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30 ケモイチ村への道

○【ケモイチ村への道すがら】



 ❝恐怖の大王 (青銅せいどうの少年像)❞ を乗せて出て来た、大きなサラマンダーの頭へ、サラマンダーの脱いだ革をき、

 マノン、ギヨティーヌ、恐怖の大王 (青銅の少年像) に憑依ひょういした廉貞れんていの3名が乗り。

 クロ・ド・プラチナは、地味目じみめなメガネ・メイドの❥アルコルちゃん★彡を乗せ。

 その他の大勢は、巨人ジェアン❇巨門こもんが運び、ケモイチ村への道のりを急ぐ。



ギヨティーヌ

「先ず、ターラーラヤ山脈は、その上に浮遊ふゆうする、聖地せいち『デーヴィーマーター』から落ちる滝を見てもわかりますように、

 この辺り一体の、水源すいげんになる場所です。

 水源地を押さえるのは、と〜っても重要じゅうようなことですわ。」


マノン

「ケモイチ村にも川が流れています、塩水えんすいき出す井戸も有るんですよ!」


ギヨティーヌ

塩泉えんせんですわね! 塩を作ってますの?!」


マノン

「はい! 少しですけど作ってます。」


ギヨティーヌ

「塩泉で、塩を作ってるのは初耳でしたわぁ! 何に使ってるんですの? お料理とか?」


マノン

「お料理ですね、他には ❝虫除むしよけ❞ でしょうか。」


ギヨティーヌ

「塩で虫除けですか……」


アルコル

「虫除けって、どんなふうにするの?」


マノン

「虫がよく出る場所に、塩のラインを引いてバリアを作ります。

 植木鉢の周りとか、花壇のへりですね、玄関にも、」


ギヨティーヌ

(…… 来てほしくない所に、塩のラインを引いて… 玄関にバリアを作る…)

「ぅん〜〜 ✨ひらめいた✳

 クロさま、クロさま〜〜〜」



 ギヨティーヌはクロ・ド・プラチナに、なにごとか相談した。



ギヨティーヌ

「―――― まぁ、このようにですね、水源地すいげんちになるターラーラヤ山脈は、最重要地域さいじゅうようちいきなんですけれど。他にも、

 ターラーラヤ山脈の、東北とうほくの国境を護る難所なんしょが ❝ベイト・ノワール渓谷❞ なんですのよ。そして『デーヴィーマーター』をはさんで、

 西南せいなん側の国境の要衝ようしょうが、トロールさんたちの住まう ❝トロールの丘❞ になりますわ。


 ちなみに、浮遊する『デーヴィーマーター』をくぐろうとすると、姿を消します。どうなったかわわかりませ〜ん。


 ラ・キャン帝国の隣国がまだ、ロワ王国ではなかった、遥か昔のことになります。

 隣国の兵士たちが、トロールの丘へ侵攻しんこうして来たことが有りますの。」


マノン

「その話しは、聞いたことが有ります。」


ギヨティーヌ

「ケモイチ村ではかたがれていますのね…


 …… 兵士たちは気取けどられぬよう、深夜にトロールの丘を越えるべく、森をけようとしましたの。

 ですけれど、森に無断で侵入しんにゅうする者たちを、トロールさんたちは許しませんでした。


 自分たちの、生息地域せいそくちいきを荒らされた、トロールさんはいかり、岩を投げつけ、兵士をつかまえバラバラにして、森の木の枝に、吊るしてしまいましたの。

 そののち、トロールの丘から侵略しんりゃくしてくる者は、無くなりましたわ――――


 …… 他に、ケモイチ村の周辺で、何かに使えそうなモノは有りまして?」


マノン

「… ケモイチ駅の外れに、魔動列車まどうれっしゃを整備する場所があるんですが、

 そこに引退した ❝魔動蒸気機関車まどうじょうききかんしゃ❞ が昔から置いて有りまして。小さい頃から、みんなの遊び場なんです。」


ギヨティーヌ

「そんな場所があるんですのね。そうですか、引退した魔動蒸気機関車ですか……」



○【トロールの丘】



 もはや、トロールの丘に到着の忍者✦禄存ろくぞんが、丘の山頂にある、大木の上より物見ものみをしているところへ、

 追って到着の、侍⚔武曲ぶごくも合流した。


 高原の厳しい環境に放牧されるヤクが草をみ、のどかな風が香り立つ ❝クサジンチョウゲ❞ の穂をゆらす、トロールの丘の風景は。今や、まるで違った物へ変貌へんぼうしている。

 瘴気しょうきが空をおおい、黒い氷雨ひさめ静寂せいじゃくに降りそそぐ。地面は灰が積もったごとくすみ、無数の生き物の死骸しがい腐敗ふはいした臭いを放っていた。



武曲ぶごく

「聴いた様子とは、様変さまがわりしておる。」


禄存ろくぞん

「丘には、目に見える動く物はりません… しかし、森の中からは気配けはいが御座れば。」



 忍者✦禄存は低くつぶやく。

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