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楽園変生 第一部 ──不死の随伴者──  作者: 紅葉 昂
第一部【不死の随伴者】
34/52

第032話

 異世界に来て何度目かになる目覚め。まだ一ヶ月に満たない日数ではあるが、視線の先に見慣れた天井が広がっている事に葵は“帰って来た”と実感する。水を入れたグラスを手渡して来るクーラに頭を下げて、受け取った水を胃に流し込んで一呼吸する頃にはクーラは部屋を去っていた。

 きっと乃愛を呼びに行ったのだろうと思った葵は、そういえばこれで三度目になる死からの生還について乃愛はどう思っているのだろうと考えた。


 一度目はキングゴブリンに敗北し、殺された。そして永遠を司る法則の力によって新たな生命を手に入れた。


 二度目はイオリアを連れ帰る為に一芝居。結果、活動に必要な血液が足りずに死んだ。


 そして三度目。最強の冒険者リオン・クロワールと戦った事で右腕が吹き飛び、心臓を刺された。


 “不死の王”の継承者である乃愛の心臓と同化している故に心臓の破壊は葵にとって致命傷になり得ないが、出血によって活動を停止させられた。そう考えれば三回ではなく四回か、と不死故に何とも呑気に葵は考えた。こういう自身の生命や身体を軽々に考えるのが二度目の死後に乃愛が怒った理由。


 さて、果たして今回の死を乃愛はどう思っているのか。


 殺され方は一度目に似ている。死因は二度目に似ている。一度目も二度目も乃愛が泣いたという話は葵は聞かされていないが、今回はコーラスから泣いていたと聞いた。泣く程嫌なら恐らく怒っていても不思議ではない。


「怒られるの嫌だなぁ」


 ため息を漏らすように言葉にして葵は立ち上がると自室を出て廊下を歩く。自分の今の姿が廊下の窓ガラスに写り込み、この世界に不釣り合いな学校の制服。今は寝間着になっているがブレザーは最近着ていないなと考えるもどうでもいいかと感じて葵は再び歩き出した。

 着替えた覚えは当然ないが、恐らくクーラが着替えさせてくれたのだろう。という事は今修繕中かと考えていると、思考はリオンとの戦闘に移った。


 一切の有効打を与えられなかった。虚を突いたハズの大剣の一撃さえも防がれ、その後の背後からの奇襲も当たらなかった。大剣の重さを受けても折れない刀も充分に優れているが、何より全身甲冑を纏っているのにも拘わらずリオンの体捌きは見事なものだった。

 大剣を所持しているという事は使用出来る点を考えると筋力も葵と同等と考えてもいいだろう。


 日々の依頼で数多くの魔獣や、キングゴブリンと戦って来た葵にとって聖戦級は既に圧倒的という差を感じなかった。しかしリオンは違った。覇者級にして人類史上最強の存在。世界中に名の知れ渡った生きた伝説。あの領域に辿り着けなければ乃愛を世界中の魔族から護り切る事など出来はしない。


 しかしいくら手加減していたとはいえ、その人類最強と戦ったのは事実。この世界に来たばかりから考えれば他の冒険者達が羨む程早く葵は強くなりつつある。その内二つは敗北という結果に終わっているが、強敵と戦わずしてここまでの早さで成長する事はなかっただろう。


──もっと強くならないといけないけど、このままじゃ怒らせてばっかりだ。


 だからと、葵はとある部屋の前で立ち止まる。怒られるのなら先に謝ってしまおう。そう思い部屋を出たのだから立ち止まっている訳にはいかない。


「ああ、入ってくれ」


 軽く握った手の甲で四回程叩くとすぐに返事は聞こえた。いなければ外へ出歩かなければならず、身体に怠さが残った今の状態で出歩くのは億劫だった葵はホッと胸を撫で下ろして扉を開く。


 カーテンを閉め切った部屋の中、天井に吊るされた薔薇のようなデザインの照明が暖かい光で乃愛を照らしていた。部屋はどれだけ差別してるんだと言わんばかりの家具ばかり。天蓋つきのベッドなど葵は見た事なかったが、そんなものよりも葵の視線はある一点に集束した。


挿絵(By みてみん)


「何をしてる、さっさと入ってくれ」


 身体が言われた通りに動くが、意識的にそうした訳ではない。ただただ眼を奪われた。美しく柔らかな肌を引き締めるように胴体を縛る黒い布。一糸纏わぬ手足と、その黒い布が締め上げる腰の括れが隔てた上下の膨らみ。視線を遮るものは何もなく、フリルと刺繍を控えめにあしらった真っ白な下着の紐を結ぶ乃愛がそこに立っていた。

