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楽園変生 第一部 ──不死の随伴者──  作者: 紅葉 昂
第一部【不死の随伴者】
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第040話

 数分前、ヴァナヘイム城下街にて葵達を追っていた乃愛は背後にギリアムがいない事に気がついていた。自分の呪いめいた能力のせいで苦しむギリアムを置いて行くのは些か心苦しいものがあったが、自分が看病しては悪化させてしまうだけ。

 それにそんな事をしていてはキュクロの位置を把握出来ていない間に奇襲の合図が鳴るかもしれない。それだけは避けねばならなかった為、護衛は葵の案だったが乃愛は仕方なく一人で物影に隠れていた。


「キュクロおじさん……か」


 直接会って何度も話した仲と葵達には言った。そもそも勝てるかどうかもわからない相手だ。乃愛自身が慕っていた人だと教えて皆に手心を加えさせる訳にはいかない。当然、その相手を殺すのは奇襲の要である乃愛の魔法である訳だが、これも手加減をするつもりはなかった。


 他ならぬ葵が決めた道。故に自身が取るべき行動は彼を支える事。


 葵が言うなら何でも応える。自分の裁量でどうにかなるものなら総てを捧げよう。葵の隣にいる為に、彼の傍で生きていく為にと乃愛は自分に言い聞かせる。


「私ノ、総テ……」


 共有した心臓に手を添えて呟いた言葉は何の感情も乗せていなかった。まるで自身を司る何かを壊したように、物影からキュクロを覗いていた瞳に躊躇いの色が消え失せる。


 キングゴブリンを殺した時もそうだった。


 彼女は魔族に対して何の躊躇いもなく殺害を行える者ではない。であれば七年前に悲しむ事はなかった。元々そうであった事に加え、思春期を異世界で暮らし人間として生きていた事もある。彼女は知能のある者を殺す行為に抵抗を感じるのも無理はない。

 であるにも拘らず、彼女はキングゴブリンを跡形もなく何の慈悲もなく殺害した。それは葵の仇であるから。咎埼乃愛は夜坂葵の為であればどんな事でも成し遂げる。


 だから建物の影から建物の中に移動し、板の壁の継ぎ目から覗いた先でイオリアが拘束された時も動じない。自分を庇ってリオンと戦った人間。そして泣いている自分の肩に手を添えて優しい笑みを向けてくれた女性。咎埼乃愛にとっても仲間と……友人と呼べる者が窮地に晒された今も、その紅い瞳はただ葵の合図を待ち続ける。


 心を殺し、気を静め、息を呑む。


 でなければすぐにでも駆け出し、葵とイオリアの前に出て戦ってしまう。


「まだか、葵」


 しかしさすがに堪え切れそうにない。そんな表情を浮かべるや否や背後に気配を感じる。一人で待つのは少し限界に思っていた乃愛はホッとするも、その近づいてくる足音が重く息が荒い事に気がついた。

 またあの時のように“不死の王”の魅了の呪いに苛まれたかと振り返った視界の先、


「ギリアム。それ以上近づかない方が──」


 乃愛がまず見たのは見知った剣と籠手。籠手をはめた手は剣をしっかりと握り締めているものの、二の腕までしか存在していなかった。次に見えたのは大きめに膨らんだ腹と、返り血を浴びている小型のサイクロプスの瞳。


 見つかった。


 乃愛は短い悲鳴を上げるように息を呑み、サイクロプスから遠ざかろうと後退しようとするも既に壁際。少しばかり壁が軋む程度の行為。それを目にしたサイクロプスはニタリと笑うようにギリアムの腕を床に落とす。

 目の前で美味そうな獲物が怯えたのだ。襲い、喰らう他にない。


 落とした腕を拾い上げるサイクロプスは、横に足を擦って移動しようとした乃愛の進行方向を塞ぐようにギリアムの腕を投げつける。顔を両腕で覆うように庇う乃愛を嘲笑うかのように、投げつけられた腕は乃愛のすぐ横の壁に激突し床に落ちる。


