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白黒の魔法使い 霧雨 魔理沙

「・・・暇ねぇ・・・」


縁側で寝そべるながらお茶を啜る少女、今代の博麗の巫女、博麗 霊夢。

する事も興味も湧くこともなく無気力に寝そべってお茶を啜る。

巫女がこのような格好をしていいのかっと思うが霊夢は巫女らしくない巫女であるから

致し方ないような気もする。更に、博麗神社は幻想郷の最東端に位置し

神も一応祀られているのだが、知名度も低くご利益もよく判らないため参拝客は少ない。

立地条件も然ることながらそれを改善しようとしない霊夢も霊夢である。


「・・・はぁ・・・」


霊夢はあまりに暇なのか溜息ばかりつく。お茶を飲もうとするがもう湯呑には

お茶が入っていなかった。お茶がなくなると舌打ちをする。


すると、湯呑にお茶が注がれる。霊夢は不審に思い後ろを見ると


「お茶のお代わりで良かったかな?霊夢ちゃん?」


そこには金色に輝いている7本の尻尾を少し揺らしている蒼尾の姿があった。


「そ、蒼尾さん・・・いつの間に・・・」

「ついさっきさ。お賽銭を入れてちょっとブラブラしてたら霊夢ちゃんの気配を感じてね

ちょっと、お茶を入れてみたわけさ。まっ気まぐれって事にしといてよ」


霊夢は隣に蒼尾が腰掛けると、服を正して座り直した。蒼尾は博麗神社の貴重な常連の

参拝客であるからだ。霊夢にとっては生活費をくれる半人半妖なのだ。

が、心なしか霊夢の顔は赤い。


「(う~・・・私としたことが。蒼尾さんが来たのにも気づかずに寝転がってたなんて・・・

ちょっと恥ずかしいわね・・・)」


そう思いながらも霊夢はお茶を啜る。すると・・・


「(やっぱり・・・一人の時よりも蒼尾さんが一緒に居た時に飲んだほうが美味しいわね)

蒼尾さん、また抜け出してきたんですか?」


霊夢は蒼尾が神社に来る時は、よく母である藍の目を盗んでやってくるので今回もそうなのか?

っと思い訪ねてみた。蒼尾は笑いながら答えた。


「アハハハハ、やっぱりそう思っちゃう?今回は違うさ。ちゃんと許可を取ってきたさ」


霊夢はそれを聞くと驚いた。蒼尾から藍がどれほどベタベタなのかを聞いているからである。

その藍が許可を出した?


