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蒼尾 異変を初体験

八雲亭 蒼尾の部屋


「・・・漸く帰ってこれた~・・・あ~♪」


白玉楼での修行を終わらせて漸く自宅に戻る事が出来、自室のベットに倒れ込むように飛び込む蒼尾。白玉楼では幽々子に妙に熱っぽい視線で見られたり、妖夢は惚けたりと色々と大変だったが蒼尾本人は良い経験が出来たと喜んでいた。だが疲れが溜っていたのか、ベットに飛び込んだ


「あん♪」

「・・・え?」


蒼尾はベットに飛び込んだのと同時に妙に色っぽい声がしたので、掛け布団を捲ってみると・・・


「なぁああああ!!!!???」

「全く・・・強引だな蒼尾は」

「何やってんだよ母さん!!?」


母である藍が妙にうるんだ目で布団の中に隠れていたのだ


「蒼尾が居ない間は寂しくてな・・・それでこの布団に潜り込んで寂しさを紛らわせていたのだ」

「はぁ・・・通常運行で何よりです・・・だったら」


蒼尾は藍をお姫様だっこの要領で持ち上げて、自分の正座した膝の上に藍の頭を乗せた


「そ、蒼尾・・・」

「昔良くやってくれたよね膝枕。膝くらいなら幾らでも貸すよ」

「全く・・・それでこそ私の息子だよ・・・それで寝る前に私がやった様にキスしてくれると良く眠れると思うんだが」

「・・・そこまで望むか」


蒼尾は藍に言葉に呆れながらも自分に藍がやってくれた様に額にキスを落とした。

藍は蕩ける様な満足気な表情を浮かべて目を閉じた。少しすると藍の静かで穏やかな寝息が聞こえる様になった。蒼尾は何時も活発で自分に妙に構ってる母が穏やかに眠っている姿を物珍しそうに見つめる


「こうしても見ると母さんってすんごい美人だよな・・・髪も綺麗だし・・・」


蒼尾は藍の頭を撫でながら呟く。綺麗で艶やかな髪、自分とは違い短めに整えた髪。そして可憐で凛々しく、美しい顔。正に傾国の美女だ、そんな藍を見つめていた蒼尾は何故か心の奥が騒ぎ始めた


「何でだろうな・・・こんな思いしなきゃならないんだ・・・ったくどうかしてるな俺も」


蒼尾は頭の中に蔓延っていた思いを振り切って藍が気持ちよく眠れる様に尻尾を上手く回して、尻尾を布団の様にして藍の下に差し込みようにした。蘭は更に気持ちよさそうな顔で眠り始める


「・・・」


蒼尾はいきなり立ち上がり、尻尾に藍を乗せたまま縁側に出る。すると紅い霧が蔓延していた。そしてその霧を吸うと何故か気分が舞い上がり、興奮気味になる。蒼尾はそれを押さえつけ、正気を保つ


「心躍るなこの霧は・・・妖怪である母さんの血が呼応しているのか・・・良いぞ良いぞ良いぞ良いぞ。だがこの霧では不完全だ、この霧を一点に集めて吸収すれば完璧な妖怪になれる筈だ。夢にまで見た完全な妖怪体へと」


蒼尾の夢、それは母と同じ妖怪と言う存在への完全昇華。その為に様々な術式や呪い、魔法魔術などを学んだ。だがそれには自分に適して魔力と膨大な力が必要となると解った。そんな膨大な魔力を準備するなど出来る物ではない。だがこの霧は蒼尾の身体に適応している。この霧を使う事に蒼尾は決意した。蒼尾は一旦部屋に戻り、藍を自分のベットに優しく寝かせて布団を掛けてやる


「待っていてくれよ母さん、俺は貴方の息子として相応しい妖怪という存在になれる時が来たんだ。そうすれば俺は母さんを守れる。何時までも俺は守られる側じゃないんだ、今度は俺が母さんを幸せにする」


そう言ってベットから離れて部屋に置かれている机の引き出しから、大きな箱を取り出しをそれを開いた。そこには輝く銀色と光を吸い込む様な黒色をした大型の拳銃だった。それを懐にしまい、マガジンを幾つか持って八雲亭を出る蒼尾。そして


「紅き霧を起こせし者よ、そなたには感謝する。そして一つ望みを言え、その望みをかなえてやろう。さぁ永遠に幼き紅き月の吸血鬼よ!望みはなんだ?」

『・・・いきなり凄い事をしてくる物ね、この私に念話をしてくるなんて』

「造作も無い事だ」

『そうね、貴方のレベルなら簡単ね。じゃ妹の相手をして頂戴。貴方が勝てるレベルではないだろうけど』

「良かろう」


そう言って薄ら笑いを浮かべながら蒼尾は浮き上がる


「汝の願い、叶えてやる」

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