 すぐさま距離を取ろうとする乃愛だったが、その建物は狭く乃愛が背にしている壁を離れては葵達の姿を見失ってしまう。そう思いながら乃愛は右瞼を閉じる。今この状況で右目を開いたままでいれば咄嗟に魔力を使用してしまう可能性があったからだ。


 だが、そんな事サイクロプスに関係はない。幸いだったのは仲間も呼ばず吠える事もなく襲い掛かって来た事。魔力を使用出来ない今の状態では強敵この上ないが、仲間を呼ばれていたら成す術がない。

 両手を広げて抱え込もうとしてくるサイクロプスを前へ転がり込むようにして躱し、顔面を壁にぶつけたその間抜けのうなじに右足を突き出す。完全な前傾姿勢だったサイクロプスの顔面は木製の壁を突き抜けて固定された。


──何か武器は……ッ。


 周囲を見渡そうとしたその時、視界に飛び込んだのはサイクロプスの足下にあるギリアムの剣。余程激しい戦闘があったのか、その刃は欠けているもののこの場にある物の中で最も有効な武器に乃愛はすぐさま駆け寄った。

 ギリアムの手ごと剣の柄を手に取り、ギリアムの手を引き剥がそうとするも既に死後硬直が始まったギリアムの手は剣を放さない。


 手間取っていた事で首を抜こうともがいているサイクロプスの足が乃愛の背中を踏みつける。


「かふ……ッ!?」


 狙った攻撃ではないとしてもサイクロプスの全体重が乗った一撃を背中に受けて一瞬呼吸が止まる。だがその衝撃のおかげで剣からギリアムの手は離れ、それを目にした乃愛は右手を伸ばして拾い上げた。その瞬間、視界の隅に飛び込んでくるのは壁から首を引っこ抜いたサイクロプスの爪。


 だが、乃愛はその場で高く飛び上がり天井近くで身体を丸めて後方に一回転。爪先で着地した後、先程の回転の勢いを殺さず後方に飛び、床に両手をついて前傾姿勢のサイクロプスの顎を蹴り上げるようにして一回転し距離を開ける。


 後方にかかる勢いを殺すように、着地した後に横にクルリと身を翻し右手に持った剣を突き出すように身構えると、肺に貯めていた空気を強く吐き出した。


挿絵(By みてみん)


──体操もやっててよかった。


 体操選手のような美しい後方宙返りをやってのけ、一息つくも口にする余裕はない。すぐさま襲い掛かってくるサイクロプスに対し今度はテレビで見た事のあるフェンシングのような突きで応戦する。


 しかし見事な体捌きを披露した乃愛だったが、突き出した剣は払い除けるように薙ぎ払ったサイクロプスの腕が叩き折る。その衝撃に開いた胴体へ叩き込まれるサイクロプスの拳。

 腹部の激痛に気を失いそうになる乃愛の首へサイクロプスは手を伸ばす。くの字になった乃愛の顔を持ち上げるようにして締め上げ、先程自らが首をめり込ませた壁へ振り返りつつ乃愛の背中をその壁の穴に叩きつける。


 そのまま首を締め上げられる乃愛はもがきながら何度も斬りつけるも、刃も欠けて折れた剣では薄皮一枚傷を残すのが関の山。サイクロプスの腕はより一層強く乃愛の首を締め上げだし、乃愛は悪あがきすら出来ず呼吸をする為に喉を掴む手を引っかく。


──こんな、こんな魔族に、この私が……ッ。


 締め上げられたところで“不死の王”を継承している乃愛が苦しくとも死ぬ訳がない。死ぬ訳ではなかったが、下位魔族ではないにしても同格とは口が裂けても言えない魔族の末端に好き放題されるのは屈辱的だった。

