43 改良強化新型
○【世界衛生ウイルス研究所、別棟格納庫、人間砲弾前】
人間砲弾の砲身に、砲弾として装填されるギヨティーヌ・タタンは、ソフィー・シューへ質問した。
ギヨティーヌ
「フィーさん、フィーさん。ゴーレムはどうなってますの? 重要部分の位置とか。」
ソフィー
「あの青い奴か!」
ギヨティーヌ
「そう言われれば、1体だけ青いのが…」
ソフィー
「まかせておきたまえ、ティティくん! ふっふっふっふっふぅ〜
開眼せよ、世界を呑み込む禁忌の瞳――――」
ソフィー・シューが左目の眼帯を外すと、左の眼は見在を指し示す。
ソフィー
「千の時を越え封印されし九曜の魔眼、今ここに顕現すッ。」
ギヨティーヌ
「わぁ、スゴ〜い (*´꒳`ノノ"☆パチパチ パチパチ〜」
ソフィー・シューは、左手を左眼の前へあて横Vサインを開くと、火眼金睛にして九芒星の ✪魔法陣❂ が刻み込まれ、日月の如くなる『九曜魔眼』は啓き煌めいた。
ソフィー
「鑑定!」
鑑定結果 —【機動魔造体:ゴーレム】
▶種別: 魔造非生命体
▶階位: 中位魔獣級・改良強化新型
▶材質: 魔鉱物合金・封呪粘土・黒曜核
▶魔動炉構造: 五芒星式魔導陣(胸部埋込型)
▶魔力制御: 黒曜擬似魂核
▶防御: 物理耐性/魔法耐性:聖属性に弱点
▶攻撃手段: 肉弾戦特化/圧壊・衝撃・踏潰し
▶弱点: 擬似魂核・後方リュックサック接合部・高熱魔法
▶装備: 魔動機関銃/魔鉱物加熱斧/電磁鞭
ソフィー
「魔動炉を破壊すると、大爆発を起こすから、注意してくれたまえ!」
ギヨティーヌ
「本当に便利ですのね〜 空中に映し出されるなんて。
塵塚怪王の、オバさまから頂いたんでしたっけ?」
ソフィー
「❝おねえさま❞ から、もらったんだ!
発射ぁ〜〜〜〜〜」
ギヨティーヌ
「魔動の匂い染み付いて、む・せ・る〜〜」
○【世界衛生ウイルス研究所、敷地内上空、雲の切れ間より月】
空へ広がる、黒鉄のように重き雲の裂け目から覗く、月光がとどき照らし出すその、地響きの正体はすでに明らかだ。
谷の向こうから。奴だ、奴が来る―――― 無数のゴーレム!
ギヨティーヌ
「旧○ク みたいな渋い外観ですのね、モノアイですし。
ゴーレムの魔動炉の位置は胸部、弱点はリュックサック接合部、ですわね。
機関銃、射ってきましたわ! おほほほほ、おほほほほ」
タンタンタンタンタンタンタン――――
ギヨティーヌの身体が、翠玉色へ光り煌くと、
燻し銀の両肘から繰り出す、上へ突き上げるエルボー・スマッシュが、
機関銃の弾丸を次々と、打ち上げて征く。
ギヨティーヌは、わずかチャージタイム1ミリ秒で奥義詠唱を完了する。では、奥義プロセスをもう一度見てみよう。
ギヨティーヌ
「煩悩具足の凡夫、火宅無常の世界は、万のこと皆もって、空事、戯事、真実あること無し。
奥義『煩悩具足』!」
―――― タンタンタンタンタンタン!
火線が走り、
機関銃を射ってきたゴーレムの胸部へ一撃!
ギヨティーヌは、飛んで来た勢いそのままに、左の拳を突き入れ、
向こうへ抜けて、風穴が開いたかと思うと、激しく燃焼し爆発飛散した。
爆風へ身を任すギヨティーヌへ、
他のゴーレムの鈍重な巨体が、予想より早く反応する。
青い奴だ!