 それを眼にした葵の心臓は鼓動を忘れ、乃愛は結び掛けの紐から放した手を胸に添えて小さく開いた唇から呻くような吐息を漏らし、僅かに苦しそうな表情で葵に視線を向ける。


 瞬間、その背中から翼が飛び出した。


 状況を理解し切れていない乃愛と驚きのあまり凍りついたように動かない葵。羽根が床に舞い落ちても二人は視線を重ねたまま動く事はなかった。しかし葵の背後で扉が閉まった途端、二人の瞼が同時に瞬きする。


「ぁぇ、ぁぉ……ぃ?」


「僕は……ノックしたっけ?」


 動いたのは瞼と唇のみ。だがそれを切っ掛けに二人の心臓は本人の耳に届く程大きく、そして痛みを覚える程に加速して乃愛は膝を折ってその場にへたり込んだ。

 瞬間、まるで弾かれたように葵は後方に飛び退くも先程くぐった扉は固く閉ざされ、ただ背中と後頭部を扉に叩き付ける結果に終わる。


「何で!? 何で入って来るのッ!?」


 頭を抱えて座り込んだ葵の視界に再び飛び込んで来る乃愛の姿。器用に翼で身体を隠し、真っ赤な顔だけを覗かせている。


「の、ノックしたし、入って来いって──」


「だってクーラだと思ったんだもんッ!」


 驚きのあまりいつもの口調と違って女らしい。否、むしろ幼びている。その恥ずかしそうに涙ぐんだ表情と幼びた口調が葵の視線を釘付けにし、葵の視線が向けられている事で益々乃愛は顔を真っ赤に染めていく。


「ぁぅッ」


「ぐッ!?」


 負の連鎖はそれだけでは収まらない。二人は同じ心臓を共有する者。互いが互いに鼓動を加速させた事で通常では起こり得ない程の痛みで心臓が悲鳴を上げ、乃愛は天井を仰ぐように仰け反り、葵は丸まるように蹲った。


「ご、ごめん咎崎。覗くつもり……とか、なかったんだけど、とりあえず、出てくよ。心臓がやばい」


「う、うん。そう……してくれ」


 乃愛の甘い声で再び心臓が跳ね上がるも何とか堪え、葵は立ち上がって扉のノブに手を伸ばす。が、その瞬間外側より扉をノックする音が部屋にこだました。


「ルシフェリア様。何やら物音が聞こえましたが、どうかなさいましたか?」


 互いの心臓の安住の地とした扉の向こうは、ある存在の来訪によって絶体絶命の死地に豹変した。ほぼ裸の乃愛と葵がいる部屋をクーラが見ればどうなるだろうか。


──殺される。


 不死の随伴者は避けられぬ死を予感した。ドアノブを握ろうとした手を下ろし、振り返る事も出来ない葵は瞑想する。

 何か手はないか。乃愛も状況が状況だけに協力してくれるかもしれない。


「あ、ああ。今着替え中で、転んだだけだ」


 と思ったが、乃愛のクーラへの回答は最悪だった。テンパって自分が何を言ってるのか理解してないなこの女、と葵は背後の乃愛を半ば睨み付けるように振り向いた。


「まあなんてドジっ子……いえ、それは大変です。やはり私めも御手伝いさせて頂きます」


 クーラの性格では当然こうなるのだ。葵に睨まれ、そしてクーラに言われて気付いた乃愛はハッとした表情を浮かべている。


「い、いや私一人で大丈夫だ」


「しかしそれでは申し付けの通り葵様の御目覚めをイオリア様より早く知らせた意味が御座いません。今しがた村長宅のイオリア様にも御伝えし、そろそろ部屋に向かわれると思います。殿方に着飾っている姿を見せたいのも理解出来ますが──」


「い、今開けるから!」


 クーラにそれ以上喋られたら困るのか、気が動転した乃愛は悲鳴を上げるようにそう言った。当然、葵からしてみれば最悪の状況だ。どうにかしなければならないが、生憎隠れれそうな場所もない。隠れないのなら、クーラをどうにかしなければならない。しかし今葵自身が部屋にいる事がバレれば殺され兼ねない故に乃愛頼りだったのだが、どうにもこの魔王は使えない。


 使えないとなれば使うしかない。


 不死故に死なないが、だからといって社会的に殺される訳にはいかないのだ。従者であり恩人でもあるクーラにこの先ずっと着替えを覗いた男として見られる事だけは断じて避けねばならない。メンツ的に。


