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花売り

 あの後、何匹かさらに猛獣が解放されたが、合成獣の斧を振り回すと呆気なくいろんな部位が吹き飛んで行った。

 最終的につまらなくなったので放り投げて格闘した。まぁ、それでも一方的に終わってしまったが。

 この剣闘試合の主催者の秘蔵である猛獣も、ステータス5000近いと言っていたが、面白いくらい相手にならなかった。

 これでその主催者も破産だな。ざまぁ。


 こうして晴れて俺は自由の身となった。

 ――のはいいのだが、これからどうすればいいのだろうか。

 当然だが、あの剣闘試合での賞金は一銭も貰えなかった。主催者破産だし、よしとしといてやるが。


 とはいえこれからどうしようもないのも事実だ。

 金はない、寝床もなければ行くあてもない。

 これで何をしろというのだろうか。


 仕方ないので路地の隅っこに座り込んでスマホを弄る。

 他に何か機能はないかと探して見る。


 カメラ機能は使えるのだろうか。

 カメラアプリを起動してみる。問題なく使えそうだ。適当にその辺の風景や人物を撮っておく。

 おや、写真フォルダで人物の移っている写真を選択するとその人のステータスが見えるようだ。ふむ、見たとこ一般人のステータスの値の平均は総じて100前後。確かにこれからすればステータス1000オーバーは十分脅威と言える。

 んで、なんか傭兵みたいな衛兵みたいな、鍛えていそうな人のステータス平均値が300前後。

 中には500前後の人もいたが、彼の職業は何なのやら。

 ついでにこの機能だと魔力のステータスが見えるから魔法使いとかもわかりやすいな。


 魔力についてわかったことと言えば、この世界では魔力、魔力耐性を持つ人が明らかに少ない。

 ほとんどが一桁、あっても10~20程度。

 その中で100以上あると魔法使いだなってわかる。

 俺の魔力、魔力耐性は一体何なのだろう。何を努力した結果なのだろう。確かに一時黒魔術やら悪魔崇拝とかを真似たことはある。こっくりさんや悪魔祓いもしたっけ。崇拝しながら祓うとかいう矛盾。楽しかったけどさ。


 とはいえ魔力があったって魔法を知らないんだからどうしようもない。

 この世界で魔法を使うにはどうすればいいのだ? 魔導書みたいなのを読めばいいのか? それとも教わるのか? はたまた適当に使えるのだろうか。

 まぁできないことを悩んでも仕方がない。


「ねぇ、お兄さん」


 スマホをぺけぺけしていると不意に声を掛けられた。

 見上げるようにして声の方へ向くと、幼い少女がいた。


「お花、いりませんか?」

「花?」


 そういって差し出された花は、明らかにその辺に生えているような花だった。

 花売り……花売り?


「……春でも売ってんのか」

「はい。どうですか? 500Gです」

「無一文だ。他を当たれ」

「……そうですか。残念です」


 そういうと少女は離れていく。

 500Gとは、また安く売っているものだな。

 この世界の通貨基準はわからんが。ステータスもゲームっぽいし、ゲーム基準で考えれば一晩宿に泊まるのに500Gならピッタリかあと少しか。

 どんな世界でもいるのだろうか。それとも、ここが次元を間違えているのか。

 そんなことはどうでもいい。さっさと金を稼ぐ方法を調べないと。


 こういう時、前の世界ならスマホは便利なのにな。

 ちょちょいとアプリで探せばバイトなんていくらでもあったし。

 この世界でも使えるのだろうか、求人アプリは。

 ためしに起動してみる。すると出るわ出るわ求人の数々。よく読めば求人というよりも依頼というか、冒険者的なサムシングのお仕事っぽい。

 これは登録が必要なのか。登録には金もかからないようだし、ちょっくら冒険者ギルドとやらに行くとしよう。

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