 しかし現状成す術はなく、救いを求めるように視線はキュクロと戦う葵へ。魔力さえ使えれば負ける事はないのだと、自らに枷をかける者へ助けを乞う。


 そして救いは聞き届けられた。


 乃愛の手から零れ落ちるギリアムの剣。意識を失ったのだと確信したサイクロプスだったが、剣を手放した乃愛の手は今も尚首を締め上げる自らの腕を掴んできた。まだ逃げられるつもりでいるのかとサイクロプスは更なる力を込めるも、ゆっくりとこちらを見下ろしてくる獲物の右眼が紅き十字の光を宿したのを見て驚愕する。


 そう、逃げられないのは乃愛ではない。乃愛に手を掴まれたサイクロプスの方だった。

 握り潰される腕。まるでパンを握り潰すようにして容易く砕かれた手首の骨。サイクロプスが悲鳴を上げたのは外で響く轟音と同時だった。瞬間、乃愛はサイクロプスを遠い彼方へ蹴り飛ばし、振り向きざまに蹴破った壁から外へと飛び出す。


 鳴り響く轟音は葵の用いた音響弾。


 故に内に秘めた魔力を開放する乃愛。開放すると言っても近くにいるイオリアや葵ごと焼き払う事がないよう制御しつつ、キュクロを一撃で倒し切る程の魔力を一点に収束させる。


「“紅に──”」


「“我が法(Astral)則を訊け(Logia)”」


 だが、そこで異変は起きた。


 乃愛の耳に響く音響弾の轟音が一層音量を上げ、締め上げられた首や重い一撃を受けた背中と腹部の痛みが強烈な痛みに昇華する。乃愛の身体を駆け巡る異常な神経伝達に魔法術式は強制的に解除され、身体は急激な感覚激化に電流でも流されたように痙攣する。

 スイッチをオフにしたように意識の途切れた乃愛の身体は、その場に崩れるようにして仰向けに倒れた。











「咎埼ッ!?」


 葵は走る。いったいなぜ、何が起きたのだと、そう考えるも上手く頭が働かない。今はただ遠くで倒れた乃愛へと駆け寄る。


 しかし、それは悪手。


 葵が無我夢中で走る中、葵の右手より解放されたキュクロの鞭が蛇のように乃愛の身体に絡みつき、葵の視界からその姿を消し去った。


 踏み止まり、葵は進行方向を変えて再び走り出す。目の前で大切な人を奪ったのが誰なのか、葵から女を奪うのはいつだって魔王だと知っているから。獣のように咆哮し、握り締めた拳を矢を射るように引き絞る。金の瞳が狙うはキュクロの瞳。武器はなくともその大きな瞳なら突き破れるだろうと、いやむしろそんな小賢しい事は考えない。