──やるか。


 ガラじゃないと思うも、もう既に今の状況が自分のキャラ崩壊に繋がっているから仕方ないと諦め、葵は乃愛へ近付くように手招きした。それに乃愛は驚いていたが仕方ないと頷き、右腕で胸を押さえながら広げた左手で下着を隠して前屈みに近付いて来る。

 次は耳を出せというように葵は自身の耳を指で叩いて見せるが、乃愛は顔を目を丸くして戸惑うように一歩後退りしながら首を横に振った。


「私、耳とか脇とか弱くて……」


 そんな事は聞いていないが葵は心の中で「使える」と確信し、もう一度人差し指で耳を叩く。すると乃愛は涙ぐんだ瞳を瞼で隠し、長い髪を耳に掛けてゆっくり葵へ差し向けた。


「その服、咎崎に似合ってる」


 甘い吐息混じりに耳元で囁き、葵は勢いよく扉を引いた。開いた扉の先に立つクーラの視線は近くにいた葵を完全に無視し、その先で胸の痛みやら擽ったい耳やらで恥じらう乃愛だけを見据えた。擽ったい耳に身を捩り、胸の痛みに膨らみを強く押し潰し、下着を隠すその乃愛のあられもない姿を眼にして、


「ぐはッ」


 従者クーラ・メディクスは鼻血を出して昏倒した。仰向けに倒れたクーラが手足を痙攣させて気絶しているのを確認し「チョロい」ととても失礼な事を心の中で呟いた葵は、クーラの両足を持って部屋の中に引きずり込むとその口元を鋭利に歪めた。


「計算通り」


「…………新世界の神にでもなるつもりかお前は」











 十数分後、場所は変わって屋敷の居間。クーラの扱いという妙な特技を会得した葵は机に額を押しつけるように正面に座る乃愛に頭を下げていた。自分がクーラと間違えて入れと言ったのだからもういいよと言う乃愛の声は、近くで家事を行っているクーラを気にして随分小声だった。葵としては出て行くならクーラを気絶させて強行突破するよりも、窓から飛び降りればよかったと思っての謝罪でもある。

 ここではない世界の小説や漫画でそういったハプニングに見舞われる主人公を何度も見て来たが、互いにまさか体験するとは思っていなかっただろう。御互いまともな精神状態ではなかったのだから、最悪の結果を免れただけでもよしとするしかない。


「そ、そういえば似合うと言ったのは本当か?」


 顔を上げる葵の視線が重なると乃愛は恥じらうように頬を赤く染めて視線を背け、無理に笑って話を逸らす。その問いは先程の状況を打破する為に耳元で囁いた葵の言葉の是非だった。


「ああ、うん」


 頷いて、葵は改めて乃愛を眺める。純白の衣は薄地で、何気ない仕草でもフワリと優雅に靡き、二の腕や裾などの装飾は別世界で見たどのアクセサリーよりも煌びやかな黄金色。端的に言って質が違い過ぎるその豪華にして高貴なる装いは、乃愛の幻想的な髪や顔立ちに相応なもの。

 一言で言えば荘厳。他の女性では服の神聖さを損ねるというものだろう。


「天使みたい」


 呟いて、葵は自らの発言に苛立ちを覚えた。元の世界で「天使みたい」と言えば極端な嫌味でもない限り称賛の言葉だ。天性のタラシかと疑われ兼ねない発言だが、葵が苛立ちを覚えたのはその台詞が後になって恥ずかしくなったからではなかった。


「ごめん、今のは聞かなかった事にして」


 顔を見れず、謝罪する葵。元の世界で誉め言葉だろうと、こちらの世界では種族として天使は存在する。それも人類の天敵とされる種族だ。加えて乃愛はヴァンパイアと天使の混血。イメージとしてヴァンパイアは純血を重んじてそうな雰囲気もあり、その乃愛に対して「天使みたい」という言葉がどれほど彼女を傷付けるものか考えが及ばなかった。


「わかってる。褒めてくれたんだろ? 生まれて初めて、天使の血を引いてる事を誇らしく思ったよ」


 その言葉に葵は乃愛に視線を戻し、嘘偽りない笑顔を浮かべているのを見て安堵した。


「……ところでさ、ヴァンパイアって血は吸わないの?」


 安堵した後、見つめられているのが恥ずかしくて葵は逃げるように話題を変える。


「ヴァンパイア……吸血鬼か。結論から言うとこの世界のヴァンパイアも血は吸う。幼い頃から犬歯が発達し吸血衝動を持って生まれ、平均寿命は四百年程か。ニンニクは私が少し苦手なだけで種族として嫌ってる訳じゃないし、陽光も十字架も平気だ」


