃないの」
呆れた。そこそこ距離ある市役所からわざわざ歩いてきたなんて。
「その袋は?」
私はヒロがずっと持ってる大きなビニールの袋を指差す。まあなんとなく匂いで察しはつくけど。
「えへへーこれはですね」
ヒロが時間をかけて袋の中に手を伸ばす。
「もったいぶらんでいいから。まさか焼きそばとかなんてオチはないよね」
「なんでわかっちゃうんですか!」
悲愴な顔でヒロが叫ぶ。
「いやだって、さっきからずっとソースの匂いするし」
夏風邪でもひいてない限り誰でもわかると思うけど。
「でも焼きそばだけじゃないんですよ。とりあえずこれどうぞ」
気を取り直して、もう一度袋をごそごそしたヒロは大きなビニール袋がついた割り箸を取り出す。
「これ、わたがし?」
「はい。他にもリンゴ飴とかチョコバナナとか買ってきました」
嬉しそうに胸を張る仕草を見て、ついに私も我慢ができずに吹き出す。
「あっチカちゃんやっと笑ってくれた」
「だって、なんかヒロが変なんだもん」
私のために、わざわざ屋台で買い物して歩いてきたなんて。
「変じゃないですよ。いつもと同じです。強いて言えばちょっと重かったから疲れてます」
「なんでそういう無理するかな」
ヒロのことだから目についた屋台を片っ端から回っていそうで怖い。
「無理はしてないです。やれることしかできないので。それよりチカちゃん、まだ少し花火の時間あるから見ましょうよ」
「見るって……。そりゃ見たいけど今からじゃ会場まで行く時間ないじゃん」
「あそこからなら見えますよ」
私が出てきたばかりの建物をヒロが指差す。
「上の階とか屋上ってこと? ムリムリ。セキュリティーかけちゃってあるからもう扉とか開けられないし。それに基本的には部外者を社内に入れちゃダメだから」
「そうじゃなくてですね」
私を置いてヒロがズンズン歩き出す。
「あっちょっと待ってよ」
慌てて私もヒロのあとを追いかける。
***
子どもの頃は、花火なんて特別なものじゃなかった。夏にしか見ないけど、毎年手に持つタイプの花火では遊んでたし、セミの鳴き声とか朝のラジオ体操みたいに夏なら当たり前くらいの認識だった。
だけど、両親に手を引かれて見に行った打ち上げ花火はすごかった。こんなに大きな花火かあるなんて!
中学三年生のとき、初めて男の人と二人で会場に行った。そのときも変わらず大きくてキレイだったけど、毎年恒例のイベントだからか、あるいは隣の彼氏のことばかり気にしてたからか、最初ほどの感動はなかった。
進学するにつれて、段々花火からは遠ざかっていき、社会人になるとわざわざ見に行かなくてもいいかと考えたりもした。最後に見たのは、仕事で大きな失敗をして泣きながら見上げた大輪だ。
***
「ねえヒロ、去年のこと覚えてる?」
さっきまでは蒸し暑いと思ったけど、わずかに吹く風で少しだけ心が落ち着く。
「去年って、くしゃくしゃな顔してパニックになってたチカちゃんのことですか?」
遠くに花火が見える。きっともっと高い空に上がってるんだろうけど、ここからだとだいたい同じ目線の高さに見える。
目の前には腰くらいの高さの壁。その先に五百円玉くらいの大きさの花火。
自信満々にヒロが目指したのは建物の横で螺旋を描く非常階段。その一番高い階の段差に私たちは腰掛けている。
「なんでそう言い方するかなっ。間違ってないけど」
仕事での初めての大きな失敗。先方への連絡ミス。コバヤシさんはしっかりしてるからと任せてくれたみんなの期待を裏切ってしまった。なんとかしようとして小さなミスを繰り返してしまう悪循環。他の人にいっぱい助けてもらい、なんとか解決できた。それでも、失敗した自分への嫌悪感は残ってしまった。
「あんなチカちゃん初めて見ましたよ。路上に変な人がいるって騒ぎになって、様子を見に行ったら先輩が人混みの中で泣いてるんですから」
