26 眠れる森の少年
マノン
「見える、見えます。」
ギヨティーヌ
「凄いですわマノンさん! 凄い、凄ォォォい!!」
ギヨティーヌ・タタンは感動のあまり跳び上がって、クロ・ド・プラチナに乗るマノンへ抱きついた!
牢獄の残骸からは、軛を失い興奮する、灼け焦げた大小のサラマンダーが、矢継ぎ早に姿を現すと同時に、静かな闇の底へボトボト落ちて行く。
ギヨティーヌは手を叩き、注目をうながして、
ギヨティーヌ
「はい皆さん。サラマンダーさんは、とっても良いお薬になりましてよ。
はい、脱皮の革を見つけたら、それを手袋にして、サラマンダーさんを、こお捕まえます。こんな風、こんな感じで。皆さ〜ん〜上手い、上手い!
アルコルさん、ハイ四次元バッグ〜♪」
アルコル
「❥アルコル★彡のバッグに、勝手な名前つけないでよぉ。」
マノン
「あの… 落ちるサラマンダーたちは何処へ行くのでしょうか?」
マノン・マドレーヌは、伝染病が治せる望みを託す、サラマンダー捕獲に精を出しながら、疑問を投げかけた。
クロ・ド・プラチナ
「火の吹き出していた穴へ、通じているのかも知れぬな。」
ギヨティーヌ
「穴から出て来ていた、者たちですわね。」
クロ・ド・プラチナ
「だが我らは、時間を遡らねばならない。サラマンダーと同じで良いのか?」
マノン
「クロ・ド・プラチナさま、お師匠さま、今わたしにはフェニックスさまが見ている風景が、見えるんです。」
ギヨティーヌ
「なん、なんですってぇ〜?!」
ギヨティーヌは心底ビックリした。そしてマノンのアホ毛が、煌きながら、レーダーのようにクルクル回っているのを見て、さらに驚く。
クロ・ド・プラチナ
「己を開放せしマノンへ、フェニックスから感謝の証であるな。」
マノン
「フェニックスさまは、わたしの村…… ケモイチ村に向かって飛んでいます!」
ギヨティーヌ
「―――― 泉の反射面から森へもどって、フェニックスさんを追えば良いんですのね。マノンさん!」
マノン
「はい、お願いします!」
ギヨティーヌ
「聞いぃ〜たかタコ共、出番だぞ!」
タコ魔物
「タコ使いが荒いダコ〜〜」
と、口々にボヤくタコ魔物たち。
そこへ、ひときわ大きなサラマンダーが、横たわる少年の魔人像を頭へ乗せて出現した。
ギヨティーヌはサラマンダーの群れを、物ともせず飛び込み、そのまま少年を抱くと、
ギヨティーヌ
(一滴の血を、唇に注ぐんでしたわね…… ならば。)
かりっ――――
ギヨティーヌ・タタンは、己が下唇の端を糸切り歯で噛み切り、その傷口から零れる、血の一雫を、眠れる少年の唇へ口づけた。
マノン
「きゃっ❤(*ノ▽ノ*)」
マノンが恥ずかしそうに、小さな悲鳴を上げる。
少年像は12~3歳に見えようか。まつ毛も銀色の、ぱっつんストレートの長髪は、心臓部となる魔鉱石の発動と共に、その ❝魔素❞ へ反応して、静電気を帯びるが如く浮き上がり、バリバリと蒼白く輝いて、
皮膚は、黝く焼かれた青銅が、過ぎし日の発光を取りもどし、
少年は両眼をゆっくりと開け、上半身を起こしてゆく。
ギヨティーヌ
「この子、動くぞ!」
ギヨティーヌ・タタンは想わず漏らした。
しゅ〜〜、少年像は耳と鼻から、沸立つ蒸気を吹き出し。
瞳からは光を放って、辺りを明るく照らしだす。だが……
少年像は突如、宙へ昇ると、




