緋は紅
彼の名前はサングイン 21歳
とある世界、とある王国にてストリートチルドレンとして育ってきた。彼は生き永らえるため、空き巣や追い剥ぎといった窃盗・略奪行為、殺人を行ってきた。心に罪悪感を抱きながらも、同じ境遇にあるリーダー格の青年の「俺たちが生きていくためには必要なことなんだ。俺たちは悪くない、悪いのはこんな世の中にした国王なんだよ」という言葉を自らに何度も言い聞かせ、正当化してきた。
ある暑い日のことだった。彼は空腹に耐えかね、以前知り合った少年の話を鵜呑みにし、現在領主不在の領主邸に忍び込むことを決意、実行した。
話に聞いていたよりも非常に静かな領主邸。中に足を踏み入れると、彼は我が目を疑った。そして限界を迎えた彼の耳に突き刺さる少女の悲鳴。
悲鳴が聞こえた場所へ向かうと、不在としている領主の娘がそこにいた。
”武器を持つ4人の男に囲まれながら”
これまで積み重ねて来た罪へのせめてもの償いと思い、彼は領主の娘を助け出すため武器を手に取る。
そしてなんとか4人の男の撃退に成功するが、元より限界だった彼の体力は戦闘により底を尽きる。更に傷口からは多量に出血しており、彼自身死ぬことを理解していた。
今助け出した少女に膝枕をしてもらいながら、薄れゆく意識を彼は惜しげも無く手放した。
ーーそして、気がつくと
ーー何故か彼は「日本」という国で
ーー「彼女」となっていた
とある世界、とある王国にてストリートチルドレンとして育ってきた。彼は生き永らえるため、空き巣や追い剥ぎといった窃盗・略奪行為、殺人を行ってきた。心に罪悪感を抱きながらも、同じ境遇にあるリーダー格の青年の「俺たちが生きていくためには必要なことなんだ。俺たちは悪くない、悪いのはこんな世の中にした国王なんだよ」という言葉を自らに何度も言い聞かせ、正当化してきた。
ある暑い日のことだった。彼は空腹に耐えかね、以前知り合った少年の話を鵜呑みにし、現在領主不在の領主邸に忍び込むことを決意、実行した。
話に聞いていたよりも非常に静かな領主邸。中に足を踏み入れると、彼は我が目を疑った。そして限界を迎えた彼の耳に突き刺さる少女の悲鳴。
悲鳴が聞こえた場所へ向かうと、不在としている領主の娘がそこにいた。
”武器を持つ4人の男に囲まれながら”
これまで積み重ねて来た罪へのせめてもの償いと思い、彼は領主の娘を助け出すため武器を手に取る。
そしてなんとか4人の男の撃退に成功するが、元より限界だった彼の体力は戦闘により底を尽きる。更に傷口からは多量に出血しており、彼自身死ぬことを理解していた。
今助け出した少女に膝枕をしてもらいながら、薄れゆく意識を彼は惜しげも無く手放した。
ーーそして、気がつくと
ーー何故か彼は「日本」という国で
ーー「彼女」となっていた