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18 鏡の魔物

○【不思議の森、熔岩沼地ようがんぬまち



マノン

「―――― はっ… お師匠ししょうさま!

 炎の中に、あのぉ…… おっ… 銅像どうぞうが有りまして。

 (*ノ▽ノ*)キャッ」



 マノンは思い出して、そのほおを赤らめる。



ギヨティーヌ

「美少年の裸体像らたいぞうですわねッ! わたくしも見たんですのよ✨」


クロ・ド・プラチナ

魔人まじんは、少年の姿をかたどっているとう。」



 クロ・ド・プラチナが言うのだから間違いない、あれが火焔牢獄かえんろうごくの魔人だ。



ギヨティーヌ

「欲しいですわ、欲しいですわよマノンさん!」


マノン

「ええぇ〜 魔人を? ですかぁ〜〜」


ギヨティーヌ

「欲しいですわクロさま!」


クロ・ド・プラチナ

「面白きことを考えよる、ギヨティーヌよ。」



 何だかクロ・ド・プラチナも乗り気だ。



マノン

「え〜…… でも、お師匠さま。

 あの穴から入っても、また別の場所に飛ばされてしまうのでは無いでしょうか?

 森の法則ほうそくが働くと、真正面から行って、辿たどり着けるのか分かりません。」


ギヨティーヌ

するどいですわね。流石さすが、我が愛弟子まなでしですわ!」



 ギヨティーヌがめると、マノンはれてモジモジしている。



ギヨティーヌ

「では〜 水鏡に映って居たのですから、そこからもぐれば行けるのではなくて?

 と言っても、水鏡になるような場所は……」


マノン

「お師匠さま、タコの魔物が出てきませんでしたか? 水から、」


ギヨティーヌ

「出てきましたわよ、大ダコですわね。タ〜コなぐりにして差し上げましてよ!


紫微大王

「御主人さま水鏡でしたら、熔岩沼ようがんぬまが有るでは御座いませんか。」



 死んだフリをしていた紫微大王が、口をはさむ。



ギヨティーヌ

(熔岩沼が水鏡になるのか?!)



 ギヨティーヌ・タタンが、ぐつぐつにえ立つ熔岩沼へ影を落とすと、そこへ映し出されるは、炎の中の魔人であった。


 その時、熔岩沼の表面より触手が飛び出し、ギヨティーヌをらえようとする!

 だが逆に、ギヨティーヌは素早く触手を捕まえ引きずり出して、



タコ魔物まもの

「うわぁぁぁん、うわぁぁぁぁぁん!」



 と例の、赤子が泣き叫ぶような凄まじい喚き声を発して、全容を表すタコ魔物を、

 ギヨティーヌは必殺の手刀で、切り刻もうとした。



タコ魔物

「ど、ど、ど、どぉ〜かお待ちくださいタコ! みっ、皆さまのお強さが充分じゅうぶんわかりましたタコ〜」


ギヨティーヌ

「何ですの? タコがしゃべってますの?」


マノン

「お師匠さま、許して上げたら…… どぉですか?」


ギヨティーヌ

「マノンさん、紫微しび大王を見ましたでしょ。魔物の言うこと信じちゃ駄目だめですわ。」


マノン

「お師匠さま、この魔物さんが何か知ってるかもしれませんよ。とにかく話しをいても、良いんじゃないでしょうか。」


ギヨティーヌ

「オイ、タコ野郎。何か知ってんならしゃべってみぃや。足一本一本、で喰っちまうぞ!」



 ガラが悪い、ギヨティーヌである。



タコ魔物

「ひぇ〜 お、お、お、お許しを〜〜タコ〜」


クロ・ド・プラチナ

「お前たちは反射面はんしゃめんに居る物か?」



 クロ・ド・プラチナが詰問きつもんした。



タコ魔物

「はい、サイクロプスさま。わたくし共は熔岩沼の、鏡の魔物と呼ばれておりますタコ。」


クロ・ド・プラチナ

火焔牢獄かえんろうごくのフェニックスと、魔人像を知っているか?」


タコ魔物

「ぞ〜んじております。わたくし共は、魔人につかえるウミヘビに言われ、護衛ごえいの役割をになっておりましてタコ……」


クロ・ド・プラチナ

「火焔牢獄へは、どのようにしてけば良い?」


タコ魔物

「それは…… わたくしと一緒に、来て頂ければ〜タコ」


ギヨティーヌ

「嘘では無いですわねェ。」



 ギヨティーヌ・タタンは念押ねんおしする。



タコ魔物

「だっ、大丈夫でございます、ど〜か、どか、ど〜〜〜かおしんじになり、わたくしにおつかまりいただいてタコ。」


ギヨティーヌ

「分かりましたわ、嘘ついたら熔岩でタコ焼きにして食べちゃいますからね。よろしくて?」


タコ魔物

「大丈夫でございます〜〜 痛い痛いタコ、痛いですタコ〜〜〜〜〜」



 ギヨティーヌはタコ魔物の触手をたばにして、しばり上げた。



クロ・ド・プラチナ

「我の背に乗るが良い、たとえ熔岩の中であったとしても、サラマンダーの蘇生力で二人とも、問題ないであろう。」


ギヨティーヌ

「お手間てまおかけいたします、クロさま。マノンさん、行きますわよ。」


マノン

「よ、熔岩なんて…… 大丈夫でしょうか〜」


紫微しび大王

「御主人さま行ってらっしゃいませ。では、わたしはこのあたりでおいとまいたしま……」


ギヨティーヌ

「お前も来いやゴラァ!」


マノン

「お師匠さまっ、」



 マノン・マドレーヌは、ギヨティーヌの余りにもにじみ出る人品に突っ込んだ。

 かまわず、タコ魔物の触手の束へみ付き、いやがる紫微大王をヒッつかまえるギヨティーヌ。



紫微しび大王

「あっ、止めてくださいご主人さま、ソコは… あっ……」


マノン

「わかりましたよぉ〜お師匠さま〜」


紫微大王

「あっー!あっー! あっあっ あっ……」


タコ魔物

「ひぇ〜〜〜〜〜ッタコ」



 ギヨティーヌ・タタンはタコ魔物を先頭に、紫微大王の少ない毛髪もうはつつかんで、引きずり回し。

 マノン・マドレーヌを背に乗せたクロ・ド・プラチナと共に、熔岩沼の反射面から、❝火焔牢獄❞ へと入って征く。

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