2/18
2 ターラーラヤ山脈
○【ターラーラヤ山脈】
いよいよ、標高3000メートルを優に超え、空気は薄く極寒に氷結する『星の納まる場所』❝ターラーラヤ山脈❞ は幽遠の、
魔物が巣食うと云う『ベイト・ノワール渓谷』へ挑む。
このターラーラヤ山脈にこそ、我が祖国となったラ・キャン帝国の国教である、聖母教の総本山『デーヴィーマーター(母なる女神)』は在り、聖なる皇帝に当る ❝マハートマー❞ が御座します。
険しい山道の峠を越えると、宗教都市『デーヴィーマーター』は山脈の上へ浮遊し、融雪が清く澄んで落ちる滝は霧となり、虹を映し出す様子を目の当たりにして今、感激し決意を新たにしたところだ。
これより徒歩にて、ベイト・ノワール渓谷へ入るための最大の難所、かつて「火山神の心臓が落ちた」とも伝わる地、❝熔岩湿地帯❞ を踏破せねばならぬ。
おっとその前に、お弁当お弁当。中にはシンプルなパンに燻製肉と、超硬い一口大の乾燥チーズ、それとバター茶がお茶土瓶に入っていた。
ギヨティーヌ
「おぉ〜 なかなかの美味ですわぁ〜」