39 ハート♥キャッチ
防護服の者共は、その格好には似つかわしくない、蒸気を吹く魔動拳銃を、チラつかせたかと思うと、廉貞たちサラマンダーへ、いっせいに発砲してきた。
青銅の少年、廉貞
「念力〜」
数発の銃弾は、水中へ発射されたかと思われるような、波紋を広げて空中で静止する。
いつもなら、その銃弾を相手へ撃ち返す廉貞だったが、
ギヨティーヌの言葉を思い出す……
ギヨティーヌ
「良いですか廉貞さん、くれぐれも村の中で、騒ぎを起こさないように。」
青銅の少年、廉貞
「わかったの〜」
と、返事していた、
青銅の少年、廉貞
「(; ゜д゜) はっ?! いけないの〜」
サラマンダーの一振りで、建物もちょっと壊しちゃったし。ちょっと焦って、銃弾はその場へ落とす廉貞。
また撃って来た。「念力〜」で止めて落とす。これを繰り返すのも、もう面倒くさいからサラマンダーの前足で、「やめなさい!」しちゃおうかなぁー、とも考えたけど、グロいことになりそうだし〜〜
青銅の少年、廉貞
「念力〜」
魔動拳銃を念力で、防護服の者共から取り上げて仕舞う。
中にはしつこく拳銃から手を離さず、横に振っても上へ持ち上げても、ぶら下がり頑張る研究員も2人いて、
防護服で拳銃へぶら下がる研究員 A
「なんだ、この野郎ー! なんだ、この野郎ー!」
と頑張るから、
巨大サラマンダーが、その顔を近付けて、ベロリと一舐め、
防護服で拳銃へぶら下がる研究員 B
「ふぁ〜やめろ〜〜 食べないで〜 」
サラマンダーがそのまま鼻息を吹けば、1人は魔動拳銃から手を離し吹き飛ばされた。
しかし鼻息でも、頑張るもう1人は、埒が明かないので。
いっそ、念力で心臓でも掴んで… いや微妙な調節が、効かないの〜… ならば、
青銅の少年、廉貞
「⁽⁽꜀(-д-꜀ )~₎₎ 憑依、解除〜」
廉貞が、❝恐怖の大王 (青銅の少年像)❞ への憑依を辞めると、青銅の少年はただの少年像になり、サラマンダーの頭の上で、バタリと眠るように仰向けに倒れた。
廉貞
「⁽⁽~( ꜆-д-)꜆ ₎₎ 憑依〜 ハート♥キャッチ」
防護服で拳銃へぶら下がる研究員 A
「うっ!……」
流石に気絶して、落ちる防護服の研究員。
廉貞
「憑依〜 ハート♥キャッチ。憑依〜 ハート♥キャッチ」
防護服の研究員
「ぁあっ……」
防護服の研究員
「ふぁぁぁ〜」
防護服の連中は次から次へと、廉貞に「憑依〜 ハート♥キャッチ」され、胸をおさえて気を失い倒れて行く。
その時、サラマンダーの頭上の、青銅の少年像の閉じていた瞼が、カシャっと開いた!
ウミヘビ、アルファルド
「ドナートさま、ドナートさま…」
恐怖の大王 (青銅の少年像)
「… 吾輩を呼ぶ声が……」
廉貞の憑依〜に、封じ込められていた ❝恐怖の大王❞ が目覚めようとしているのだ。
慌てて、青銅の少年像へ、再び「憑依〜」する廉貞!!
❝恐怖の大王❞ は、未だ目覚めていない……
ウミヘビ、アルファルド
「ドナートさま…
阻害されたかっ。また、次の機会がある――――」
青銅の少年 (恐怖の大王) 廉貞
「⁽⁽꜀( >ᯅ<)꜆՞՞՞ 危なかったの〜 セーフ、セーフ!」
○【ケモイチ村の夜、上空】
ギヨティーヌ・タタンは、クロ・ド・プラチナに乗り、ケモイチ村の上空より、紫微大王と、マウンテントロールのやり取りを見ていた。
ギヨティーヌ
「紫微大王の〈はったり〉も、ここまで来ると中々のモノですわぁ。」
そしてその眼に、ケモイチ駅へ向かって走る列車が映る。
ギヨティーヌ
「これが本物の、救援隊ですのね。」
○【ケモイチ駅行、ターラーラヤ山脈 山岳鉄道に並走】
クロ・ド・プラチナが列車へ近付き、空中を並走しながら、様子を伺うと、
列車の貨物台に積んだ、トラックの窓を開ける耳長族の女の子が、声をかけてきた。
ソフィー・シュー
「ティティくん! あれは何なんだ? 山が動いているように見えたが……」
ギヨティーヌ
「フィーさん、ごきげんよう。あら、山が動くなんて気のせいですわ。
そんなことより、しばらく見ない間に、また一段と、小っちゃくなったんじゃ、ございませんの?」
ソフィー・シュー
「小っちゃくないよ!… き、君こそ、また一段と、非常識な物に乗ってるじゃぁないか、宙を翔ける馬とはな!」
ギヨティーヌ
「クロ・ド・プラチナさまですわぁ〜。
クロさま、こちらは、わたくしの幼馴染… と紹介するよりも、今は ❝帝立レネット魔法学院❞ の教師ぃと、ご紹介した方が良かったですわね。」
ギヨティーヌがクロ・ド・プラチナの、首の付け根を撫でると、クロ・ド・プラチナは、うなずいてみせる。