 問われた乃愛は葵の表情と行いにクスリと笑い、葵の話題変更に応じる。聞くところによると元の世界のヴァンパイアというイメージとは少しばかり違っているようだ。元より葵はヴァンパイアの血を乃愛が引いていると聞いた時点で、ヴァンパイア族が太陽光に弱いとは思っていなかったが。


「血を吸う事で体力の回復や傷の修復をするのが特徴の種族だが、ある事を知ると牙と共に吸血衝動がなくなる」


 こんな風に、と乃愛は少し大きめに開いて見せる。感想として綺麗な歯並びをしているなと思うも、牙のようなものは見当たらなかった。


「ある事って何なの?」


「それはその…………ぁぃだな」


「え? ごめん、よく聞こえなかったんだけど」


 わざわざ伏せたのだから言い難いものなのかもしれない。そういう考えも葵の中にはあったが、気になったのだから仕方ない。乃愛も伏せはしたものの答えた。視線をあからさまに逸らし、陽気な表情とは裏腹に肝心な所が聞き取れない程小さかったが。


「だからその……愛を知ると、だな」


 視線を葵と膝の上で弄る指へと何度も泳がせながら乃愛は白状する。心臓の鼓動が速くなっている事で葵は察し、その拳を強く握り締めた。


「…………そっか」


 動揺も嬉しさも、照れ臭くなったような素振りも一切見せず葵は流すようにそう呟いた。乃愛はその様子に首を傾げるも、見守るように二人を眺めていたクーラには葵の拳から血が僅かに滴るのが見えた。


「……まあいい。とりあえずヴァンパイアについてはそんなところだ。あと話す事があるとすれば……お前が眠っている時の話だな」


「あ、うん。でも大丈夫だよ。身体は動かなかったけど聞こえはするみたいだから」


 愛を知る事でヴァンパイアは血を吸わなくなる。というのであれば牙の生えていない乃愛は愛を知ったという事。鼓動が速く、そして視線を合わせない事で対象が誰だかなんてすぐにわかる。


 では、いつ?


 葵にとって重要なのはそこだった。葵の知る限り乃愛が血を吸ってはいない。血を吸われるという事件も、元いた世界で葵は聞いた事がない。もしあれば猟奇的な事件として報道されるハズだ。乃愛の性格上我慢していたのかもしれないが先程の不自然な照れ方や眼の泳ぎ方、そして乃愛が焼き払ったと言っていたプリクラ帳を見ればわかる事だった。


 咎崎乃愛は、夜坂葵に恋をした。


 結果吸血衝動という元いた世界では面倒この上ない生態を克服し、ただの若者としての生活を送っていた。そう考えるのが自然であり、考え得る最適解だろう。

 だが葵は自分ではない自分を見ている乃愛に僅かな怒りを覚え、そして過去の自分に嫉妬した。握り締めた手から血が滴り落ちる程に。


 故に視線を変えて、コーラスに言われた通り話を終わらせようとした。今の気分で話していたらボロが出るかもしれないから。


「え?」


「聞こえてたんだ。だから説明はいらないよ」


 そう言って席を立つ。妙な胸騒ぎがして人集めをギリアムに任せて別れたが帰りが遅い。窓を見れば陽が沈みそうになっているのを見て、葵は様子を見に行こうとした。


「き、聞こえてたの……?」


 何やら乃愛の顔が青褪めているような、複雑な感情を露わにしていた。確かなのはショックを受けたかのように表情が凍りついているくらいか。


「ぇ、だって聞こえてるなんて知らなかったから……えっと、あの……私……」


──いや、ちょっと何でそうなるのさ。人が寝てる時に何してたの。


 青褪めた顔が急激に赤くなっていく。それはもう見事な色彩の変質っぷりであり、絵に描いたようにとはこの事だろう。その内ショートするのではと思うくらいには動揺している。


「私ちょっと出掛けて来る──」


「ごめん、ただの夢かもしれないからやっぱり御願いしていいかな」


 猛ダッシュで走り去ろうとした乃愛の手を掴み取り、葵は頭を抱えて台本を棒読みするかのように告げた。このまま見送るとこの女は恥ずかしさで三途の川にでも旅立ち兼ねない故に、面倒でも聞いた方がよさそうだと判断した。


──……やっぱり性格悪いな。


 そして葵はコーラスに対して改めた印象を善から悪へ上書きした。

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