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21 初陣

 ―――― 泉の表面が静かに泡立あわだつ水鏡の底から、ぼこぼこと黒いあぶくふくらんではやぶけてねた。



ギヨティーヌ

「出て来ましてよ。特大とくだいのタコ!」


クロ・ド・プラチナ

「マノンよ、時が来るまでしばし待て。」


マノン

「わかりました、クロ・ド・プラチナさま。」



 マノン・マドレーヌは、クロ・ド・プラチナをり。

 クロ・ド・プラチナの ❝精氣せいき❞ から具現化ぐげんかした、銀色しろがねいろ投網とあみを右手へ巻き月光を揺蕩たゆたわせ、左手の三叉戟さんさげき武者震むしゃぶるいにつばり、黒鉄くろがねは火焔牢獄の赫奕かくやくはじく。


 大気がれ、湿気を多くふくむなまぬるい旋風せんぷうは吹き荒れ、いずみ一杯いっぱいになにかがい上がるような、嫌な感じだ。

 風を読みクロ・ド・プラチナが飛び退けば、そこへ列車の客車ほどある食手がぬるりと伸び、雲をたたいて蒸気が舞い散る。



死兆しちょう、アルコル

「クリエイトアンデッド&ストレングスアンデッド❥死配しはい❂ タコ魔物さ〜ん、あたしの下僕げぼくにな〜〜れ〜〜〜✨✨✨」



 紫微一族の紅一点こういってん。赤と黒と白フリルに、臙脂えんじ色の太ヒール、黒いレースタイツの絶対領域ぜったいりょういき

 いつもは地味目なメガネ・メイド。だけど、いざとなったら、❧ゴスロリ❦冥土めいどへ✾メタモルフォーゼ★彡

 屍体したいい部分を集めてつないだ、人造人間生体じんぞうにんげんせいたいバイオニクス、死兆しちょうのアルコルちゃんが、

 ✪マジカル❥アルコル★彡ステッキを、一振りすれば❂


 なんということでしょう。死んだはずのタコ魔物たちが、ニョキニョキっと、ギヨティーヌの背中から伸びて来るでは有りませんか。

 死霊しりょう魔法のたくみ『❧ゴスロリ❦冥土❥アルコルちゃん★彡』は、これからいったい、タコ魔物でどんな物語を、生むというのでしょう。



タコ魔物

「うわぁぁぁん、うわぁぁぁぁぁん!」


ギヨティーヌ

「うるさいですわ……」


タコ魔物

「うわぁぁぁぁぁぁん! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」


ギヨティーヌ

「…… うるさいですわ。」


廉貞れんてい

念力ねんりき〜」



 姿は見えねど直接脳内ちょくせつのうないへ、幽霊ゆうれいファントームである廉貞れんていの、覇気はきのない声が聞こえ。タコどもは、タコ風船のごとく舞い上げられた。



死兆しちょう、アルコル

「❧ゴスロリ❦冥土❥アルコルちゃん★彡の『✪マジカル❥アルコル★彡 異世界❧ゴスロリ❦死霊冒険譚しりょうぼうけんたん』はっじまっるよ〜〜〜〜〜✨✨✨


【第1章:死してなお踊れ⁉タコ魔物ナイトショー (-д☆)キラッ✨】


 この子たち、ちょ〜っとタコ焼き香ばしくて、動きもなかなかいい感じ♡

 さあ o(^-^o)(o^-^)o おどって、おどってぇ〜〜〜っ w(゜o゜)w

 そぉれっ♪( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆」



 ❥ステッキで★彡 クルクルっと、空間のエーテルをかき混ぜて一振り♪

 そら一杯に広がった、ぬるっぬる触手を持つ無数のタコ魔物。



破軍はぐん

Heyヘイ Yoヨー! パーリィーピーポー、聞こえるか!」


文曲もんごく

「ビート刻むゼ! みんなも燃える準備 OKオーケー!? 声出してけー!♬」


紫微しび一族

「ウェェェェェェー!」


破軍はぐん

「最強のノイズをくれー!」


紫微一族

「ウェェェェェェー!」


破軍はぐん

「よし、全部まとめてドカンと行くぞ! Clapクラップ yourユア handsハンズ (*´꒳`ノノ"☆パチパチパチ」


紫微一族

「(*’ω’ノノ"✧パチパチ ✧パチパチ ✧パチパチ」



 DJディージェー文曲もんごく♬と、

 MCエムシー破軍はぐんの、ダブルメガネと共にお贈りします✨✨

 アンデットと化したタコたちが、❥アルコルちゃん★彡の合図で隷従れいじゅうし、愉快けいかいにリズムを刻み始める。



クロ・ド・プラチナ

「ギヨティーヌが魔物を呼び出すのは、アルコルの能力のうりょくなのだな。」


ギヨティーヌ

「その通りでございますクロさま。

 死兆しちょう… さん、じゃなかった。アルコルさんが、わたくしの ❝魔力まりょく❞ を使って、紫微しび一族を使役しえきしているのでございます。」



 泉よりやっとのことで赤黒い腹を現した、巨大タコ魔物の、確認かくにんできる八つの横長の瞳孔は、おのおのグルグル動いて辺りを見廻みまわし、

 太い触手の一本一本の風を切りく音が、周囲しゅうい威嚇いかくしながら、身体中からだじゅうのそこかしこより、紫色の毒粘液どくねんえきで泡を吹きらし咆哮ほうこうした。



巨大タコ魔物

「グゥウアァァァァ!!」


アルコル

「次は、✪氷舞台生成こおりぶたいせいせい❂だよっ!」



 ❥アルコルちゃん★彡は何重もの✪魔法陣まほうじん❂を写し出し、次々に灯される明かりと、回転しながら雲を割り出現する氷舞台。

 これより氷上ひょうじょうにてお目にかけまする演目えんもくは、死霊タコ魔物たちのアイスダンスが、くるりと輪を描いて螺旋らせんにうねる。



クロ・ド・プラチナ

「出番だ、マノンよ。」


ギヨティーヌ

「マノンさん、ヘソの下に力を入れて、あとは ❝氣合きあい❞ ですわ!」


マノン

「はい! チェストォォォォォォ━━━!!」


ギヨティーヌ

「チェスト━━━━━!」



 ギヨティーヌ・タタンは、弟子の初陣ういじんを、人差指ひとさしゆびを突き上げ送り出す。

 マノンの髪が湿気しっけをふくんでうねり、瞳はするどく、

 泉からい上がる異形いけいの影を見定みさだめた!


 クロ・ド・プラチナはかすみごとく姿をかし、むちのようにうなりを上げる触手をくぐけ、瞬時しゅんじに巨大ダコの眼前へ移動すると、

 タコの巨眼きょがんはマノンのあとを追いにらみつけ、互いの視線がまじわる。


 巨大ダコの白眼しろめとまぶたのさかいから、紫の液体えきたいが飛び出した!

 涙が毒液どくえきとは流石さすが、タコ魔物の親玉だ。クロ・ド・プラチナがねて毒液をかわす。

 そこへ飛んで来る触手をすり抜けると、巨大ダコはみずからの顔を叩き、表情をゆがめ動きが止まった。


 マノンは疾走するクロ・ド・プラチナから、投網とあみを投げ放つ、あみは空中に咲く華のように大きく開き、巨大ダコの顔面へからみついて離さない。

 クロ・ド・プラチナがタコの左脇をねらい、一気いっきむ!



マノン

「セイヤァ━━━!」

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