白の欠片
ふらり入った、森の中
不釣り合いな白、目を引いた
途端、なぜだか涙が流れて
どうにもこうにも止まらない
森の中では雨模様
天の神様に見られてた
心も体も濡れ鼠
これではまるで迷子の子
ゆらりゆらゆら、風に吹かれて
ごろごろ遠くで雷が鳴って
幾多の季節が過ぎる度に
その白い欠片が大きくなって
どうにも座っていられないのです
こうして私はまた森の中
いったい幾年経ったでしょう
白い欠片は埋もれていたが、それでも私を呼び止めた
嗚呼、悲しかったはずなのです
嗚呼、懐かしかったはずなのです
その時始めて分かりました
貴方の骨です
この欠片は。