プロローグ
『……後悔ばかりの人生でした。』
手紙の最後をそう締めくくり、机の上にお気に入りだったピンクのシャーペンを置き、便箋を丁寧に2つに折って封の中に入れる。そしてそれをシャーペンの隣にそっと置いて部屋を出た。
休日の真昼間…人でごった返す電車に乗り込み6駅先の大学へ。休日だということもあり、大学の構内は人が少ない。サークルの集まりでもあるのか、ちらほらと人の影は見えるが…
「まぁ、いいか」
そう呟きながら大学内で一番高い建物の最上階へ上がり、適当な教室の、適当な窓枠に腰掛けた。本当は屋上がよかったのだが、残念ながら、屋上への扉の鍵を開ける手段は持ち合わせていない。
窓枠を手で掴んで体を支え、外へ上半身を反らせながら空を見上げれば、そこには雲一つない青空が広がっている。ちらりと下をのぞけば地面は硬いコンクリート。
「これで死ねなかったら痛いだけだろうなぁ」
ずっと考えていた事だというのに、生きられた時のことをを少しでも考えてしまった自分の思考をフッと小さく鼻で笑い、誰も見ていない場所で、何のためらいもなく、私は体を支えていた手を放した。
重力に従って地面へと落ちていく。
「…ほんと、いい天気」
少しずつ遠ざかっていく青空に、私は無意識に手を伸ばした。
これから頑張って更新していきます。
まだまだつたない文章ではありますが、なにとぞよろしくお願いいたします!