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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

後味の悪い魚

掲載日:2026/04/18

 とある国の漁村では、年に1尾だけしか捕れないとても美味なタマイオと呼ばれる魚がありました。漁村の漁師たちは毎年総出で船を出し、村の皆でタマイオを食べ豊漁を祈願していました。

しかし、いつしかタマイオを王様へ献上することとなり兵隊がタマイオを取り上げていくようになったのです。


 ある年、タマイオ漁の前日に、当日は嵐が来るので漁を延期しようと漁師たちが話し合っていました。するとその部屋に兵隊がむっとした顔で怒鳴りながら入ってきました。

「陛下の代替わりがあった。新しい陛下はこの村に来てみたいと仰せられた。嵐だろうが船を出し必ずタマイオを用意するように!」

初めて王様の代替わりを知った漁師たちは恐ろしい癇癪者を思い浮かべ、当日の漁を決行することにしました。


 嵐の中、幸運にもタマイオ漁で犠牲者は出ませんでした。無事にタマイオは取れ、次の日、王様がやって来ました。

 王様は大人しい人でした。村を興味深げに見回ると、村の祠について尋ねました。村人は祠には漁師や魚の霊を祀っていると説明し、また祠にはタマイオを皆で取り、皆で食べる習わしがあったと言いました。


 王様へタマイオを献上する宴が開かれた時、王様は言いました。

「タマイオはこの村の人のものだ。今年からタマイオの献上は禁止とする」

村人たちは喜びました。タマイオを厨房に下げた代わりに精いっぱいのもてなしを王様にしました。

 王様たちが帰った後、村ではタマイオを昔のように皆で囲み、久しぶりの美味を喜んだのでした。


 しかし翌年、兵隊はまたやってきました。王様の意向とは関係なく自分たちでタマイオを奪って食べたかったのです。兵隊は持ち場を離れて非公式に村へやってきていたのでした。村人たちは、タマイオとよく似た毒魚を用意しました。そして兵隊に渡すと、兵隊はもがき苦しみながらふらふらと海へ落ち、二度と帰っては来ませんでした。


 その年、タマイオはいくら探してもゴミしか釣れず、タマイオが釣れたのは村人が兵隊の墓を立てて兵隊を供養してからでした。しかし釣れたタマイオは美味なれども後味が悪くなってしまったといいます。

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