 殺す。


 ただ殺す為に、怒りのままに葵は拳を放つ。その形相はイオリアまでもが身震いする程のものだった。


「……ッ」


 しかし、その拳はキュクロには届かない。否、葵は拳を止めたのだ。苦痛に顔を歪ませた乃愛を盾にされた事で。

 瞬間、キュクロの蹴りが葵の腹部に突き入れられる。血を吐き出す葵。しかしキュクロの攻撃は止まらない。

 器用に乃愛の身体を潜り抜けて葵の身体を蹴り続けるキュクロ。腕を交差し頭部を守る葵だったが、その猛攻に次々と葵の身体は傷つき血を飛散させていく。


 その惨たらしい光景にイオリアは目を覆いたくなる気持ちを抑えて立ち上がろうと試みるも、身体のダメージが大きく上手くいかない。


「死になさい、下等種族が」


 より一層強く蹴り込まれ、葵の身体は弾け飛ぶようにしてイオリアの近くに転がった。


「葵様……ッ!?」


「大丈夫、まだ……動ける」


 ゆっくり起き上がる葵だったが、立ち上がろうとした足が自らの流す血で滑って膝をつく。


「ふむ、これでは私も腕を使えませんし……」


 言って、いい事を思いついたと笑みを浮かべるキュクロは乃愛の身体を森の方角へ放り投げ、すぐ傍の木の枝に吊るすと幹に鞭のグリップを括り付ける。


「戦利品は所有者を殺してから頂く事にしましょう」


 言葉とは裏腹に戦利品(乃愛)の頬を撫でては勝ち誇ったような表情を浮かべるキュクロは、睨み上げて来る葵の視線を楽しんでいた。安い挑発ではあったが葵を動かすには充分過ぎる理由。しかしボロボロの身体を無理矢理立ち上がらせる葵の腕を掴んでイオリアは引き留める。


 先程まで法則を使わなかった魔王がここぞというタイミングでその切り札を使用した。当初イオリアも葵もキュクロが人間をナメているから使用しないのだと考えていたが、どうやら違う。もしそうであれば奇襲は成功していた。であれば乃愛の出現するタイミングを見計らっていたと考えるに難くない。


「……貴方がヴァナヘイムを襲撃し始めたのは乃愛が目的だったの?」


「乃愛……? 彼女の偽名ですかな? 察しの通りと言いたいところですが、それは半分正解と申しておきましょう」


 イオリアに挑発は通じないと悟ったか、キュクロは爪先から髪の先までまるで全身を舐めまわすように乃愛を眺めた後に二人へ向き直って歩き出す。


「私の本来の目的はエルフガーデンを滅ぼした人間の偵察と、そのエルフ達が残した遺産を手にする事。……同胞とは違い私には知識欲がありましてね。魔族の中でも遥かに高位の知能を持ち、そして圧倒的長寿のエルフ族が遺した物はそれだけ価値が高い」


 互いに五歩進めば密着する距離を開けてキュクロはその足を止める。歴史は過去に遡れば遡る程に形を変えて伝承される。技術もそうだ。寿命まで研究しその成果を引き継いでまた別の者がその研究を進めるよりも、寿命の長いエルフであれば止まる事なく技術を進歩させられる。


「ヴァナヘイムの建国は五十年も前よ。私が生まれる直前までエルフとの戦争は続いていたけれど、その時に横槍を入れなかったのはなぜ?」


「それは簡単な話ですよ。エルフ族の王……賢王がまだ生きていたからです。賢王存命であれば占領された土地などすぐさまに奪い返すと思っていたのですが、どうにも老いには勝てなかったようですねぇ」


 今度はイオリアを挑発する。エルフ族魔王──賢王が倒されたのは英雄フィル・ヴァナヘイムの実力ではなく老いが原因であると言うかのような口ぶりだったから。


「そして二十一年前よりエルフは全魔族の奴隷種族へと落ちぶれた。世界各地に逃げたエルフ達を束ねる王が誕生しなかったから、人間如きに敗れた種族だからと」


 隙あらば、法則さえなければ他種族の領土を奪おうとするのが魔族領域。となれば領土を失い散り散りになったエルフ族に現代でいうところの人権などあるハズもない。ヴァナヘイムへの道中で乃愛の言っていた事を考えると、エルフ族の扱いは酷なものだった事が容易に想像出来る。

 それはフィル・ヴァナヘイムによって引き起こされた悲劇。関係者であるイオリアは当然胸を痛めるも、そのキュクロの話は一つ矛盾が生じていた。


「王が……生まれなかった?」


「ええ。私も長い間様子を伺っていましたが、新しい賢王の存在は確認されていません。でなければあのエルフ族がああも落ちぶれる事はなかったでしょうに」


 魔王の第一子は必ず法則を持って生まれる。もし子を残す前にその種族から法則保持者が一人も存在しなくなれば、その種族の中で最初に生まれた子が法則をその身に宿す。

 乃愛が嘘をつく理由もなく、そしてキュクロの話が本当であれば確かに妙な出来事だ。可能性があるとすれば新たな賢王が成長するまで匿っているエルフ族がどこかに隠れ潜んでいる可能性。


