第一回 リア充撲滅委員会
今日は、みんな大好きバレンタインの当日である。
そう、今日はバレンタイン、バレンタインなのである。
「田中よ、今日はバレンタインというものらしいぞ」
「ふむふむ。けしからん日ですね。」
こいつは田中、話し方からご察しの通り日本で一番、否、世界で一番のキモオタだ。
「何個もらえるか競うか???」
「お前w負け試合に突っ込んでくるとはw」
バレンタインデーという、僕たちとは無縁な話をしていたその瞬間…
ドンッ!
「キャッ!」
目の前に女子が現れ、僕はぶつかってしまった。
「あ、あぁすみません。」
こ、これってもしかしてバレンタインデーのロマンティック効果ってやつ!?
「た、立てますか?」
手を差し伸べながら、完璧なドヤ顔でそういった。
「あ、ありがt…うわ、ガチで無理」
僕の顔を見た途端、ぶつかった彼女の顔から笑顔は消えた。僕が差し伸べた手ははたかれ、名前も知らない彼女はスタスタと歩いて行った。
「安藤、ザマァww」
コレが僕、安藤健太である。田中と話しているからわかるだろうが、僕もいわゆるオタクの一種でカースト最下層組だ。
「この世まじでクソだわ」
「お前が変なロマンティックを期待して、ニヤけてたのが悪いんだよなww」
そう、罵り合っていた時遠くの方から細い声が聞こえる。
「おーい!!!健太〜」
遠くからアホ毛でメガネの佐藤優希が走ってきた。もう省略するが、こいつもオタクだ。
「お、おはよぉ」
そうして、三人で学校に行くそれが俺らの日常である。
しかし!!!!!今日は、バレンタインデーなのである!!
こういった、オタクの日常が良い方向に狂うかもしれない一大イベントなのである!
「おう!みんなおはよう!」
クラスの陽キャの上杉は、入った瞬間に俺たちみたいなモブにも挨拶をしてくる。
こいつは一体何個チョコをもらうんだろうか?眩しすぎて溶けてしまうのではないか?などというしょーもないことを考えながら教室に入る。
「「けんた〜!」」
明るく可愛らしい声が教室中に響き渡る。
「俺を呼ぶ声!?」
僕は、目を閉じ一目散に向かった。
そこにいたのは、もちろんべっぴんさん、、、
ではなく、そこにいたのは…幼馴染とバカ女でした、、、
「何だお前らかよ」
ギャルゲのような、美女達とのイチャイチャを期待してた俺にとっては、多くの損失である。
「ちっ!そんなこと言うならあげねーぞ!」
「まぁまぁ、落ち着きましょうよ。どうせ、あなたも、そんなにあげるほど親しいひといないんですし」
僕は、親以外のチョコをカウントするため必死に弁護をする
「あ?言いやがったな!!!!」
「ちょ!教室なんでやめてください!」
今佐藤が止め(?)に入った短期茶髪クソ女が俺の幼馴染である斉藤優香である。
「もう!優香も優希も健太も!いい加減にしないとチョコあげないよ!」
「「ゆかりちゃん…!それだけは勘弁を!!!」」
もう1人の女の名前は前田ゆかり。優香の古くからの友人らしい…
顔はよし!運動神経よし!女子力よし!頭脳よし!、なのだが天然で変に抜けていて彼氏ができたことがないらしい。
まぁ、酷いプロフィールの男女5人で昔からつるんで遊んだらしている。
そんなオタクじみた解説をしている時、教室のドアがゆっくりと開いた
「優希くん?いる?」
そこには可愛らしい女子が立っていて、優希を見つめながらもじもじしている、優希、そう佐藤優希というやつは、ひょろいめがねのオタクだもう一度言うオタクだ。
「えっ、僕ですか???」
「「「「え?」」」」
僕たち4人は、美少女に呼ばれた佐藤優希をみて口を開けながら立ちつくしてしまった。
「ま、まぁバレンタインじゃないって言う可能性も」
「た、確かにな」
「ぎ、義理に決まってるよな!」
僕と田中の中で一つの考えが浮上する
アイツが彼女を作る…???
「いや、あいつはないだろ」
「だ、だよな…」
「私も同感」
た、確かに佐藤は見た目の割にしっかりと嫌なこと言うからな。
そうして、佐藤が起こしてきたイヤイヤヨーエピソードが始まった。
その時であった。
「あいつがさぁ…俺の金t…」
斉藤が話している時、急にドアが開けられる音がした。
そこには、佐藤がいた。奴は顔を真っ赤にしてニヤニヤしながらこっちに近づいてきた。
「これ、、、」
そうして佐藤は、手に持ったチョコ(ハート型!?)を差し出した。
その時、僕たち4人に戦慄が走る…
佐藤に彼女!?いやいやいや、アイツ俺たちと同類だし、オタ恋とかのCM出てそうだし、ほら!アキバと言ったら佐藤って感じするし!!!
「やったな!佐藤!『ギリ』チョコもらえて!」
念の為だ、念の為の確認だ、、、
「え?ギリじゃないよ」
佐藤は、1番の笑顔で、殺傷能力の高すぎる一言を放った。
「僕、一組の市川さんとお付き合いすることになっちゃった!」
そうして数分経った後、佐藤以外の全員がある言葉を放った。
「しね」
「しね」
「しね」
「しね」
「え?」
そうして僕らは無理矢理、佐藤を教室から追い出した。
そして、今まで会った佐藤を含めた5人の幼馴染のLINEグループ「いつメン」を削除し、佐藤に先を越された、いらだちと嫉妬から残ったリア充以外の4人のグループ「リア充撲滅委員会」を作った。
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