「ほ、本当なんですか?話を聞く限り、とても出すとは思えないんですけど・・・」

「まあそうだよね。でもね紫様が仲介してくれてね、何とか許可がおりたんだよ

まったく、俺だって結構歳を取ってるんだから子供扱いはやめてほしいよったく」


若干ムッとした顔になる蒼尾、霊夢は蒼尾があまりにも子供っぽい反応を取るので笑いが

こみ上げてきた。


「あははは、蒼尾さん。子供扱いって言いますけど今の反応、十分子供っぽいですよ?」

「うへぇ、霊夢ちゃんまでそう言うか・・・はいはいどう~せ俺は子供ですよ~だ」


蒼尾は拗ねたそうに頬を膨らませて、霊夢から顔を逸らした。霊夢はそんな蒼尾を見て

クスクスっと笑う。


「(心地いい・・・)」


この感情が霊夢を包んでいた。一日の大半を一人で過ごす霊夢、そんな日常に入ってきた

蒼尾。霊夢にとって蒼尾は、優しくて暖かくて兄のような人っという認識になっていた。

霊夢は蒼尾が来るのをいつも楽しみにしていた、初めて会った時から・・・


「ぉ~ぃ」

「ん?何か声が・・・」


蒼尾は遠くから聞こえてくる声に気づき、耳をピンっと立てて聞き耳を立てる。

蒼尾が聞き耳を立てている中、霊夢は少し落胆するような顔をする。


「はぁ・・・来ちゃったか・・・蒼尾さん。問題はありませんよ・・・たぶん」

「へ?」

「お~い!霊夢~!!」


その声は次第に大きくなっていき、蒼尾は空から聞こえてきたことに気がつく。

空の方を見てみると、箒に跨ったひとりの少女が見えてきた。次第に姿が見えてきた


金髪のロングヘアーが特徴的で

柔らかそうな金髪を片側だけおさげにして前に垂らしている、リボンのついた黒い三角帽

黒いドレスのような服に白のブラウスのような服の上に

黒いサロペットスカートのような服を着用している女の子だ。


「霊夢、遊びに来てやったぜ!」


ビシッと決めるように霊夢に人差し指を向けて言う少女、蒼尾は誰?っという顔をしている

霊夢は若干呆れたように溜息をつく。


「まったく、何時も無駄に元気よね魔理沙」

「元気なのは良い事なんだぜ?んで霊夢、隣にいるのは誰なんだ?」


魔理沙は霊夢の隣にいる蒼尾に、視線を移して訪ねる。蒼尾は二人の会話からどうやら

友人なんだろうと察した。


「この人は八雲 蒼尾さん、最近神社にお賽銭を入れてくれるのよ。それと蒼尾さんは

人間と狐の妖怪の間に生まれた半人半妖よ」

「まあ、今紹介してもらっちゃったけど、八雲 蒼尾だよ。宜しく」

「ああ、私は霧雨 魔理沙。普通の魔法使いだぜ!」


蒼尾は魔理沙の普通の魔法使いという部分が気になった


「普通?種族は魔法使いじゃないってことか?」

「そっ、私は人間で魔法使いだぜ」

「なるほどね」


そう言いながら、魔理沙は蒼尾の隣に腰掛けた。蒼尾も座り直し、3人は並ぶように座った。

が魔理沙の視線は、蒼尾の金色の7本の尻尾に注がれていた。


「なんだか触りたくなるそうな尻尾だな」

「それは私も思ったわね。本当に触り心地良さそうだし」


霊夢も気づけば蒼尾の尻尾を見つめていた。蒼尾は少し擽ったそうに体を捩る


「まあ、母さんと同じ尻尾で自慢の尻尾だよ。手入れも欠かさずにしてるしね」

「ふ~ん・・・触ってみても良いか?」


魔理沙は手を開いたり閉じたりしながら尋ねた。蒼尾は少し笑って口を開いた


「勿論良いよ」

「おっしゃぁ~!!」


そう言って魔理沙は、尻尾を勢い良く触った。その時、魔理沙の身体に電撃にも似た

心地良さが身体に駆け巡った。


「あぁぁ・・・」

「ま、魔理沙?」


霊夢は尻尾に触った瞬間、魔理沙の顔が崩れ、昇天するかのような快感を感じているような

顔をしている為、驚きを隠せていない。


「あぁぁ~・・・なんだこの温もりは~・・・この触り心地最高だ~・・・」


遂に魔理沙は、尻尾に抱きついてそのまま顔を尻尾に押し付ける。蒼尾は予想以上の

反応に軽く驚いている


「ありゃりゃ、腑抜けになっちゃったよ。どうする?霊夢ちゃんも触るかい?」

「え・・・ええっと、ちょっとだけ・・・」


霊夢は我慢出来ずに蒼尾の尻尾に触れた。霊夢も異常な快感に襲われるが、魔理沙の様には

ならずに正気を保ち、撫で続けた。


「とても・・・気持ちいいです・・・///」

「はふぅ~」

「そっか」


そして、3人はしばらくその状態でいたという・・・


「ハッ!!?誰かが蒼尾の尻尾に触れているだと!!!??おのれぇぇええ!!!!

蒼尾は私の宝だぞぉぉぉおおお!!!!!!」

「ゆ、紫様・・・藍様が怖いです・・・」

「橙、安心しなさい。私も少し引いてるわ、ここまで親バカだと流石に引くわね」

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