表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/58

55 フェニックスの眼

○【世界衛生ウイルス研究所、別棟格納庫べつむねかくのうこ瓦礫がれき



 月光、斜めに宇宙そらへ。

 蒔絵まきえより抜けでたかのごとく。

 一筋ひとすじ閃光せんこうを写し出し。

 朱金しゅきんの尾を引く不死鳥フェニックスは――――


 ギヨティーヌ一行いっこうが、ケモイチ村へもどるべく集まりし、


 ❝恐怖の大王❞ の災害に見舞われ、その権勢けんいを誇った世界衛生ウイルス研究所が、いまや廃墟はいきょと成り果てる、別棟格納庫べつむねかくのうこ瓦礫がれきと化した小高こだかき中心へ、


 熱気を帯びた風と共に。

 虹色のつばさをを静かに広げて舞い降りる。


 そこでは、ソフィー・シューが自らの ❝魔眼まがん❞ を駆使くしし、魔法防壁まほうぼうへきで被害をけながら、

 敵の魔術師ゴンタセスの構築こうちくした、転移てんい魔法陣まほうじん❂を維持すべく、魔力注入まりょくちゅうにゅうし続けていた。



 遠くケモイチ村では、ギヨティーヌたちの帰りを待つマノン・マドレーヌの、不死鳥フェニックスのアホ毛は逆立ち虹色へきらめく。

 マノンの瞳もまた金色に淡くまたたいて、視界は二重に重なり、現実の村の風景ふうけいとフェニックスの眼前に広がる研究所跡の光景こうけいが、同時に流れ込む。



マノン

「あっ、お師匠さま、ご無事で良かったです……」



 と、すでにフォルム・ドゥ・ワンワンを解除かいじょした、

 マノンのひとごとが、ギヨティーヌ・タタンの耳へ飛び込んだ。



ギヨティーヌ

「マノンさん、そこにいらっしゃるの?!」


マノン

「えっ? お師匠さまの… 声が聞こえます!

 … すごれましたよ、空も光って! もう朝がきたのかと思いました!」


ギヨティーヌ

「恐怖の大王さんが目を覚ましたりしましてね、中々お強かったですわ。」


ソフィー

「❝お強かった❞ どころじゃない! 天地がひっくり返るかと思ったんだからなっ!!」



 師弟の会話に待ちきれず割って入った、帝立レネット魔法学院の最年少教師にして、ギヨティーヌの幼馴染おさななじみの女の子、ソフィー・シューは、横へ伸びたお耳をピコピコさせながら、

 眼帯を上げ、左眼ひだりまなこの『九曜魔眼くようまがん』を啓《ひらくとまばゆひらめかせた。



ソフィー・シュー

鑑定かんてい!」



  鑑定結果 —【霊鳥:フェニックス】


▶種別: 神獣/高次魔性生命体

▶階位: 伝承級

▶材質: 魔炎素

▶魔動炉構造: 魂核ソウル・エンバーを中心とした三層式魔動炉・第1層:永燃炎核/第2層:再生環/第3層:聖属性魔力循環せいぞくせいまりょくじゅんかん

▶魔力制御: 極高精度。生命・火・天光てんこう属性を自在に混合し、瞬時に高位魔法へと変換可能

自動制御領域が広く、意思と連動した魔力の自動再生を行う

▶防御: 不死性/高熱耐性/聖属性防壁/飛行時、灼熱しゃくねつの尾羽による熱障壁が発生

▶攻撃手段: 天炎衝/羽雨炎撃/浄化烈光/転生炎嵐

▶弱点: 闇・無の系統による存在干渉攻撃/魂核を封印されると再生が阻害される/再生直後の一瞬だけ魔力安定が未完了でもろ

▶装備: 装備を必要としない固有存在のため、常時無装備



ソフィー・シュー

「ほっ、本物のフェニックス!…… いったいこれは、どんな仕組みで…

 説明してもらおうじゃぁないか、ティティくん!」


ギヨティーヌ

「〈弱点:再生直後の一瞬だけ魔力安定が未完了で脆い〉なるほどぉ。

 封印されてたんですのよフェニックスさま! ココがね〜 弱点でしたのねぇ。ぅんぅん、なるほど〜〜」


ソフィー・シュー

「へー、そお何だ〜、勉強になるなぁ〜〜

 って、ちが〜〜〜〜〜う❗」



 ソフィーは派手に両腕を横へ振って、突っ込む。



ソフィー・シュー

「だから説明を!」


ギヨティーヌ

「説明と、言われましてもネ〜

 マノンさんは、フェニックスさまの見えてる物が見えますのよ。」


マノン

「すごい、本当に会話できちゃってるんですね。えへへ、」



 ギヨティーヌがよく見ると、マノンの声はフェニックスのさえずりで、それが愛弟子まなでしの喋り声に、聞こえるようだ。

 これまでも、フェニックスの見ている景色けしきを、マノンが共有できるのは、知っていたし、とっくに驚いていたのだけれど…

 会話までも可能になるとは……



ギヨティーヌ

(…… 恐ろしい子!!)



 ギヨティーヌは、驚きのあまり思わず白目アホ顔になった。

 フェニックスを仲介ちゅうかいする通信つうしんが、魔法・魔術でできることなのだろうか?

 魔法学院まほうがくいん教員であるソフィー・シューは、どう考えているのだろう、と… 彼女を見やれば、


 ( ;⁎꒪д꒪) ... やっぱり白目である。



ソフィー

「❝えへへ❞ じゃ無いぞきみ

 フェニックスを媒介ばいかいにする遠隔通話えんかくつうわなど、聞いたことがあるか?!」



 ソフィー・シューは静かに息を呑み……



ソフィー

「… マノンくん、と呼ばせてもらおうか。

 きみの能力は、るいを見ないモノだ。是非ぜひ帝立ていりつレネット魔法学院まほうがくいんに来ないか!」


マノン

「えっ、わたしがですか?!」



 マノンは戸惑いの声を上げるが、ソフィーは力強くうなずく。



ソフィー

「もちろんだ、君の ❝フェニックスの眼❞ は研究するべき価値があるな。何より、きみ自身じしんのためにも――――」



 キィィィガァァァァァン!!


 フェニックスは、奇妙な荒々しい鳴き声を上げ突如として羽ばたき、空高く飛翔ひしょうした。

 周囲の空気が一瞬、大きく揺れ、ソフィーの維持する召喚しょうかん✪魔法陣❂は、帰還をうながし光を増して行く。



ギヨティーヌ

「皆さん、ケモイチ村へ急ぎますわよ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