バイィィィィンーー
ブウゥゥゥゥ〜〜〜〜〜ン!
電磁鞭は唸りを上げ、
ギヨティーヌは右のハンマーパンチで、鞭の先を叩き落とし、
メインカメラの側頭部へ、ローリング・ソバットを打ち込む。
激しく横を向いたメインカメラは、首の接合部から千切れて、後方のゴーレムへ直撃した。
後ろのゴーレムはバランスを崩し、仰向けに倒れ、
周辺のドラム缶パワードスーツを巻き込み、視界は火花と煙で満たされ、
メインカメラを失ったゴーレムは、むやみやたらに機関銃を撃ち始めるものだから、そりゃぁもう大騒ぎさ。
機関銃を乱射するゴーレムの肩へ降り立ち、満面の微笑みと、悪い顔を以てその口から、笑声を響き上げるギヨティーヌ。
ギヨティーヌ
「なんて面白い乗り物、なんて楽しい、
お〜ほっほっほっほっほっ、おぉ〜ほっほっほっほっほっほっ!」
バイィィィィィィンー
加熱斧を持つゴーレムが迫り、
ギヨティーヌ目がけ振り下ろされた斧を、ひらりと跳んでかわし、
刃はゴーレムの肩へ食い込み、それを持つ腕を駆け昇って、ゴーレムのメインカメラの横っ面へ、右のブーメランフックをかます!
首の継ぎ目が悲鳴を上げて捥げ、クルクル飛んで逝き、倒れていたゴーレムが、起き上がろうとするところへ命中、またも尻もちをついた。
タンタンタンタンタンタンタンタン!
機関銃を撃ち続けるゴーレムは、肩に加熱斧を刺したまま、メインカメラを無くしたゴーレムを、近距離から放つ弾丸で貫き爆散させる。
機関銃を撃ち尽くし、肩の加熱斧を、ゴーレムは力まかせに引き抜き、
メインカメラも無く、加熱斧を振り回すだけだ。
そのゴーレムへ、ギヨティーヌはドロップキックを決めて、他のゴーレムへ追突させ、将棋倒しにした!
ギヨティーヌ
「欲しいですわね〜 コレ、1体くらい何とかなりませんかしら。」
戯れるように独り言ち、彼女は新たな、機関銃を持つゴーレムの、メインカメラヘ飛び乗ると、半跏の姿勢でバランスをとり、固定用の穴へ指を引っ掛けて、
まるでロデオのように、機体を乗りこなすギヨティーヌ。
背後では、電磁鞭を振り回すメインカメラの無い ❝青い奴❞ が、無秩序に暴れている。
ギヨティーヌは軽くため息をつくと、そこへ――――
走って来た巨人ジェアン❇巨門が、首無し青ゴーレムをショルダーチャージで吹き飛ばし、
白いドラム缶パワードスーツを、次々とウイルス研究所へ蹴り込みながら、
体育座りの紫微大王を肩へ乗せ、ゴーレムのメインカメラをドリブルしながら駆けて征く。
巨門
「俺たちは最強のチームだ! シュナイダー・パーンチ‼」
ギヨティーヌ
「巨門く〜ん、がんばって〜〜!」
巨門
「ありがとう。俺、一発決めるよっ❕
いっくぞ〜〜〜〜〜 あしたへ向かってシュート‼」
ギヨティーヌ
「燃えて燃えて、巨門くんがゴールを目指してますわ〜〜
あら、✦禄存さんと、⚔武曲さんが、飛んで征きます〜
次は、廉貞さん、文曲さん、破軍さん… は透明で判りませんわね……
あらクロさま。」
クロ・ド・プラチナ
「ソフィーたちは、転移✪魔法陣❂の維持に、格納庫へ残して来たが、
ケモイチ村のマノンたちは、大丈夫であろうか?」