「しかし安心なさい。ニブルヘイムに逃げ延びたエルフ族も少なくはない。ルシフェリアの父であるニーズヘッグは大層な善人でありましたから、ニブルヘイムに辿り着いたエルフ族を手厚く保護していましたよ」


 ニーズヘッグという名に反応したのは葵。最初に不死王の座に訪れた際に現れた鎧の男。不死王の座は歴代の“不死の王”が連なる場であるから、あの時葵の前に立ち塞がった男は乃愛の父親だったのかと悟る。


「ですから甚だ疑問なのです。それを見ていたルシフェリアがこの地にいて、それも戦闘に参加するなんてね」


 言ってしまえば国民となったエルフ達への裏切りにも等しいとキュクロは言う。確かにそうであるが、そもそもそのニブルヘイムを陥落させた複数の魔族の内の一人が言えた台詞ではない。ニブルヘイムが攻め落とされる事さえなければ乃愛は人類領域に身を潜める必要もないのだから。


 そう思い、滾る怒りを拳に乗せて葵はイオリアの手を振り払う。


 減らず口を叩く目の前のこの魔王を生かしておけないと、葵は殺意を込めた視線でキュクロを威圧する。対するキュクロは瞼を閉じて納得するように頷いた。


「なるほど。つまり今は貴方が“所有者”という訳ですか」


 その言葉に葵もイオリアも視線を険しくする。次代の“不死の王”を自身の一族に宿す為の道具として扱うのが過半数の魔族。


「所有なんてしてない。僕等は仲間だ。お前達と一緒にするな」


「…………おや、彼女の“第三法則”を知らずに傍に?」


 葵とイオリアの殺意が薄れる。キュクロが何を言っているのか理解出来ない。そもそも法則は魔王一人に一つが原則。


『前に葵には話したが、法則は例外を除いて各種族に一人、魔王となる者に一つが原則。その例外というのは魔王の親や祖父母は存命の限り法則を失わない、というだけのハズだった。……“三つの法則”を持って私が生まれるまでは』


 と思っていたところで葵とイオリアは視線を重ねる。乃愛は話していたのだ、三つ法則を持っている事を。だが葵とイオリアは二つの法則しか知らない。会話の流れ的に三つ目の法則を言ってもおかしくない状況だったし、乃愛は総ての情報を開示するつもりでいた。

 それどころか三つの法則を聞いていたその場にいる全員が“誰も三つ目の法則について言及しなかった”のもおかしい。


「その様子から察するに三つの法則を所持している事は聞いていたようですねぇ。だが第三法則については何も知らない。そんな顔をしている。……仲間が聞いて呆れます」


 馬鹿にするように笑うも、キュクロは自身の口を手で遮ると僅かに頭を下げた。


「いや失礼。そもそも教えたくても教えられない代物でしたねぇ。魔族なら誰でも知っている常識です」


 嫌味を言っているのは理解出来るも、意味がわからない。法則の内容を教えたくても教えられない? それはつまり教えれば不利益があるという事なのか、それとも教える事自体が出来ないものなのか。そうまで考えて、魔族なら誰でも知っている常識という言葉に引っかかった。


 クーラ・メディクス。


 ニブルヘイムに長く勤めていたメイド長。乃愛の側近であった彼女がその“常識”である法則の内容を知らないハズがない。つまり乃愛はともかくクーラは意図的に葵達に教えなかったという事になる。


「ですが、知らないというのならせっかくの“聖杯”が勿体ない。このキュクロ・アルゲースが貴方々を殺し、その所有権を頂きましょうか」


 ヴァナヘイムによってエルフの被った被害。乃愛の第三法則。クーラへの不信感。一度にいくつもの情報を突きつけられて戸惑う葵達へ、キュクロは一度空に翳した手を勢いよく真横に薙ぎ払う。


「さあ、仲間と言うなら護ってみせなさいッ!」

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