45 タコが言うのよ〜
○【ケモイチ村、集会所】
マノン・マドレーヌが村の集会所へ、救援をもとめに到着すると、地味目な眼鏡メイド姿のアルコルちゃんが、タコ魔物 C:。彡 を抱っこして、待っている。
彼女たちもウォーウイルスに感染した村人を、サラマンダー・パウダーで治療していたのだ。
集会所は、感染した村民の医療救護所として、数部屋に数名ずつを寝かせることにした。
マノン
「アルコルさま、」
アルコル
「マノンちゃん、無事なのね!」
マノン
「ありがとうございます、ご心配いただき、アルコルさま。」
アルコル
「マノンちゃん、❝さま❞ なんてやめてよぉ。」
マノン
「そお… ですか?
トロールさんたちの具合いはどうでしょうか、アルコルさ、さん……」
アルコル
「❝さん❞ もダメぇ❤
ウォートロールたちは、サラマンダー・パウダーの効果で、元のトロールにもどって、
体力があるのね〜。トロールの丘へ夜の内に帰ろうってなってるわよ。」
マノン
「… 良かったです……
ありがとうございました、アルコル… ちゃん。」
アルコル
「よし✨❤」
馬防柵でケモイチ村を通り過ぎさせ、ベイト・ノワール渓谷へ行かせたウォートロールたちも、触手大帝タコシャチョー C:。彡 C:。ミ ひきいるタコ魔物たちが、やはりサラマンダー・パウダーで治療している。
馬防柵に取り付いた周辺のウォートロールも、数体のタコ魔物たちにまかせたし、ロールのパンデミックは、終息状態にあった。
だが一息ついて❥アルコルちゃん★彡は、妙なことを話し出す。
アルコル
「…… でもね、
タコが言うのよ〜 ウイルスと自分たちは、似たもの同士だから、意思疎通が出来るんだって。
ウォーウイルスは人為的に操作されて、細胞にクッ付き安く機能獲得されたって。
タコが言うの、ウォーウイルスの言い分もわかるって。タコが泣くのよ〜」
タコ魔物
「ウイルスが気の毒タコ〜」
タコ魔物たち
「そうタコ、そうタコ。」
救護を手伝うタコ魔物たちも、合いの手を入れた。
マノン
「そんなことが… お気の毒ですねぇ、」
村人 アラン
「遺伝子操作だね。機能獲得研究をやっているのは… そうか『WHVI』、世界衛生ウイルス研究所か! あいつらはそれで……」
マノン
「お師匠さまたちは、その世界衛生ウイルス研究所に、乗り込んで行ったんですよ!」
アルコル
「えぇ?! そうだったのぉ?…」
(良かった、マノンちゃんが行かなくて、)
タコ魔物
「そうタコ、世界衛生ウイルス研究所タコ!そこの所長が、ウォーウイルスたちを作らせたタコ!
所長の名前は…… 何タコ? うん、うんうんうん。
ベ・ラ…… ベラ・マ・ル・グ・ヴェ・ン……… タコ!!」
村人 アラン
「なんだってェ?!……
あぁ、ベラ… 何をやってるんだッ!…」
アルコル
(ベラ… マルグヴェン……)
❥アルコルちゃん★彡の表情が、さらに曇る。
マノン
「…… マルグヴェン… さま?! ですか…」
アルコル
「だから、❝さま❞ は付けちゃダメっ!」
タコ魔物
「2人とも、研究所を知ってるタコか?!」
村人 アラン
「いや… 何と言えば良いのかな…… 説明は難しいんだが、
… わかる… わかるよ……」
アルコル
「あたしは、知らないはっ!」
そう言い❥アルコルちゃん★彡はチラと、マノンの方を見て目をふせた。
○【ケモイチ村、倉庫内】
魔術師ゴンタセスをはじめ、世界衛生ウイルス研究所から、送り込まれた魔術師たちは、
吸血鬼ヴァンピール✴文曲の、魔法で吹き飛ばされ、生死不明となっていたが、
しつこくも、ケモイチ村の外れの倉庫内に、息を潜めている。
その、魔術師ゴンタセスの瞳は暗く濁り、世界衛生ウイルス研究所の所長、ベラ・マルグヴェンから赤き光の念波が飛ぶ。
ベラ・マルグヴェン所長
「魔術師ゴンタセス、ゴンタセス、やりなさい。その村にはアノ人が、あの娘がいるはずだ!」
魔術師 ゴンタセス
「―――― 分かりました、ベラさま……
もう、魔力も残り少ない… であるが、お前たちの生命を持ってすれば、召喚魔術も可能だなぁ。」
魔術師たち
「待ってくれ〜 ゴンタセス〜! 待て〜〜 ゥアアァァァァァ……!」
ゴンタセスは、残り少ない魔力を補うため、他の魔術師を攻撃魔法で、次々と2つへ引き裂き生贄にすると、
その血液で召喚✪魔法陣❂を描き、稼動させて逝った。
魔術師 ゴンタセス
「我は求め訴えたり! 召喚、闇の娘よ!!
キチベンヂボレボキン、キチベンヂボレボキン… クコリ!」
○【世界衛生ウイルス研究所の正面】
その身の鱗1枚1枚へ電気が走り、周囲に不安定な閃光を散らす、巨大なとぐろを巻きし化け物を、正面に対峙する。
美麗にして鋭く、複雑な造形の頭部に生えた角が点滅し、目の前は真っ白となり、
人狼ルー・ガルー、貪狼
「薔薇結界✿!」
人狼は薔薇結界✿を張ると同時に、飛び退くと、爪先寸前の大地は焼け焦げ、煙は上がり、一面に嫌な臭いでむせ返った。
貪狼
「ふぅ〜 やるなぁ、カワイコちゃん❤」
化け物彼女
「リュリュリュリュゥゥゥゥゥ!!」
貪狼
「聞こえる、聞こえる。君の憎しみに悩む叫びが、君の愛に苦しむ嘆きが。」
人狼ルー・ガルーの貪狼は、元・化け物彼女の、
雪兎ちゃん
「 ꒰⑅꜆ᐢ ᎔ . ᎔ᐢ꜀꒱ うさうさ! うさうさ!」と、
アヒルちゃん
「 (∩o・Θ・) あひー! あひー!」を左腕で抱っこして、
右手のフレンチ M1777 フリントロック、スチームパンク黄金銃の撃鉄を起こして行く。
その時、大きくとぐろを巻く化け物彼女の周囲に青白き✪魔法陣❂は現れ、
あたかも、時の流れを逆行するかのように、一瞬にして彼女の姿を消し去ってしまった……