「どこに行く当てもなくフラフラ歩いてたらミスしたことばっか考えちゃったんだよね。私だってヒロがいきなり現れてびっくりしたよ」
手を取って支えてくれて、優しい言葉で慰めてくれた。たぶん支離滅裂なことばかり話したと思う。それなのにゆっくり頷きながら聞いてくれた。そっと背中を撫でて一緒にいてくれた。
まだ付き合う前だったけど、この人は私を大切に想ってくれる。そう感じた。
「逆にチカちゃん覚えてます? あの日に俺に買ってこいって命令したもの」
「そんなことしたっけ」
「しましたよ。自分への不満とかを言いながらそれが食べたいから買ってきてって。あんまりチカちゃんを放置しとくのが不安だったから買えませんでしたけど」
なんだっけ。頭が混乱していたときの細かい会話はあんまり覚えてないんだけど。
「悲しいなぁ。まあいいや。それじゃ先輩、ご注文の品物、一年越しに買ってきました」
仰々しく、例の袋からヒロが取り出す。
「たこ焼き?」
「はい!」
私が受け取ったのは八個で一パックのたこ焼き。
「こんなところでそんなにもったいぶって渡さなくても」
ほとんど灯りもない殺風景な非常階段。アツアツとはほど遠いたこ焼き。
「最後に出してサプライズにしようと思ったのに」
「いやいやそういうのサプライズって言わないから」
まあでも。
私は爪楊枝に刺さったそれを一つ手に取る。
「ありがとヒロ」
一瞬キョトンとした表情をして、すぐにヒロもたこ焼きを頬張る。
ほとんど熱を失ったたこ焼きを口に含んだとき、もしかしたらと抱いていた疑惑が確信に変わる。
「もう花火も終わっちゃね」
街の花火大会は毎年、端から順に打ち上げる枝垂れ花火が最後と決まっている。遠くに光のカーテンが見えて、なんとなく寂しい気持ちになる。
「ヒロさ、いつ頃から待ってたの?」
「えっ?」
横を見なくても、ヒロの表情が固まったのがわかる。
「残業なんて嘘でしょ。市役所の市民課って窓口営業がメインじゃん。銀行みたいに窓口のあとも仕事が多いとかってあんまり聞かないし」
遠くの光が、端から徐々に夜空に溶けていく。明るくなった空が、ゆっくり暗闇に戻っていく。
「やっぱチカちゃんにはかなわないですね」
少し落ち着いた声が返ってくる。
「今日は定時に終わって色々買ってからこっちに来たから六時ちょっと過ぎくらいですよ。行き違いになったら嫌だなって思ったからちょっと急ぎましたね」
いつも無理はしないでって言ってるのに。
横を向くと、いつかみたいに優しく笑うヒロの顔。
「あんまり、私のために、頑張らなくていいのに」
私と居るせいで、ヒロに負担をかけるのは嫌だ。気を遣わせて疲れさせたくない。
「無理はしませんけど頑張りはしますよ。だって、自分のためですから」
自分の、ため?
「俺、花火とか関係なく、今日もチカちゃんと一緒にいたかったんですから」
……。
はあ。まったく。
なんでそんな笑顔で恥ずかしげも無くそんなこと言えるかな。
だいたいさぁ、言葉足らずなんだよね、ヒロは。
残業って嘘をついたのも、ドタキャンが私だけの責任にならないようにとか考えたんでしょ。自分のため、じゃなくて私と自分のため、ばっかりじゃん。
そっと、ヒロが私の肩に手を回してくる。私はなされるがままヒロの胸に体を預けた。
「チカちゃんは俺といるのが嫌ですか?」
ずるいなぁ。そんな風に訊かれたら、私だって素直に答えるしかないじゃん。
「今度ね、職場の人にもヒロのこと話そうと思うんだ」
「えっ? 急にどうしたんです?」
ちゃんと目を見て伝えたい。ヒロの体温が名残惜しいけど、少し距離を開けて座り直す。
「私の彼氏はこんなに優しくて頼りになるんだぞって自慢する。だからさ」
あぁ、恥ずかしい。みんなが花火大会に行ってて良かった。誰かに訊かれたらこのまま飛んじゃいそう。
「だからさ、来年は一緒に行こうね」